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湯治のすすめ
湯治。良いと思うんですよね。 昔から動物は怪我や身体の動きにくさ等があると、温泉につかって治そうとする行動を起こしていました。 鷺の湯温泉というのは全国各地にありますが、鷺が湯治をしていたというのを発見して、温泉を見つけたと言ったような話があって、鷺の湯温泉というような名称が用いられることも珍しくはありませんよね。 (*^_^*) 温泉には、効能などが書かれていますが、あの部分については私は知識がないので良くわからないのですけれど。 ただ、湯治は良いと思うのです。 だけど、家庭で入るお風呂とはどの様に違うのでしょうね。 ということで、いくつか理由を考えてみました。 (*^_^*) 身体の慢性的な痛みや動きにくさというのは、本来は一概に話すべきではないのですが、痛み刺激が姿勢や運動を変化させて、慢性的に姿勢ー運動経験が影響を受けることで、痛みがより改善しにくい状況におかれてしまうことがあります。そう言った視点から考えると、姿勢運動制御の混乱はそうした事柄と相関関係上にあると言うことも出来るでしょう。 では、湯治、温泉の身体に与える影響を考えてみます
Nagashima Kazuhiro
6月15日読了時間: 4分


脳は世界をどう構築しているのか
最初に書いておきますが、これは脳卒中リハビリテーションに関わる人にとって、必読の本だと思います。 もし私が、膨大な知識と、それを文章にする能力、創造力があれば、こういった本を書いてみたいと思わせる本でした。 この本の帯をとったときに驚きました。帯はとても沢山の情報を、書店に来た人の目を引くように描かれた物です。 帯をとってビックリします。シンプルな白地に本の題名が記されたその姿は、読者の「知」に語りかけようとする著者の意図が見える様な気がしました。 この本は購入されたら、是非、帯をとってから読んで欲しいと思います。 内容ですが、私にはここでこの本を充分に紹介し尽くす能力はありません。 この本には、脳の働きを、生活の中の一日〜発達過程での脳の変化〜歴史の中で進化圧を受けて脳がどの様に変化したのか〜そして未来。 さらに科学的に物事を見るという事はどのような事なのか。 そういったことが書かれているように思います。 脳卒中リハビリテーションにおいて、脳のもつ回路が話題にあがりやすいのですが、そうした回路がなぜ必要になったのかという事を理解することは、脳損
Nagashima Kazuhiro
6月8日読了時間: 2分


文春の罠とメタアナリシスの罠
〜その科学的根拠は本当に科学的なのか?〜 最近、文春のネタで高市首相を追い込む野党という話が良く報道やSNSで出てますね。 予算委員会なんだから、予算のことをちゃんと議論しろよと突っ込みたい気持ちもありますが、ここは冷静に見てみましょう。 (^_^; さて、現状です。 2026/4/29 週刊文春が、2025年秋の自民党総裁選中に、高市陣営が対立候補を中傷する動画を作成し、SNSに投稿していたと報じます。対象として、小泉進次郎氏、林芳正氏が挙げられ、「無能」「アウト」などの表現が含まれていたとしています。 文春は、公設第一秘書・木下剛志氏が陣営メンバーに動画投稿に関するメッセージを送っていたとも報じていたようです。 2026/5/8~11 国会で立憲民主党の森祐子議員が、この文春報道について質問をします。 高市首相は「他の候補に関するネガティブな情報、動画を作成して発信すると云った事はいっさいおこなっていないと報告を受けている」と答弁をされたようです。 2026/5/20 文春は、単なる証言の記事ではなく、根拠の一部として、2025年9月から
Nagashima Kazuhiro
6月7日読了時間: 12分


