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知識の呪い
― 科学的であることと、科学を信じること ― みなさん、「知識の呪い(Curse of knowledge)」という認知バイアスをご存知でしょうか? これは、自分が知っていることを、他の人も当然知っていると思い込んでしまい、その知識を持たない人の立場から物事を考えることが難しくなるというものです。 最近、どうやら私自身が、この「知識の呪い」に陥っていたらしいことに気がつきました。 少し、そのお話をしてみようと思います。 システマティックレビューの信頼性について 最近、脳卒中リハビリテーションに関するシステマティックレビュー(SR)の研究方法を評価した研究に触れる機会がありました。 その研究では、対象となった多くのSRに、方法論上の重大な問題があることが報告されていました。 以前から、いくつかのSRを自分なりに検証してきた経験もあり、こうした問題が存在する可能性は予測していました。 しかし、実際に研究として示されると、やはり興味深いものです。 そこで、ちょっと意地悪なことを考えてみたのですね。 「では、脳卒中治療ガイドラインを作成する際には、こうし
Nagashima Kazuhiro
2 日前読了時間: 8分


Methodological quality of systematic reviews on treatments in stroke rehabilitation: A cross-sectional study
「脳卒中リハビリテーションにおける治療に関するシステマティックレビューの方法論的質:横断的研究」 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pmrj.70202 この研究は、個々の脳卒中リハビリテーション技術の有効性を論じる研究ではありません。 有効性を判断するために使われている研究そのものが、どれほど信頼できるものかを検証したものです。 2021年1月から2023年9月までに発表されたシステマティックレビューの中で、140件を対象に調査をしています。その結果、130件(92.9%)が方法論的な質について「極めて低い」と評価されました。 これには非常に重要な意味があります。 ひとつは、私たち臨床家にとって、むやみにシステマティックレビューを信頼すべきではないという警告の意味となるでしょう。 そして、研究者にとってみれば、研究論文を書けば科学的に信頼されるという時代が過ぎ去り、信頼性が乏しい研究は淘汰され、より信頼性の高い研究を模索するための試金石となるのだろうと思います。 では、この研究を紹介したいと
Nagashima Kazuhiro
7 日前読了時間: 8分


脳卒中ガイドラインと流行
最近、2026年のアメリカの脳卒中リハビリテーションのガイドラインで、ボバースが歩行や上肢機能の改善を目的とした介入として「推奨しない」とされた、という話を目にしました。 それを受けて、 「ボバースではなく、task-specific trainingを行うべきだ」 というような話も、今後さらに増えてくるのかもしれませんね。 違和感がありますね。(^_^;) 現在のリハビリ研究は、どこまで一般化できるのか リハビリテーションの研究というのは、非常に難しいものです。 同じ脳卒中でも、 病変部位 重症度 発症からの時期 感覚障害 認知機能 疲労 痛み 本人の意欲 生活環境 治療者の技術 などによって、患者さんの状態は大きく異なります。 さらに、同じ「ボバース」と書かれていても、実際に何をしたのかは治療者によってかなり違います。 同じことはtask-specific trainingにも言えます。 「課題特異的練習」と言っても、何をどの程度、どのようなフィードバックを与えながら、どんな環境で行ったのかによって、その中身はまったく異なります。 つまり、現
Nagashima Kazuhiro
10月3日読了時間: 5分


リハビリテーションの目的と探索行動
リハビリテーションの目的というと、「全人的復権」という言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか? 「全人的復権」とは、病気やけがなどによって尊厳や権利を傷つけられた人が、人間らしく生きる誇りや、自分らしい生活を再び取り戻すこととされています。 ここで一つ問題になるのは、 「人間とは何か?」 という、かなり根源的な疑問です。 ここに答えが出せなければ、「人間らしく生きる」という言葉そのものが、少し曖昧になってしまいます。 ところが、この答えを導き出すのは簡単ではないのですねぇ。(^^;; かつて、マイケル・ガザニガという神経科学者が書いた『人間とはなにか』という本を読みました。 非常に大雑把に、その内容を私なりにまとめてみます。 ガザニガは、人間も他の動物と同様に、環境から情報を取り込み、非意識的な神経処理によって行動していることを指摘しています。 人間だけが、動物とはまったく別の原理で行動しているわけではありません。 一方、人間で特に発達したのが、 行動する→自分の行動を意識する→「なぜ私はそうしたのか」を解釈する→一貫した物語にする→その
Nagashima Kazuhiro
10月1日読了時間: 5分


