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筋力っおなに

病院に勀めおいるずきから、よく「筋力はどうやったら回埩したすか」「筋力を䞊げたいです。」等の垌望をお聞きしたす。

筋力はMMTの結果にしおも、握力蚈なんかの道具を䜿っおKgで衚すにしおもずおも数倀化しやすい指暙に芋えたす。

しかし、数倀化された筋力ずいうものはすべおの結果にしか過ぎないのです。

筋力を支えおいる芁玠を考えおいきたす。


1姿勢制埡に関わる芁因

1-a)出力郚䜍に察する䞭枢郚の安定性。

 これは、䟋えば握力であれば手指の握る力をはかるのですが、手関節や肘関節、肩関節の安定性が確保できおいなければ出力は高たりたせん。たた骚盀呚囲の安定性がなければ膝の䌞展筋力が䞋がりたす。ミニ四駆なんかを考えたらわかりやすいかも。モヌタヌマりントが䞍安定だったらモヌタヌの回転が䞊手くタむダに䌝わらないですよね。タむダの回転軞シャフトが䞍安定でもやはりタむダの駆動力は萜ちたす。

そういった偎面はa-APA’sで衚珟されたす。


1-b)出力郚䜍に察する䜓軞の安定性の芁因

 腹に力が入らないず党身の力が抜けたようになりたすね。腹郚の安定性は肩甲垯や骚盀垯の安定性に寄䞎したす。これはp-APA’sで衚珟されたす。p-APA’sは運動に先立ち䞭枢郚の安定を構築しおいきたす。その䞊でa-APA’sが働いお動きに察応した関節の安定性を぀くり぀぀最終的に出力が起きるずいうのが最も出力を効率よくしおいく条件です。ミニ四駆で䟋えるずシャヌシの剛性ですね。実際の車であればボディ剛性も加わりたす。


1-c)倉化する姿勢での安定性の芁因

 実際に力が入りづらいず意識しおしたうのは䜕らかの行為を行っおいるずきですよね。歩いおいるずき。掗濯物を干しおいるずき。料理しようずフラむパンを持ったずき。猶を開けようずしたずき。車のタむダを替えようずしたずき。色々な堎面で䜕か出力の足りなさを感じおしたうのです。そのずきにずる姿勢は様々です。倉化する姿勢の䞭で安定性を垞に぀くる事ができるずいうこずが出力を安定させるためには重芁です。


2軟郚組織の芁因

2-a)構造の芁因

 構造は出力を倉化させたす。䟋えば膝関節など膝蓋骚が巊右どちらかに倉䜍しおいる堎合は倧腿盎筋の走行がたっすぐにならないので膝の䌞展の力は萜ちおしたいたす。同様に手関節も手根骚の䜍眮が巊右に倉䜍しおいるずか掌偎や背偎に倉䜍しおいるずいう状態では手指屈筋矀の力の䌝達効率は萜ちたすので握力が䞋がりたす。構造があるべき䜍眮にあるのかずいうこずは倧切です。

2-b関節可動域の芁因

 関節の可動域においお制限〜動かないずか動きに抵抗感があるず、た、力は出にくいです。これは関節可動域制限がどのような芁因で起きおいるのかずいう事にもよるのかもしれたせん。しかし、远求しおいくず倧きな芁因ずしお原繊維の働きが萜ちおいるずいうこずがあるように思いたす。関節呚囲の骚ず筋の間にある原繊維の動きが悪ければ筋は骚の䞊で滑走しにくくなりたす。同様に隣り合う筋の間の原繊維の動きが悪ければ筋同士の滑りが悪くなり出力効率は萜ちたす。


2-c筋の芁因

 筋原繊維は筋内膜に包たれおいるのですが、このたたでは筋原繊維が収瞮しおも筋内膜の䞭で筋原繊維が収瞮するのみで出力は筋内膜に䌝わりたせん。むンテグリンずいうタンパク質が筋原繊維ず筋内膜を接続しおいるず考えられおいたす。この接続によっお筋原繊維の収瞮は筋内膜の匵力を倉化させお出力にしおいきたす。そうするず、筋内膜同士の滑りに抵抗があるず出力は萜ちたす。もう少し倧きく考えるず、筋呚膜や筋倖膜なども同様に滑りが必芁です。

 筋原繊維は数倚くの筋節が繋がるように぀くられおいたす。筋の短瞮ずいう状態は筋内膜や呚膜、倖膜などの滑りが非垞に乏しくなった状態でも起こりたす。他の芁因ずしお筋原繊維の筋節の数が枛少したり、䞀぀䞀぀の筋節が短くなっおいおも起こりたす。いずれも非効率な状態で筋出力を䜎䞋させたす。筋節を増やすのは実隓的には長時間牜匕させるなどの手法で可胜なようですが珟実的な手技は思い぀きたせん。その䞊、そうやっお筋節を増やそうずすれば長期間ストレッチ刺激を䞎えるこずになるので原繊維の動きはかえっお悪くなるこずが予枬されたす。長期間原繊維が匕き延ばされおいたらコラヌゲン成分の䞭から氎分や栄逊成分が絞られるこずになりかねたせんから。


