エヴァネタはもう古いかもしれないですね。
すごく熱中して見ていました。
今の若い方は見たことが無い人もおられるかもしれませんが、テレビ放映されていた当時は、ものすごい人気でした。テレビで放映される日は誰もが残業をせずに帰っていたと言われています。
見ていた人はわかっておられると思いますが、ちょっとしか見ていない人や、アニメに興味は無いけど、世間がヱヴァンゲリヲンで騒いでいるので、ちょっとずつ情報を得ていたような方たちはヱヴァンゲリヲンをロボットだと思っている人も多いと思います。
実はロボットではありません。
エヴァンゲリオンは、「汎用人型決戦兵器」といわれています。
ロボットとは書いてないですねぇ。
あれは、巨大な「人」なのです。
身体の周りのロボットのような装甲は、「拘束具」であって、エヴァが勝手に暴れたりしないようにしているものです。
途中、使徒と言われる敵に手を破壊され、その後再生するシーンがあります。そこでは本当に人の手のような形態のものが再生されていました。
やはり人の手ですね。(*^_^*)
やっぱり人でしょ。でかい「人」。
エヴァには自らエネルギーを取り込む事ができないようになっているようです。食事ができないと言うことです。ストーリーの中で取り込んだりするシーンもありますけれど。
ま、それは例外として、通常エネルギーが無いので、普段は動かないのですね。拘束具で動けないようにもしていますし。
で、エヴァは活動時にアンビリカルケーブルによっておそらくエネルギーやそのほかの必要な物質を送られて動いているのでしょう。
排泄などの問題については語られておりません。ま、あんまり細かなことを考えていくとアニメの見せてくれる夢が無くなっていくので、そこには触れずに行くことにします。(^_^;)
さて、ヱヴァンゲリヲンの操作システムです。
パイロットは、エントリープラグと言われるカプセル状のコックピットに乗り込んで、ヱヴァンゲリヲンの頸椎あたりに挿入され、神経接続をすることでヱヴァンゲリヲンを起動します。パイロットとの情報接続は、どうやらエントリープラグに注水される呼吸ができる液体、L.C.Lを媒体にしているようです。間質による情報交換?的な??
白い棒状のものがエントリープラグです。中にパイロットがいて、内部の空間はL.C.Lで満たされているのです。
この際、シンクロ率が低いとエヴァは起動しません。
シンクロ率~何をシンクロさせているのでしょうね。
シンクロ率を計る直前に「A10神経接続」という台詞が出てきます。
A10神経は腹側被蓋野に始まる中脳辺縁系投射をするドーパミン作動性ニューロンですね。報酬系と言われる快不快などの情動に関わる神経システムの一つです。
A10神経、側座核にも投射していますね。側座核、大事なんですよ。意欲にも関わる核です。
このシステムをシンクロさせると言うことは、情動や意欲をシンクロさせると言うことになるのだろうと思います。
情動をシンクロさせることで、行動に対して大きな方向性を一致させることができると言うことになりますね。
ここで、行動・運動の選択にパイロットがエヴァの脳の情報処理に一定のバイアスを与えて一致させることができるかと思います。
逃げるとか戦うとか、そう言ったことですね。たぶん。
戦うというバイアスを持った行動選択は、さらにどのように戦うのかという選択をしなくてはなりません。
蹴るとか殴るとか、銃を撃つとか。プログナイフで切りつけるとか。自らのATフィールドを展開するとか、敵のATフィールドを破壊するとか。
そういった選択ですね。
この行動選択はどのように行われるのかと考えると、おそらく高次運動野と基底核ループの働きが関わっていると考えるのが自然だろうと思います。
大脳皮質、補足運動野や運動前野には様々な運動出力パターンのプログラムが存在していると思うのですが、基底核がその中で最も報酬系が働くもの以外を抑制してとりうる行動を絞り込んでくるような働きがあると思ってください。