意識が行動を決定しているというモデルに対する疑問〜受動意識仮説
2026年6月3日、Neuroscience Newsの記事に“Why the Brain Doesn’t Need Choices to Generate Intent”という論文が紹介されました。 https://neurosciencenews.com/brain-decision-sandwich-model-fallacy-30814/?utm_source=aweber&utm_medium=email&utm_campaign=feed-entry-title-neuroscience-news この論文の要約は、次のようなものです。 従来の認知神経科学では、行動は大体次のように説明されてきました。感覚入力→認知的判断・意志決定→運動出力このように、感覚と運動の間に「意思決定」という高次の認知処理が挟まっていると考えるモデルを、記事ではサンドイッチモデルと呼んでいます。Jamesはこの見方に疑問を投げかけます。理由は、脳には感覚処理や運動処理に対する神経機構は明確にある一方で、両者の間に独立した「意思決定センター」のような物が見つか
Nagashima Kazuhiro
6月7日読了時間: 5分


脳の可塑性を支える条件の概略と側坐核
脳の可塑性を充分に発揮するためには、以下の条件が必要です。 1.エネルギー産生が保たれていること 可塑性は、シナプスの変化、軸索・樹状突起の再編成、神経伝達、タンパク合成、炎症制御などを伴うことになりますので、かなりエネルギーが必要だと言えます。 ですから、土台にはミトコンドリア機能、血流、酸素供給、代謝の安定が必要です。 現在では、脳卒中後リハビリテーションにおいても、ミトコンドリアはエネルギー産生・神経保護・運動回復に関わる重要な標的として扱われています。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12466533/?utm_source=chatgpt.com 2.グリアが神経回路を支えられる状態にあること 以前は可塑性というとニューロン中心でした。 現在は、アストロサイト、ミクログリア、オリゴデンドロサイトを含めた「神経ーグリアネットワークの再編成」として捉えるのが重要になってきています。 アストロサイトは、シナプス周囲で神経活動を調整し、シナプス効率や記憶痕跡の形成・安定化、そして学習に関わること
Nagashima Kazuhiro
6月4日読了時間: 6分


脳卒中後の脳の可塑性とミトコンドリア
脳卒中後の脳の可塑性の重要な土台のひとつはミトコンドリアによるエネルギー産生であると言えます。 2025年の総説でも、ミトコンドリアはエネルギー産生・神経保護・運動回復に重要であり、脳ー筋関連を含めたリハビリの標的として扱われています。※1 そして、有酸素運動は脳由来神経栄養因子(BDNF)を介して脳卒中後の神経可塑性を促進し得るという考え方も以前から示されています。※2 BDNFはミトコンドリアと密接に連携しており、BDNFは神経の成長や記憶に関わるだけでなく、細胞内のミトコンドリアの機能を活性化し、エネルギー産生や代謝を制御する重要な役割を担っています。 すると脳の可塑性をより良く発揮するためには運動習慣が重要な条件のひとつであるという事になりますね。 さらに、運動習慣は、再発のリスクを低減するものでもあります。 現在の回復期リハビリテーションでは、リハビリテーションの成果をFIM利得で評価する場面が少なくありません。 ところが、FIMは、大雑把にいえば「できる」「おこなうのに介助が必要」「できない」などの指標で行為を点数化しているので、それ
Nagashima Kazuhiro
5月30日読了時間: 2分


FIMの科学的脆弱性とFIM利得の構造的危険性
はじめに、私はFIMという評価方法を否定するわけではありません。 現在の状況であれば、FIMは臨床上有用な共通言語で在り、介助量の変化を共有する補助指標として意味があります。 ただ、その科学性には限界があるということを言いたいのです。 1)FIM(機能的自立度評価法)とは何か? 言うまでも無く、FIMはADLの指標として使われている評価尺度です。 ADLの評価尺度としては、1965年頃より、バーサルインデックス(BI)が使われていました。BIは「日常生活動作の自立度」を簡便に測るための尺度です。 BIは、食事、移乗、整容、トイレ、入浴、歩行、階段、更衣、排便、排尿等を基本的なADLとしてセルフケア能力を評価する目的で作られたものです。 しかし、簡便であるがゆえに認知、コミュニケーション、社会的判断など実際の日常生活で自立を左右する要素を十分に含まず、また、点数が粗いために介助量の変化や軽微な改善を拾いにくいと云う問題を抱えていました。 そうした問題に対して、1983年頃、米国のリハビリテーション関連学会のによって開発されたのがFIMです。...
Nagashima Kazuhiro
5月22日読了時間: 9分