流し目とサリエンスネットワーク
――目は口ほどに「脳」を語る? 先日、高市首相がトランプ大統領に「流し目を送った」などという話を目にしました。 それが本当に流し目だったのか。 色目だったのか。 単に横を見ただけなのか。 そんなことは、まあ、どうでもいいのです。 ただ、 「流し目って、脳の中では何が起きているんだろう?」 と考え始めると、これが意外に面白い。 見たい。でも、露骨には見たくない 例えば、少し気になる人が横にいるとします。 見たい。 でも、顔ごと向けてじっと見るのはちょっと恥ずかしい。 すると顔は前を向いたまま、眼球だけがそちらへ動くことがあります。 これを第三者が見ると、 「あ、気になっているな」 と感じるかもしれません。 これが意図的に使われれば、いわゆる「流し目」になるのでしょう。 でも、こうした眼球運動は性的な場面だけで起こるものではありません。 例えばホラー映画。 主人公の横に、何かがいる。 怖い。 見たくない。 でも、何がいるのか確認しなければならない。 顔は動かない。 身体も固まっている。 ところが、目だけがゆっくり横を向く。 ホラー映画では、こうした眼
Nagashima Kazuhiro
9月27日読了時間: 7分


未来から見た現在の脳科学
かつて、頭蓋骨の形から人の性格や能力を判断する「骨相学」が、科学として扱われていた時代がありました。 現在の私たちは、それを科学が未熟だった時代の出来事として見ています。 しかし、未来の人たちは、現在の脳科学やリハビリテーションを、骨相学と同じような目で見るのかもしれません。 最近、7テスラMRIを用いた興味深い研究が報告されました。 Imaging Index Links Blood Flow to Cellular Architecture 従来は、ある脳領域の血流が多いか少ないかを、皮質全体の平均として捉えることが中心でした。 今回の研究では、7テスラMRIの高い空間分解能を利用して、大脳皮質の表層から深層に向かう血流分布を測定し、それを細胞密度の分布と照合しています。 その結果、単に血流量が多いことではなく、 「エネルギーを必要とする細胞層に、血流が適切に配置されていること」 が、ミトコンドリアの呼吸能力や脳機能と関係している可能性が示されました。 一方、別の研究では、通常のfMRIで用いられるBOLD信号と、実際の酸素代謝が約40%の領
Nagashima Kazuhiro
9月21日読了時間: 4分


良質な睡眠のための姿勢制御
「夜、寝返りはしていますか?」 そんなことを患者さんに聞く機会が、最近少し増えました。 というのも、夜間に腰が痛い、よく眠れない、朝から疲れている、といった方をみていると、どうも寝返りが少ない人がおられるのです。 もちろん、寝返りが多ければ多いほどよい、という話ではありません。 寝返りが多すぎる場合には、痛みや呼吸障害、温度などによって睡眠が不安定になっている可能性もあります。 ただ、本来人間は、眠っている間にも身体を動かしています。 一般成人を日常環境で測定した研究では、睡眠中の体位変換は平均すると1時間に約1.6回行われていました。 寝ているというのは、「動かないこと」ではないのです。 Sleep positions and nocturnal body movements based on free-living accelerometer recordings: association with demographics, lifestyle, and insomnia symptoms では、なぜ寝返りをするのでしょう。...
Nagashima Kazuhiro
9月14日読了時間: 13分


Molecular biomarkers in stroke recovery〜SRRRの提言
Stroke Recovery and Rehabilitation Roundtable 脳卒中回復・リハビリテーション・ラウンドテーブル:SRRR という国際的な取り組みがあります。 みなさん、SRRRをご存知でしたでしょうか? 僕は知りませんでした。(^^;; 先日、脳卒中の「回復」についてマギ(ChatGPT)と話していました。 ふと、「最近の新しい知見はないか」と尋ねたところ、最近のものではないけれど重要な論文として紹介されたものの中に、SRRRの論文が入っていたのです。 調べてみると、これはなかなか興味深い取り組みでした。 世界各国の脳卒中回復・神経リハビリテーションの研究者、基礎科学者、臨床研究者、統計家、方法論の専門家などが集まり、研究方法、評価法、バイオマーカー、臨床試験の設計などについて国際的な共通基盤を作ろうとしている活動です。 その背景には、「そもそも脳卒中からの回復とは何なのか」という、かなり根本的な問題があります。 2012年、Krakauerらは、脳卒中後にある課題が「できるようになる」ことと、本来の運動パターンその
Nagashima Kazuhiro
9月6日読了時間: 8分


