11月16日、17日の日程で、米子にて開催された研修会に参加してきました。講師は大槻先生。
テーマは、「姿勢制御を背景にした両側肩甲帯・上肢機能への介入」です。
面白そうですよね。
大槻先生は学会の時にお目にかかってますので、ちょっと気軽に話しかけさせていただく事が出来て色々お聴きすることが出来て良かったです。
アシスタントとして三橋先生が入っておられて、三橋先生はずいぶん昔にお話しさせていただく機会があったのですが、めちゃくちゃ久しぶりに話をさせていただきました。
今はボバースのインストラクターを目指してトレーニング中のようです。
今回の研修会で興味深かったことをいくつか書いておきます。
最初に話されたのは、なぜPTが上肢へのアプローチを行うのかというお話しで、やはり多くの施設で、OTはADLを自立させることが優先的な課題となっていて、片手動作であっても代償的な動作であったとしても自立させるためのアプローチで時間を咲かれているので、OTが上肢にアプローチすることが難しくなっていること、また、上肢の機能が歩行などの基本動作の機能に大きく関わっているためPTも上肢に関わるべきだと考えておられることなどを伝えられていたように思います。
さて、現在の科学に於いても上肢のリハビリテーションはまだ介入が難しいそうです。そうですよね。(^_^;)
上肢の神経リハビリテーション分野における研究と臨床ではまだギャップがあることなどは皆さん感じておられることと思います。こうした研究事態も結構難しいと思うのですね。評価測定方法に良いものがないのです。評価測定値は、複雑な上肢運動金峰に関する改善の兆候を検出したり区別する為の充分な感度がないとされているようです。
ところが、最近ではiPhoneなどで動作を取ると、運動の「滑らかさ」を教えてくれるようなアプリが開発されているようです。滑らかさというのは中枢神経系の協調を示すひとつの表現系ですので、このお話をお聞きした時にちょっと期待感がありました。
臨床と研究をつなげるためのツールになってくれるかも知れないですね。
神経学的にも私の知らなかった事もいくつかあり、また、最近のボバースコンセプトの考え方の流れで、網様体下降路系をどの様に捉えているのかと言った部分でもちょっと面白いお話を伺うことが出来ました。
上肢や手指の機能的な回復のためには、患者さんとセラピストのモチベーションが必用だという事も、当たり前のようですが、何となく諦めちゃっている患者さんやセラピストの人っておられますよね。
酷い場合は、「この手はもう動きません」と、医師やセラピストに説明を受けた人もおられたりしますからねぇ。これって、どうかと思うんですよね。
デモも面白かったです。
歩行は可能だけど、椎足下を見て歩いてしまうような方で、おそらく感覚入力か感覚情報処理になにかしら問題があって、下部体幹から下肢に関する身体図式の問題の存在が疑われるような方で、体性感覚の情報処理による姿勢制御より視蓋脊髄路による情報処理に依存しているために円背が強くなるようなかたに見えたのです。私であれば多文化市から臨床推論を組み立てると思うのですが、上肢帯から推論を組み立てて治療展開するのはとても興味深く面白かったのです。デモをされておられた三橋先生に少しお話を伺ったのですが、勉強になりました。
<m(__)m>
やっぱりリアルタイムで患者さんの治療場面を見て、それでディスカッションが出来るのって勉強になりますね。
また、実技にも充分時間を取ってあって、自分の技術を再確認しながら練習させていただきました。
ビックリしたのは、若い方が結構多かったことです。
近年では、365日のリハビリテーションが推奨されているので、こういった研修会に参加しにくいシステムになってます。
ある意味セラピストが自己研鑽しにくいシステムを国が推奨しているという言い方も出来るかも知れません。
私は個人的には、毎日アプローチをしたら効果が上がるという見方には否定的なのです。
人〜動物には休息が必要です。以前、海外の脳科学者の先生が、データを取って研究したわけではないけれど、印象的には基底核の学習に於いては三日に一日の休息日が合った方が効率が良い印象があるというお話しをされておられました。また、近年、運動学習におけるグリア細胞〜アストロサイトの働きの研究が進んでいます。この様に、学習に関わる研究はいまだ途上にあって、学習の為の頻度に関する結論が出ていない領域です。
ともかく、そういった状況で研修会などには出席しにくいだろうと思うのですが、それでも若い方が頑張ってたくさん来られていたのはとても喜ばしいことだと思うのです。
(*^_^*)
ただ、私、もう、研修会に出ると最高齢のグループになっちゃいました。
何となく時間の流れを感じた研修会でもありました。
ま、面白かったから良いかぁ〜。
あ、思い出した。ちょっと要望なのですが、高草木先生の新しいスライドの図が資料で出ていたのがとても嬉しかったのですが、もう少し大きな図だと嬉しいです。目が悪くなっているもので・・・(^_^;)
大槻先生をはじめ、講師やアシスタントの先生方。また、この研修会を企画、運営していただいた鳥取ボバース研究会、よなご脳神経クリニックリハビリセンターのスタッフの皆様。
楽しませていただきました。
ありがとうございました。
<m(__)m>
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