2-d痛みの芁因

 䜕らかの原因によっお痛みが出おいる堎合も出力は萜ちたす。虫歯で歯が痛いずき思い切っお硬いフランスパンをかみちぎる事なんおできないですよね。島根県の束江に「タロ」ずいうパン屋さんがあっお、そこのフランスパンやカスクヌトはずっおも矎味しいです。だけどずっおも硬くおもし私の歯が痛かったら食べる気にはなりたせん。痛くないので時々買っお食べるのですが。ずっおも矎味しいです。

話がそれたした。痛みは発痛物質ずいうものが痛みの受容噚であるポリモヌダル受容噚を刺激した際に起こりたす。色々な芁因でそれが起こるのですが臚床的には埪環が適正でない状態だず起こりやすいように思いたす。だから痛みを考えるずきには血液埪環や間質液现胞を浞しおいる液の埪環などはずおも重芁な芁玠になりたす。


3神経孊的芁因

3−a神経筋接合郚の芁因

 神経筋接合郚の構造は、神経終末-シナプス間隙-筋肉现胞によっお぀くられおいたす。现胞間隙には基底膜ずいう现胞倖マトリクスがありたす。神経筋接合郚での基底膜の働きはよくわからないのですが、现胞倖マトリクスの特性ずしお物質の遞択的透過性ここではアセチルコリンAchや神経終末ず筋现胞の䜍眮関係の構築距離を安定させおいたり、距離を遠ざけ立ち近づけたりずいう働きがあるのではないかず思いたす。神経終末が時間的空間的にAch攟出を増加させおいお、筋収瞮が起きるず神経終末ず筋现胞の距離が接近するず考えられおいたす。これは筋出力の増加に圓たりたす。いったん攟出されたAchは分解されるか神経終末に吞収されるこずになりたす。神経終末は小胞にAchを産生したり蓄えたりしおいお神経が興奮した際に攟出するのですが、この過皋はある皋床繰り返すずAchは枯枇しおいきたす。そうするずα運動ニュヌロンが興奮しおも神経終末からAchは攟出できなくなるず思いたす。これを筋の疲劎ず呌ぶのでしょうかいずれにしおも䌑息は重芁です。たた、吞収や産生における゚ネルギヌ消費は血液埪環が支えおいお、吞収や産生における老廃物は間質液の埪環によっお排出されおいるず考えられたす。これらの芁因のいずれかに問題が起これば筋出力や筋持久力が萜ちるこずになりたす。


3-b脳の芁因

 筋出力に圓たっお、1に蚘茉した姿勢制埡ず運動出力の連携は重芁であるこずを蚘茉したした。これを぀くっおいるのが脳だずいうこずになりたす。脳での前頭連合野からの出力は、運動前野から橋網様䜓脊髄路-䞀次運動野から延髄網様䜓脊髄路ぞ-䞀次運動野から脊髄前栞を介しおα運動ニュヌロンぞ。このシステムの損傷は出力の䜎䞋を招きたす。筋出力はこの呜什を元に脊髄の情報凊理機構に支えられながらα運動ニュヌロンに䌝わるので、この乱れは最も筋出力を䞊げる筋収瞮の順序性やタむミングを狂わせたす。それでは出力が出なくなるのも仕方が無いですね。こういった偎面は運動孊習ずいう蚀葉で衚せたす。出力を䞊げるには運動孊習が必芁なのです。


3-c脊髄の芁因

 脊髄はある皋床協調性を構築する情報凊理を行っおいるこずは䞊にすこし曞きたした。その他、脊髄の出力は前根を䌝っお末梢に神経を出しおいるのですが、脊髄の構造䞊前根を圢成する脊怎の怎間孔から出るのですが、頞郚ずか腰郚の怎䜓はかなり皌働したす。そのためその倉圢や動きによっお怎間孔が狭くなったりするず、神経根を圧迫するので神経に䌝わる情報効率が䞋がったりしたす。そのため神経終末たで興奮性が届きにくくなるず筋出力は䜎䞋したす。


その他たくさんの芁因があるずは思いたす。栄逊ずか、栄逊に絡んだ嚥䞋機胜ずか。たぁ、ちょっず思い぀くのはこれくらい。

それでも普通に「筋力筋肉の匷さ」ず捉えるよりかなり倚くの芁因で筋出力が成り立っおいるのがわかっおいただけたかず思いたす。

そのため、筋力トレヌニングずいう単玔化された同䞀姿勢での出力緎習が筋出力のためにどの皋床効率が良いのかずか頻床はどの皋床にしたら良いのかずはかどの芁因がどのように関わるかによっお結果が倉化するものだず思いたす。

ですので、䞭枢神経疟患の運動障害においお筋トレずいった圢のトレヌニングはしない方が無難なような気がしたす。


さお、筋力の芁因ずしお筋肉その物の芁因や関節可動域に぀いおすこし曞いたのですが、これらのアプロヌチには筋力蚓緎、関節可動域蚓緎ず蚀われる手法が甚いられ、研究をされおいたす。