【観光】鳥取砂丘〜VIVANTごっこ
2026年8月31日 ここには何度か行ったことがあるのですが、最近ではアクティビティとして、パラグライダー体験、砂丘セグウェイなどもあるという事で、砂丘セグウェイに乗る気満々で。(*^_^*) 鳥取砂丘は、鳥取の道路インフラがかなり良くなってきていて、安来から2時間半ぐらいです。道路からの景色は結構綺麗なので、退屈はしませんが、ほぼ直線なのでちょっと眠たくなるかも。(^0^;) とはいえ、所々にある道の駅も充実していますので、休憩しながら行くことが出来ます。 到着すると、広大な砂丘。 遠くの坂を登る人達が小さく、米粒のように見えます。 ここは夜も綺麗だと思うのです。砂丘から見る星空はきっと美しいでしょう。 それを見るためには、宿泊をしなくてはいけないかも・・・ ところで、お目当ての砂丘セグウェイ、猛暑のために中止中でした。(^_^; 9月なかばに再開予定とのこと。 楽しみにしていたのに残念。調べてから行けば良かった。 風は少し涼しかったのですけれどね。 砂丘の中、汗を流しながら歩き回ってみたりして。なかなかそれ自体も楽しめました。...
Nagashima Kazuhiro
9月1日読了時間: 2分


感覚論理の情報処理
Sensory Logic in Neural Information Processing: Toward a Framework of “Sensory Logic Studies” English Summary In this article, I use the provisional term “Sensory Logic” to describe a hypothetical form of information processing through which the nervous system detects and utilizes regularities in the relationship between the body and the environment. I tentatively refer to the broader attempt to investigate these processes as “Sensory Logic Studies” (感覚論理学). This is not inten
Nagashima Kazuhiro
8月30日読了時間: 14分


月の輪神事2026
月の輪神事は、1300年以上前の『出雲国風土記』に記された伝承に由来する、安来のお祭りです。 674年7月13日、中海の毘売崎(ひめさき)で遊んでいた娘が、ワニ(鮫)に襲われて命を落としました。 娘の父である猪麻呂は、村人たちとともにワニを探し、ついに捕らえて敵討ちを果たしたと伝えられています。 現在、神事の中で聞かれる「エンヤ エンヤ デコデットーヤ」という掛け声も、「みんな、みんな出てきて手伝えや」といった意味だと伝えられています。 また、捕らえたワニを槍に突き刺した姿が三日月のように見えたことから、「月の輪」という名前がついたともいわれています。 そうした由来から、月の輪神事は、亡くなった娘の霊を慰める「鎮魂」の神事として受け継がれてきました。 毎年8月14日から17日までの4日間、鉾を載せた山車を先頭に、笛や太鼓の音とともに町の中を練り歩きます。 その後、安来で疫病が大流行した際には、「この神事を永久に続ける」ことを誓い、疫病退散を祈願したとも伝えられています。 だからでしょうか。 新型コロナが流行し、通常のお祭りができなくなった時にも、
Nagashima Kazuhiro
8月18日読了時間: 3分


大脳基底核の回路は何が変わったのか?
大脳基底核の研究は、近年かなり進んできています。 では、線条体、淡蒼球、視床下核、黒質、視床などの構造や、それらを結ぶ回路そのものが、昔とはまったく違うものになったのでしょうか。 結論から言うと、 「基本的な構造と回路は変わっていない。しかし、その使われ方は、以前考えられていたよりずっと複雑だった」 というのが現在の理解に近いと思います。 これまで大脳基底核は、よく自動車に例えられてきました。 「直接路は、運動を始めるアクセル・間接路は、運動を止めるブレーキ」 直接路が働くと運動が促進され、間接路が働くと運動が抑制される、という説明です。 このモデルは、現在でも大脳基底核の基本構造を理解するうえで役に立ちます。 ただし、実際の脳活動を調べてみると、運動を始める際には直接路だけでなく、間接路も同時に活動していることが分かってきました。 つまり、直接路と間接路は、単純にアクセルとブレーキとして交互に働くわけではなさそうです。 現在では、 「直接路が、選ばれた行動を通す・間接路が、競合する別の行動を抑える・両者が協力して、実行する行動の輪郭を作る。」
Nagashima Kazuhiro
8月14日読了時間: 4分