大脳基底核をめぐる最近の研究と脳卒中後の運動学習_2026
脳卒中後の運動学習について考える際に大脳基底核の働きというのは重要です。 そこで、最近の大脳基底核をめぐる研究をいくつか紹介し、最後に脳卒中後の運動学習についてのレビュー論文を紹介したいと思います。 ライングループやFacebookにアップした文章をまとめた物です。 1.線条体行動選択と強化学習の動態 Dynamics of striatal action selection and reinforcement learning 大脳基底核の働きとして、ハイパー直接路(全体的な抑制)/直接路(促通)/間接路(抑制)というGo/NoGoのメカニズムは古くから知られていました。 単一のターゲットシステムの活動制御としてみると、全く論理的なメカニズムに見えますね。 一方、マースデンは「基底核は、”後天的”に学習した運動機能の”自動的”な発動・発現に重要な働きをもつ」と指摘し、大脳基底核が運動プログラムの選択/切り替えや学習において中枢的な役割を果たしていることを提唱していました。 学習という側面から大脳基底核を見ると、少しおかしなことが起こります。..
Nagashima Kazuhiro
5月16日読了時間: 26分


線条体行動選択と強化学習の動態
大脳基底核の働きとして、ハイパー直接路(全体的な抑制)/直接路(促通)/間接路(抑制)というGo/NoGoのメカニズムは古くから知られていました。 単一のターゲットシステムの活動制御としてみると、全く論理的なメカニズムに見えますね。 一方、マースデンは「基底核は、”後天的”に学習した運動機能の”自動的”な発動・発現に重要な働きをもつ」と指摘し、大脳基底核が運動プログラムの選択/切り替えや学習において中枢的な役割を果たしていることを提唱していました。 学習という側面から大脳基底核を見ると、少しおかしなことが起こります。 単純化すれば、dSPNは選択された行動の促通に、iSPNは競合行動の抑制に関与すると考えられてきました。これらはドーパミンの増減で働きを変えることになっています。 例えば、選択しうる選択肢として行動A と行動Bが存在しているとします。 この時、行動Aを選択したとします。 単純なGo/Nogoモデルとして考えると、大脳基底核の中では、dSPNが行動Aを促通していて、iSPNが行動Bを抑制しているという事になります。...
Nagashima Kazuhiro
5月10日読了時間: 5分


脳の3つのネットワーク
脳の大規模ネットワークを考えるとき、特によく取り上げられる3つのネットワークがあります。簡単に説明しますね。 1)デフォルトモードネットワーク(DMN)内側に向かう脳記憶・想像・自己・物語・ぼんやり思考などに関わるネットワーク 2)実行制御ネットワーク(ECN/CEN)目的に向かう脳計画・論理・集中・抑制・問題解決などに関わるネットワーク 3)サリエンスネットワーク(SN)切り替える脳重要なものを見つけて、DMN・ECN・外界への注意などを切り替えるネットワーク もっともらしい分類ですね。(^_^;) 現在では、脳科学において当然のように用いられているこの3つのネットワークが、どのように整理されてきたのかというお話をします。 基本的には、人間、あるいは動物の脳活動が、単一部位の働きではなく、複数領域の協調パターンとして現れることがわかってきました。その流れの中で、脳を部位ごとではなく、ネットワークとして分類する考え方が自然に生まれてきたのだと思われます。 ある意味、脳の情報処理におけるホーリズム、といったところでしょうか。 まず、1990年代から
Nagashima Kazuhiro
5月7日読了時間: 5分