その珟状における結論に぀いおすこし曞いおおきたす。

筋力トレヌニングにおいおは、頻床に぀いお週2~3回が良いずされおいたす。たた、筋力トレヌニングなどをあたりしおいない方においおは週1回ぐらいが適圓であるずの蚘茉があるずころもありたす。

サむトを䞀぀玹介しおおきたすが、筋トレの頻床に぀いお探すず毎日やるず逆効果であるず曞いおあるずころもありたす。

やはり様々な芁因の䞊に成り立っおいるのでやればやるだけ改善するずいったものではないずいうこずなのでしょう。

筋力はADLずの関連性が指摘されおいるずころでもありたすが、筋トレの頻床は毎日やらない方が良さそうです。

関節可動域制限においおも様々な研究がなされおいたす。

残念ながら、急性期で関節可動域蚓緎を行っおも拘瞮の予防にはならないずの結果がありたす。

単玔にうごかしおいないずいう芁因が拘瞮の䞻芁因であれば関節を動かしおさえいれば拘瞮はできないずいうこずになりたすので、拘瞮ずいうものが動かしおいないずいう芁因のみではなくお、ほかに倚圩な芁因がある事が掚枬されたす。

しかし、拘瞮の皋床のこずを考えるず臚床的にはしおおいた方が良さそうに思いたす。特に埪環系の問題解決は図った方が良いず思うので、単玔に関節を動かすずいうこずではなくお軟郚組織の隅々に思いを巡らすようにしおいく必芁がありたす。

急性期を超えた関節可動域制限に぀いおの现かな怜蚌は少ないです。䜜るず回埩が難しいから拘瞮を䜜らないこずが倧切だずいう流れみたいですが、先に曞いたように関節可動域蚓緎では急性期での拘瞮予防の効果は少ないずの報告がありたす。さおどうしたしょ

関節可動域蚓緎の方法論の問題だず思うのですけれど。

臚床的な経隓からの意芋ですが、浮腫ずか腫脹(炎症)が持続するず腱や靱垯、関節包などの原繊維を元ずするfasciaの状態は倉性しお行きやすいです。その倉性が起こるず可動域が制限される印象が匷いのです。

で、䞁寧に浮腫や腫脹をずりながら関節呚囲の軟郚組織の状態を敎えるように他動的にあるいは胜動的に動かしおいくようにするこず、その可動域の䜿い方を動䜜の䞭で憶えおいっおいただくこずが䞊手くいくず可動域は改善しお行きやすいように思いたす。

ずころが、医垫の蚺察の際に曲げないずい぀たでたっおも曲がらないずいう䞻匵のもず、思いっきり曲げたり䌞ばされたりしたあげくせっかく匕いおいた浮腫や腫脹がひどくなっお痛みが匷くなったりしお可動域が再び阻害されるずいう堎面に幟床ずなく遭遇したした。

「あい぀(医者のこず)はわかっおない」ず䜕床心の䞭で぀ぶやいおいたこずでしょう。

いや、わかっおいる医垫もいるにはいたのですよ。

あ、話がそれたした。

臚床的には軟郚組織の環境を敎えるこずもずおも倧切だず蚀うこずを曞いおおきたかっただけです。ただ、軟郚組織環境の調敎には軟郚組織を䌑息させる必甚もあるず思いたす。

盎感的な掚枬ですが、人を含め動物の身䜓は神経系も筋などの軟郚組織も掻動をし続けるこずが可胜な構造では無いず思うのです。

あ、これも話がそれおいたす。


そうです。筋力です。

筋力ず蚀われるもの。MMTでは0〜5で衚珟されるもの。握力であればKgで衚珟されるもの。

それがいかに様々な芁因によっお支えられおいるかを考えずに筋力蚓緎をするのは、䟋えば熱が出たから解熱剀だけを凊方するようなものだず思いたす。

熱源が新型コロナによる肺炎なのか尿路感染なのか䞭枢性の発熱なのか運動するだけでも熱は䞊がりたすし、日に焌けた暑い車の䞭に数分いるだけでも熱は䞊がりたす。そんなこずを䞀切無芖しお解熱剀を凊方する人はいないですよね。

今の医療では発熱に察しおしっかり原因怜玢をしお最も効率がいい治療方針が遞ばれおいるはずです。

リハビリにおける筋力(た、関節可動域もそうですが)は、なぜ、単玔に筋力匷化蚓緎を凊方されおそれをセラピストは毎日毎日365日続けるようなシステムが掚奚されおいるのでしょうか

筋力を指暙にするこずはいいのかもしれたせんが、その獲埗が目的になっおしたうのであれば危険です。


「筋力を䞊げたい」「筋力はどうやったら回埩したすか」ずいったような蚀葉を聞くたびにこういう思考が頭をよぎっおしたいたす。



文䞭、分かりやすそうなサむトを二぀玹介しおありたす。圓然もっずたくさんの文献やサむトがありたすので、興味があれば時間をかけおいろいろ調べおみおください。



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