top of page

EBMって何だろう?

以前、上肢と三角巾の関連について少し書きました。

少し気になって科学的根拠に基づく医療、つまりEMBは三角巾をどのように判断しているのかネットで検索してみて驚きました。

肩関節亜脱臼に対する推奨グレードは高いようですね。

「肩関節亜脱臼に伴う肩痛や片手症候群の予防として三角筋や肩関節装具が勧められる。(グレードB)」

あれ?

亜脱臼を良くしようとしていないんですね。そうですか。痛みを出さないように…。

大事ですけどね。


張力の構造を考えても、神経学的にも亜脱臼の改善には不利だと思われるんですけれどね。

EBMで推奨される手法は、もともと肩の亜脱臼を改善しようと思っていなかったってオチでした。


結構この手のことって多いなぁと思って、さらにEBMを検索していたら…こんな記載を見つけました。

「急性期リハビリテーション

・不動・廃用症候群を予防し,早期の日常生活動作(ADL)向上と社会復帰を図るために,十分 なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期か ら積極的なリハビリテーションを行うことが強く 勧められる(グレード A).その内容には,早期 座位・立位,装具を用いた早期歩行訓練,摂食・ 嚥下訓練,セルフケア訓練などが含まれる.」

そのほかのところを見ても、そもそも脳機能の改善は要求していない様子です。

能力が改善すればいいという判断で考えられているものなのですかね?。

ちょっと乱暴な論理な気がします。


AならばB(A→B)という論理を、自然数ならば整数であるという事に置き換えて考えてみます。

自然数なら整数ですよね。だけど、例えば-3は整数ですが自然数ではありません。ですので、この場合はAならばB(A→B)は成立しますが、BならばA(B→A)は成立しません。

A→BならばB=A という論理を成立させるためには一定の条件(推移律)を満たすことが必要です。どのような状況においてもA→BならばB=A という論理が成り立つわけではありません。


脳機能が改善があればADLが改善する(脳機能の改善→ADLの改善)は成立する論理ですが、脳機能の改善はADLの改善につながるのでADLの改善は脳機能の改善である(ADL改善→脳機能改善)は成立しません。少なくとも私の知る限り脳の情報処理システムとADLの関連を調べた研究は無いと思います。

繰り返しますが、どのような条件下においてもA=BならばB=Aというのは偽です。

しかし、暗黙にA→BならばB→Aの論理を用いている気がするんです。また、その論理を拡大してみたりして。


「脳の機能が改善すればADL能力は改善する。」(A)。だから、「ADL能力の改善は脳の機能の改善である。」(B)。「セラピストはADLに働きかける」(C)。「従ってADL能力の改善は脳機能の改善であり、施設・セラピストの質はADL能力の改善ではかることが出来る。」(D)。もしこんな論理を考えているのであれば、これは全くダメです。馬鹿げています。


A→B,B→C,C→DならばA=D。どこも推移律を満たしていません。或いは基礎実験によって証明されていないと思います。


リハビリテーション医学におけるEBMとは、著しく科学性に欠けた論理なのではないのかという気がしています。

脳の可塑性が証明されている現代において、今一度、研究に用いられる検査などについて脳機能とヒトの行為・動作の関連性を明確にするための基礎研究が必要なのでは無いかと思います。

まぁ、きちんと文献読まずに批判だけしてもと思って、「脳卒中ガイドライン2021」をアマゾンでみたら、8800円。ちょっとお高いですね。

でいろいろ調べたら松江の図書館に置いてあることが解ったので、今度借りて読んでみようと思っています。



Facebookで指摘を受けた部分を修正してみました。

う〜ん。これでいいかなぁ・・・



閲覧数:63回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page