逸脱する身体との対話のデザイン
興味深い研究が始まるようです。 「逸脱する身体との"対話”のデザイン」 という研究です。 以下、サイトからの紹介文です。 ”本研究では、 重度肢体不自由児や認知症高齢者など、言葉による意思疎通が難しい人々とのケアの場に注目 します。こうした場面では、表情、視線、声、触れ方、呼吸、間合いといった、言葉にならないやりとりが重要な意味を持ちます。研究では、それらの微細な相互作用を映像分析や生体反応の計測などによって可視化し、その意味を科学的に捉えるとともに、映像作家とともにアートや実践の視点からも読み解いていきます。 また、本研究の特徴は、子どもの「育ち」と高齢者の「老い」という一見異なるケアの現場を往還しながら、人が人を支える関係に共通する原理を探ろうとしている点にあります。 言葉だけに依存しない関わりのあり方を明らかにすることで、当事者の尊厳を支える新しいケアの方法論の構築をめざします。 今後は、研究成果を倫理的なケアモデルや映像教材としてまとめ、医療、福祉、教育などの現場への展開、つまり実証にとどまらず実践を視野に入れています。...
Nagashima Kazuhiro
4月18日読了時間: 7分


脳卒中の再発率
ご利用者さんで、わりと頻繁にお尋ねになってこられることのひとつに、「病院で10年での再発率が50%だと言われた。」との話があります。 これって、本当だと思います? (^_^; 私は、そうした研究があったとして、それはちょっと母集団のコントロールがきちんとなされていないのでは無いかと思ったのですね。 というわけで、ちょっと調べてみました。 恐らくですが、この話のソースは久山町研究と呼ばれるものです。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1739549/?utm_source=chatgpt.com これは、九州大学でおこなわれた研究で、九州の福岡の久山町の住民を対象に、初回脳卒中の再発率を10年単位で追った研究です。 研究が発表されたのは、2005年ですね。 40歳以上の1621人を32年間追跡し、その中で初回の脳卒中を起こした410人を10年間追跡調査をおこなったものです。 そのうち再発したのは108人(26%)ですが、研究途中で死亡などにより追跡が困難となる人もおられるので、Kaplan–Meier
Nagashima Kazuhiro
4月11日読了時間: 4分


価値を選択に変換する意志決定の神経回路
上記の報告が2026年3月28日にありました。 価値を選択に変換する意志決定の神経回路(PDF)へのリンクはこちらです。 本文より。 「 研究では、サルに選択肢を提示し、選ぶか どうかを決定させました。このとき、腹側線条体と呼ばれる脳領域の神経活動が、まず選択肢の価値を反映し、その後徐々に「実際に選択するかどうか」という意思決定の信号へと変化していくことが明らかになりました。 この脳領域が価値情報を意思決定に変換する「橋渡し」の役割を担っていることを示しています。次に、腹側線条体に密に投射するドーパミン神経を光遺伝学と呼ばれる手法で活性化したり、腹側線条体自体を電気刺激すると、サルの選択が変化することが確認されました。これは、ドーパミン―腹側線条体神経回路が意思決定 の実行に因果的に関与することを示す証拠です。 」 つまり、腹側線条体と辺縁系のループが行動の報酬予測誤差を伝えることで行動選択が起きているというお話なのです。 ちょっとビックリしたんですね。 (^_^; 私は、もう既に定説とも呼べる一般的な知識となっていると思っていたのです。 どうや
Nagashima Kazuhiro
4月1日読了時間: 3分


