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狂骨の夢



私は、気に入った本があると、繰り返し繰り返し読む性癖(クセ)があります。

昔、誠愛病院の林克紀先生に、脳生理学を学ぶ際には、一冊本を決めて少なくとも3

回読みなさいと言われたことは、私にとって好都合でした。

気に入った本を選んだら、まぁ、3回は読みます。(^_^;)


ま、それはおいて於いて。


京極夏彦の作品は、結構気に入っているのです。

しかもむやみに長いので、長い時間本を読んでいることが出来ます。

唯一の弱点は、単行本とかで買うと、結構厚みがあって重いことではありますが、Kindleであるとかkoboであるとかのデバイスを利用すれば軽くて持ち歩けてとっても便利なのです。


京極堂シリーズの、「狂骨の夢」。

何度か目の読み直しになります。

お風呂入っている時とか、寝る前とか、夜中に目が覚めた時とか。

訪問の合間の待ち時間とか。

勉強するほど気力は無いけれど、ちょっとなにかを読みたい時に。


良いですよね。京極夏彦。


さて。

「狂骨の夢」

結構、京極堂シリーズでもお気に入りの方なのです。


「単なる器官にしすぎない脳の機能でさえ完全に解明されていないのです。意識や記憶や心の領域は、そう単純に図式化されるものではありませんよ。慥かにあなたの仰っていることは正しいでしょう。その図式で説明し得るものも多くある。しかしその方程式から洩れるケエスがないと、どうして云い切れるのです」


古書肆であり、神社の宮司、憑きもの落としを生業としている中禅寺秋彦の台詞です。

とある事件が起こり、それにまつわる色々なこと。


事件を解決するための伏線。


夫を4度殺した女、朱美。

骸骨。

戦争。

戦渦に巻き込まれる夫婦。

海。

騒騒。

宗教。

夢。

フロイト。

ユング。

精神分析。

認知。

(おそらく脳損傷に関わるリハビリテーションの人間なら気が付く)高次脳機能障害。

小説家によって造られた記憶。


「認識できないから記憶も出来ないかと云うと、これがそんなこともない。人間の意識と云うのは、目や耳から入ってきた情報と記憶情報を組み合わせて構成されるものでね、構成されたものが認識となる訳だ。情報は要するに部品ですよ。認識されない情報も、我我は沢山持っている筈なんだ。(ネタバレのため中略・・・(^_^;))〜その機能障害を補完するために、○○(ネタバレですので(^_^;))さんは、僕等と違う記憶の使い方をしてきたのに違いないのだ。だから」



たぶん、京極夏彦さんは、類い希なる観察力と、洞察力。それと、脳科学に対する興味を持たれておられる作家だと思うのですね。


PT.やOTであれば、一度はハマって読んでみるのもきっと、良い経験になると思うんですよね。


もうそろそろ何回目かの「狂骨の夢」を読み終わります。

次読む本は決まっているのではありますが、それは後ほど。


(*^_^*)












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