CINAC(シナク)とは?〜「相関関係は因果関係を意味しない」という科学の基本原則
CINACという略語には、少なくとも二つの用法があります。 一つは、本記事で扱う Correlation Is Not A Cause――「相関関係は因果関係を意味しない」という科学的推論の原則です。 もう一つは、医学用語の Chronic Interstitial Nephritis in Agricultural Communities――「農業地域に多発する原因不明の慢性間質性腎炎」を指します。 本記事では、前者のCINACについて説明します。 以前から、私はときどき「CINAC」という言葉を使っています。 CINACは、 Correlation Is Not A Cause の頭文字を取ったもので、「相関関係は因果関係を意味しない」という科学的推論の基本原則を思い出すための言葉です。 「相関関係は因果関係を意味しない」という考え方自体は、統計学や医学、疫学、社会科学などで広く共有されています。 一方で、「CINAC(シナク)」という略語そのものは、特に日本では、まだ一般的な言葉とは言えないように思います。 しかし、「相関関係と因果関係を
Nagashima Kazuhiro
8月4日読了時間: 5分


課題指向型訓練雑感
私、元々、課題指向型訓練というものには違和感を持っていたのですね。 言語化するのはめんどくさくてしていなかったのですけれど。 そんな中、とある医師の講演を聞く機会がありました。 公演の最後に、もっと課題指向型訓練に移行すべきだと言ったことをおっしゃっておられたと記憶しています。 その講演の中で用いられた研究論文などにも私は以前から懐疑的でしたが、これもめんど臭くて言語化していなかったのです。 いい機会だから、ちゃんと調べようと思って、このブログにも紹介したシステマティックレビューの読み込みをしました。いや、いい経験になったとおもいます。 結構疲れたのですけれど。 結果的に課題指向型訓練というものに推奨すべき科学的根拠は乏しいという結論に至ったわけです。 勘違いされないように書いておきますが、課題指向型訓練に効果がないと言っているのではありません。科学的根拠があるように取り扱われますが、そう言った根拠は乏しいというだけです。 で、ライングループでそうした話をアップしていたのですが、話の流れで課題指向型訓練とは何かという疑問が出てきました。...
Nagashima Kazuhiro
8月3日読了時間: 10分


ミニチュア展と人生を楽しむための身体
岡山シティミュージアムで特別展として、ミニチュア展が開催されています。 ちょっと見に行ってきました。 ٩( ᐛ )و とても楽しめましたよ。 目の前に広がる、とても小さな世界。 細部まで作り込まれた作品を眺めていると、自然に顔を近づけたり、少しかがんだり、横からのぞき込んだりします。 こうした展示を見ていると、以前、岡山イオンで開催されたエヴァンゲリオン展に行った時にも感じたことを思い出します。 展示物をしっかり見ようと思えば、立ったまま正面から眺めるだけでは足りません。 腰をかがめる。少し背伸びをする。身体を横にずらす。人の間からのぞき込む。立ち止まり、再び歩き始める。 実にさまざまな姿勢や動作が必要になります。 さらに、展示会場の中を60分から90分ほど歩き続けることになります。 ただ歩くだけではありません。 周囲の人を避けながら、次に見たい展示物を探し、その展示の前にどの程度の人が集まっているのかを観察し、どの順番で回れば効率よく見ることができるのかを判断する。 実際には、次々と変化する周囲の情報を処理しながら、歩行や姿勢をほとんど意識する
Nagashima Kazuhiro
8月2日読了時間: 3分


課題指向型訓練の論文を読んで考えたこと
課題指向型訓練に関するシステマティックレビューを精読するために、一次研究まで遡って、それなりの数の研究論文を読みました。 とても勉強になりました。( ◠‿◠ ) そこでいくつか気がついたことがあるのです。 まず、課題指向型訓練と言われるものと比較される治療法として、割と少なくない頻度でボバースという名前が用いられています。 しかし、その研究においてボバースと言われている治療法の枠組みは、基本的にパッシブなものと規定されていることが多いようです。 それに対して、課題指向型というのは、アクティブプロセスとして捉えて実験的に分類しているものが多いようですね。 そのため、課題指向型訓練と言われるものはハンズオンをあまりされていないように見えます。 ハンズオンというのはそれほどまでにパッシブで効率が悪いものなのでしょうか? さまざまなスポーツの指導では、ある程度ハンズオンをすることがあります。 ゴルフ、テニス、体操、各種格闘技などなど。 ハンズオンは、注意を向ける場所を示したり、動きの方向や範囲を提示したり、余計な自由度を一時的に減らしたり、成功しやすい条
Nagashima Kazuhiro
7月30日読了時間: 5分