The Natural “Biological Clock” of Stroke Recovery
「The Natural “Biological Clock” of Stroke Recovery」 と云う報告を目にしました。 今までの脳卒中リハビリテーションの研究は、母集団のコントロールが十分ではない印象を持っています。例えば、前向きコホート研究でも後ろ向きコホート研究でも良いのですが、コントロールされていない母集団で、早期リハビリをおこなっている群と、早期リハビリをおこなわなかった群を比較し、早期リハビリをおこなった方が予後が良いという研究結果が出たとしますね。しかし、大雑把な研究デザインでは、結局早期リハビリをおこなわれている群というのは全身状態が安定していて早期からのリハビリが可能であっただけで、逆に早期リハビリをおこなわなかった群というのは、発症後の全身状態が不安定で早期リハビリを行う事が出来なかったもしくは危険であった群である可能性が排除出来ないのです。この研究において、早期リハビリを行った事と、回復の程度が相関関係を証明出来たとしても、それは因果関係とは言え無いです。寧ろ、病態そのものと強い因果が在る可能性が在ると考えるのが普
Nagashima Kazuhiro
3月28日読了時間: 3分


脳卒中急性期と長谷川式スケール
最近、重い感染症と認知症リスクの関連を示した研究が報告されました。 https://neurosciencenews.com/severe-infection-dementia-risk-30379/ フィンランドの全国規模データを用いた研究で、入院を要するような重い感染症は、その後の認知症リスク上昇と関連し、その関係は他の併存疾患を調整してもかなり残ったとされています。 研究者たちは、感染症が認知症診断の平均5〜6年前に起きていることから、感染や炎症が脳の脆弱性を表面化させたり、認知機能低下を加速させたりする可能性を示唆しています。 もっとも、観察研究なので因果関係そのものを証明したわけではありません。 ですが、少なくとも「重い感染や炎症は脳機能に関係しうる」という方向性は、かなり強く支持されたと言ってよいでしょう。 実際、近年では、全身性炎症や感染がBBBやグリア機能に影響し、脳内環境を不安定化させうることも示されつつあります。 こうした知見を踏まえると個人的には、感染や炎症が認知機能低下に関与するということは、かなり因果関係に近いと思ってい
Nagashima Kazuhiro
3月26日読了時間: 4分


優しい受動意識仮説
リハビリテーションにおいて、割と患者さん本人の「意欲・やる気」が問題視されることがあるのです。 「意欲・やる気」というのは「意思」ですよね。 意思が問題だとすると、それを解決するのは基本的に本人に任せるしかない訳です。 さて、こうした意思というものに対して、本当に「意思」というものが存在していて、それがさまざまな行動を決定しているのでしょうか? そうした疑問への答えとなるひとつの仮説が「受動意識仮説」です。 これは自由意志というものはないとする立場です。 確かに脳科学的には、意思を決定する座というものは発見されていません。 さらに、現在知られているさまざまな脳の中の回路は、環境情報と身体情報を元に自動的に最も報酬が期待できる行動を選択するシステムを構築していることが知られている訳です。 唐突にこう言われても、戸惑われる人も多いかも知れません。 ちょっとわかりやすく例をあげてみますね。 例えば、あなたは午前中のお仕事も大体かたついて、お腹が空いてきたので、カツカレーを食べようと決めたとしますね。 カツカレー美味しいですよね。私は、時折どうしてもカツ
Nagashima Kazuhiro
3月10日読了時間: 6分


やる気ってなんだろう〜ネジレバネとスズメバチに見る受動意識仮説
先日、ラジオ(ポッドキャスト〜日曜天国の過去放送分)で昆虫学者の小松貴さんのお話を聞きました。 テーマは「ネジレバネ」。寄生性昆虫です。これが非常に興味深いのです。 話題に出ていた、スズメバチに寄生するタイプは「スズメバチネジレバネ」と呼ばれることもあるそうですね。 さて、このネジレバネ。スズメバチに寄生するのですが、どうやら宿主の行動に“変化”を起こすらしい。 メスのネジレバネ:動かない方が生き残る メスのネジレバネは足も羽も持たず、袋のような形態だそうです。 そしてメスは宿主の体内で 生涯を終える 。 メスに寄生されたスズメバチは、巣からあまり出なくなり、結果として長生きすることが知られている——というニュアンスでした。 ちなみにメスは足も羽もなくただの袋のような形だそうです。 生涯スズメバチの中に居座る気満々ですね。(^^;; 図は以下のサイトからお借りしてます。 http://www.matsunoyama.com/kyororo/blog/?p=2419 オスのネジレバネ:羽化の前に「巣から離れる」モードへ 一方、オスは羽化して飛ぶ必要
Nagashima Kazuhiro
2月26日読了時間: 4分


