橋網様体脊髄路の賦活を判断が出来るのか

更新日:10月12日

とあるセラピストからの疑問です。

確かに橋網様体は頭の中のことで、見えないですよね。

皮質橋網様体脊髄路(pAPAs)が賦活されるとはどういった状況を指すのでしょうか?

橋網様体脊髄路が賦活されたとセラピストが判断するには、皮質橋路(前頭橋路/頭頂橋路/側頭橋路/後頭橋路)の出力が橋網様体脊髄路に投射されていて橋網様体脊髄路が活動することと、橋網様体において賦活されていない状態と比較してAchより5-HT(セロトニン:モノアミン系)の濃度がましていることが条件になっているものと思います。

ほんと、リハビリの場面では可視化できなさそうですよね。


だけど、脳の活動はおおむね姿勢や運動として表現されます。

では、脳幹網様体において5-HTの濃度が増す状態は一体どのようなことになるのかと言うことを考えると、皮質橋路の投射が運動に繋がりやすくなるという事が解っています。橋網様体脊髄路の投射先は体幹筋で、その活動は抗重力的な活動に繋がるとされていますので、姿勢が抗重力的に変化することは橋網様体脊髄路が賦活されていると考える要素になります。

また、脳幹網様体で5−HTの濃度が増すと言うことは、前脳基底部の投射も増えると考える事が出来ますので、前脳基底部マイネルト基底核からの大脳皮質に対するAch広範囲投射系が賦活されることになります。広範囲Ach投射系は皮質の興奮精細胞の興奮を速やかに抑制することで次々と送られてくる情報に素早く細胞の興奮をさせることが出来るようにして認知や運動能力を高めていることが知られています。

ですので、話しかけても反応が遅かったり話しかけられた方向を見ずに答えていたりされていたとしてそれが素早く応答されたり話しかけたらふと目線を合わせたりしていただけるような反応が出てくるはずです。

そういった事が様々起きてくるような状況が起きることと、姿勢/運動が安定性持った抗重力性を得るような状態があるのであればおそらく、橋網様体の神経伝達物質の状況は賦活されていると判断することが出来ると思います。

それはその人の印象が、介入する前より介入した後の方がしっかりした感じになるのでは無いかと。

そういう言い方をすると科学的では無いと言われそうですが、その人を取り巻く「空気感」が表現できる評価基準は私の知るところではないので。

そこはご容赦ください。


(図は、2006年の高草木薫先生の講義資料を引用させていただきました。)

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