課題指向型訓練は、何を証明してきたのか〜推奨の根拠を一次研究まで遡って考える
現在、課題指向型訓練というのは多くの国々で推奨されている脳卒中リハビリテーションの訓練手法と言えるのだろうと思います。 一般的に、課題指向型訓練は科学的根拠に沿ったリハビリテーションのあり方として考えるような風潮がありますよね。 私はここにふたつの違和感があるのです。 ひとつは、既存の脳卒中リハビリテーションの手法では、何かしらの課題と組み合わせて行われることが通常です。立ち上がりにせよ、座位バランスにせよ、歩行にせよ、日常生活の諸動作にせよ、何かしらの課題を繰り返し練習するのが通常ですよね。では、課題指向型訓練とは何が特異的であるのかという疑問が湧きます。科学的に検証するのであれば、通常訓練の枠組みと異なる課題指向型訓練の枠組みが必要です。共通する枠組みが明確でなければ、個々の研究で設定された訓練の効果を検証することはできても、それを「課題指向型訓練一般の効果」として統合し、一般化することは難しくなります。 もうひとつ。運動学習に反復などの練習量が必要であることも間違いがないのです。 一方で、運動学習は同じ運動の反復だけによって成立するものでは
Nagashima Kazuhiro
7月25日読了時間: 39分


私の論文の読み方
私は論文を読む際、研究結果や著者の結論だけを見るのでは無くて、その結論がどのような条件の下で研究され、どこまで成立するのかを考えるようにしています。 まず、研究者の属性を大まかに調べます。その論文を書いた研究者や所属組織がどのような領域に関心を持ち、特定の治療法や理論を支持しているのかを確認します。 これは、研究者の立場だけで論文を否定するためでは無くて、その立場が、研究対象の選択・介入の定義・分析方法・結論の表現などに影響していないか調べるためです。 特定の治療法や理論を支持していたり、あるいは新しい治療法を開発していた場合などは、人の脳は判断と言った情報処理に対して容易にバイアスが加わるためです。これは、人の情報処理の特性とも言えるので、本来は研究というのは中立の立場で行われることが望ましいのですが、全く中立の立場で行われ、発表される研究論文は、おそらくかなり少ないのでは無いかと思います。 次に、研究対象となった集団が適切か確認します。 研究対象となった標本が、結論を一般化しようとする母集団を適切に代表しているか、という確認です。...
Nagashima Kazuhiro
7月19日読了時間: 5分


Novak2013ボバース批判の検証
Critical Appraisal of Novak et al. (2013): What Does the Evidence Really Say About NDT/Bobath? English Summary This article critically examines the evidence underlying the classification of Neurodevelopmental Treatment (NDT/Bobath) in Novak et al. (2013), A systematic review of interventions for children with cerebral palsy: state of the evidence. Rather than questioning the value of systematic reviews themselves, I traced the reviews and primary studies used to support the r
Nagashima Kazuhiro
7月13日読了時間: 11分


質問紙法の難しさ
先日、個人的にちょっと考えさせられる報道がありました。 沖縄全戦没者追悼式での出来事です。 式典は、「戦争反対!」「9条を守れ!」という大声のヤジが飛び、ヤジを飛ばした5名が退場させられました。 まぁ、追悼式中に大声でヤジを飛ばすというのは、いったいどういった人達なのだろうという興味もありますが、それは置いておきます。 (^_^; 式典が終了し、望月衣塑子というジャーナリストが、高市総理に質問をしていました。 以下の質問です。 「総理。演説中に飛び交っていたたくさんの市民の戦争止めろ、9条守れ、非常に強いメッセージ、どう受け止めましたか?」 皆さんどう思われます? この式典の参加者は、約3600人だったそうです。 大声のヤジで追い出されたのが5人。 約0.14%ですね。 しかも、このタイミングで退場させられた5名全員が沖縄県民であるのか、また式典参加者や沖縄県民を代表するのかは確認されていません。 たくさんの市民? (^_^; まぁ、望月衣塑子さんに好意的に考えれば、 5人が声を上げた ↓ 同じ気持ちを持つ人は、声を出さなかった人を含めて多数いる
Nagashima Kazuhiro
7月1日読了時間: 4分
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