脳の可塑性とミトコンドリア
― 中枢性疲労を代謝の視点から考えてみる ― 現在の脳科学では、脳に可塑性があるということは、ほぼ定説として受け止められています。脳損傷後、元の状態に完全に戻るわけではありませんが、神経回路の再編成によって「今より動きやすくなる」「できることが増える」といった変化が起こり得ることは、臨床でも日常的に経験されているところだと思います。 一方で、現場にいると、 疲労が非常に強い 刺激量を増やすと調子を崩す 一見できているのに、持続しない といったケースにも、しばしば遭遇します。 こうした状態は、単純に「可塑性を引き出せばよい」という説明だけでは、少し捉えきれない印象を受けます。 可塑性の前に、エネルギーの話を シナプス可塑性や神経回路の再編成といった現象は、情報処理の問題として語られることが多いのですが、そもそもそれらは エネルギーを消費する現象 です。 神経活動そのものに加え、 イオン勾配の回復 グリア細胞による環境調整 ネットワーク全体の再構築 これらはすべて、ATP供給を前提としています。 このエネルギー産生の中心にあるのが、ミトコンドリアです
Nagashima Kazuhiro
1月12日読了時間: 4分


脳科学の限界と脳損傷リハビリテーションのパラダイムシフト
今年も順調にお仕事をさせて頂きました。皆様ありがとうございます。 様々な繋がりの中で、色々勉強もさせて頂きました。 今年は年末に入って、驚くようなニュースが入ってきました。 今年私が最も注目したニュースです。 https://neurosciencenews.com/fmri-neural-activity-30057/?fbclid=IwY2xjawO6lLpleHRuA2FlbQIxMQBzcnRjBmFwcF9pZBAyMjIwMzkxNzg4MjAwODkyAAEeMwhyO4dZfJOONwoHWRU1pq2zKJ1kWi118-fs3zZJmqRkWVmKgG8_GYnrobA_aem_hOZs0UpSSkMDXMqNbh9fIg この研究報告を簡単に紹介します。 1. 研究の主な発見 これまで、fMRIは「脳が活性化すると、酸素を補うために血流が増える」という前提(血流依存性信号:BOLD信号)に基づいて、脳活動を推定してきました。しかし、ミュンヘン工科大学(TUM)などの研究チームが調査したところ、 約40%のケースで、fMRIの
Nagashima Kazuhiro
2025年12月26日読了時間: 7分


自費リハビリに関する噂
未だに、「自費リハビリは違法」「グレーゾーン」という声を耳にすることがあります。しかしそれらは、多くの場合は制度理解が十分でなかったり、「医療」と「保険外サービス」「名称独占」と「業務独占」の整理が曖昧なまま語られているケースが多いように感じます。 ここでは、現行制度と法令の文面、行政運用を踏まえて整理します。 ■ 基本整理 法律が規定する理学療法・作業療法は医療行為として定義される。 主に保険医療制度のもとで提供され、医師の指示を前提とする。 理学療法士・作業療法士は名称独占資格であり、業務独占ではない。 そのため、保険外領域で機能向上のための運動指導・動作練習を行うこと自体は可能。 ただし、「理学療法」「作業療法」と名称を付して提供することは不可。 保険外サービスは民間契約に位置づけられる。 医師の処方箋や指示書は必須ではないが、医療判断が必要な場合は受診を勧めるのが望ましい。 医療行為(業務独占)に該当するため不可なもの ‣ 病名の診断・病態の断定 ‣ 治療方針の決定とその断定 ‣ 注射・点滴・採血などの侵襲的行為 ‣ 薬剤処方・投薬
Nagashima Kazuhiro
2025年12月8日読了時間: 4分
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