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イラン情勢についての雑感

今のイラン・イスラエル・アメリカの戦争を見ていると、誰も得をしないのに、誰も簡単には手を引けないという、実に馬鹿げた構図になっているように思いますね。まあ、戦争というものは大体そういうものなのですけど。

ただ、現状を整理すると、少なくともアメリカもイランも、この戦争をかなり負担に感じ始めているように見えます。人間的に言えば、両者とも疲れ始めている、といったところでしょうね。


イランは、おそらく最初からアメリカに軍事的に勝てるとは思っていないはずです。だからこそ、戦争を長引かせることでアメリカ国内の世論、経済、政権運営に負担をかけ、アメリカ側に「割に合わない」と思わせる方向を狙っているのだろうと思います。ホルムズ海峡をめぐる圧力も、その文脈で考えるとわかりやすいですね。

一方のアメリカ、特にトランプ氏は、ここへきてかなり追い込まれているように見えます。今ならまだ「十分やった」「目的は達成した」と言って、ヒーローの顔を保ったまま引く余地があります。しかし時間が経てば経つほど、「止められたのに止めなかった側」として悪役になっていくわけです。そのことに本人もおそらく気づき始めていて、だから言動がかなりアンビバレントになっているのでしょうね。まあ、本人は強く見せているつもりでも、だんだん焦りがにじんで見えてしまうのですけど。

ただ、トランプ氏は自分から「やめたい」「仲介してほしい」とは言えないタイプに見えます。弱気に見えることを、彼の基底核が抑制している感じがあるのですね。その結果として、「各国は戦艦を出せ」といった協力要請の形で、実質的には多国間化や責任分散を図っているようにも見えます。厄介な人ですね。本音を素直に言えた方が、周りはずっと助かるのですけどね。


ここで重要になるのは、日本がどう動くかだと思います。日本にとってホルムズ海峡や中東のエネルギーは死活的に重要で、理屈の上では存立危機事態に近い議論もできなくはないでしょう。ただ、それでもこの段階で日本が早々に戦艦を派遣してしまえば、かなり大きな失望を招く可能性がありますね。日本の役割は、軍事的に前に出ることではなく、水面下で仲介や調整を進めることの方が、はるかにふさわしいと思います。

今考えられる最も現実的な終わり方は、アメリカが「十分やった」と言って引き、イランが「相手に引かせた」と言って収める形だろうと思います。曖昧ではありますけど、正直これ以外はかなり悲劇的な終わり方しか思い浮かばないのですね。きれいな決着だの完全勝利だの、そういうものを求め始めると大体ろくなことになりません。

そのための一つの現実的な骨子としては、イランが核を持たないこと、イスラエルに対して攻撃をしないことを受け入れ、その代わり条件を守るイランは多国間で守るという形がありうると思います。イスラエルにとっては「危険なイランを無力化する」ことが重要なので、危険が管理される枠組みができれば落とし所になりうる。イランにとっても、IAEAなどの条件を受け入れる代わりに、体制保全と一定の国際的保護が得られるなら、全面対決よりはましなはずです。

しかもこの案は、各国にとっても悪くないのですね。資源国イランとその周辺環境を守ることは、エネルギー供給の安定につながりますし、世界大戦級の火種を消すことにもつながります。中国や欧州、湾岸諸国、日本にとっても魅力はあるだろうと思います。まあ、口では立派なことを言いながら、腹の中では原油価格しか見ていない国も多いのでしょうけど、それでも止まるならそれでよいのです。

問題は、これを誰がどう動かすかですね。アメリカを正面に立てると、トランプ氏が拒む可能性が高い。だから仲介の正面は、イスラエルとイランに向けるべきなのだろうと思います。アメリカは少し外す。イスラエルが止めると言えば、アメリカもこれ以上深入りしにくくなります。イランも、多くの国がまとめて仲介に入れば、無碍には拒否しにくいはずです。


この仲介案のポイントは、スピードでしょうね。多く見積もっても1〜2週が勝負ではないかと思います。その間に「多国間仲介が始まりそうだ」という雰囲気だけでも出せなければ、トランプ氏は正式に戦艦派遣を求め始める可能性があります。そうなると、日本も各国も「出すのか、出さないのか」という問いに引きずり込まれやすくなります。そして、そういう問いに入ると、話が止める方向ではなく、参加の度合いの話にずれていくのですよね。実に面倒です。

日本は、表で手柄を取りにいく必要はないと思います。むしろ、目立たず、水面下で各国と調整し、火を小さくする方向で動く方が日本らしい。結果として手柄にならなくても、それでよいのです。今はそういう役割の方が大事でしょうね。派手に動いて仕事をした気になるのは、だいたい碌な結果を生みませんし。

いずれにせよ、この戦争は誰も本当に得をしません。だからこそ、せめて双方が最低限の面子を保ちながら終われる道を、どこかで見つけてほしいと思います。まあ、きれいごとだけでは済まないのでしょうけどね。それでも、そう願わずにはいられません。



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