エヴァが戦う場面においては、ナイフを使うか銃を使うのかとか、殴りかかるのかとかそんな中で最も効率よく使徒に勝つことが出来そうな行動パターンを選択するという形ですね。
パイロットのシンジ君がエヴァの操作のトレーニングをするシーンがあります。
「目標をセンターに入れてスイッチオン」
とつぶやきながらエントリープラグのレバーを操作しています。
選択された運動の開始をレバーで行っているようですね。
動作の開始や終了は基底核のハイパー直接路、直接路、間接路の働きによりますので、エントリープラグ内のレバーは基底核の働きと接続されていると考えて間違いないと思います。
やはり、エントリープラグは基底核とも接続されていると考えるのが自然ですね。
ここで、もう一つ考えておかないといけないことがあります。
情動を共有したりするためには、外的環境からのフィードバックは必須です。感覚系です。
考えてみれば、エヴァの手がねじられたり破壊されるとき、そこの痛みがパイロットにも生じていますよね。
3号機パイロットの惣流アスカラングレー、テレビ版では白いカラスのような敵にロンギヌスの槍で目を貫かれ、臓器を食べられるシーン、アスカも目とお腹を押さえていましたよね。思い出すだけで、私のミラーニューロンが興奮して嫌な感覚になります。まぁ、これらの事柄を考えると、一次感覚野や二次感覚野などの接続と思うかもしれませんが、エントリープラグが少なくとも中脳あたりでは、神経接続することを考えれば、視床や視床下部に入る情報を受け取ってそれをパイロットとシンクロさせることで、痛み情報などを含む感覚情報はパイロットの脳の情報処理に任せていると考えた方が、効率が良さそうですね。
また、視床周辺に送られる感覚情報を受け取ると言うことは、そうすることでエヴァのボディスキーマをパイロットの脳の中で構築できるというメリットもあります。前庭系の入力はまぁ、パイロットとエヴァは一致しているはずですし。
そうするとエヴァにとってあまり無理の無い行動選択をパイロットができるという事にもなりますし。
ここまで考えると、感覚情報と情動を共有して、基底核ループに関わることでエヴァに行動選択にバイアスを与え、行動を開始するわけです。しかし、行動自体はエヴァの脳が行っているので、運動出力に対する姿勢制御システムはエヴァに任せてしまうことができているはずです。
ある程度、操作系として成り立っている気がしますよね。
ここで、少しだけ、エヴァはどんな気持ちで操作されているのかというお話を挟んでおきます。エヴァが人に操作されているのをどう感じているのかと言うことです。エヴァも人ですから。(^_^;)
基底核の情報処理システムは無意識下のものです。従って、基底核ループの働きも無意識下であると言えます。高次運動野と基底核ループで選択された行動プログラムは運動出力の経路に乗せると同時にEfference copyが上縦束によって頭頂側頭連合野に運ばれます。頭頂側頭連合野は運動の出力情報と、その運動出力結果を比較し、結果的に運動主体感覚が生じるものと考えられています。さらにその運動主体感覚は、おそらく左脳言語領域付近に運ばれ、エヴァにとって都合のいい理屈を作ります。殴られたから腹が立ったとか、使徒がムカつく顔だったとか、何かを守ろうとしたとかですね。ということは、エヴァは操作をされているのにもかかわらずあくまで自らの意思で動いていると思ってしまうと言うことになりますね。
さて、姿勢制御はエヴァに任せている割に、一番最初にシンジ君がエヴァに乗り込んだとき、歩こうとして転倒します。
おかしいですよね。歩行は歩こうという情報処理の結果が脳に生まれたら、中脳歩行誘発野〜MLRと脊髄のCPGが働いてできるはずなのに・・・
しかしこれは、意思の関与が強すぎるとかえってこの自動化されている移動システムが抑制されてバランスが崩れてしまうというリアリティと受け取ることもできますね。
もし、シンジ君が、このときに情動に支配されて脳の情報処理に逃げるというバイアスが生じた場合、視床下部歩行誘発野〜SLRが興奮してものすごい勢いで普通に逃げるために走ったのかも・・・(^_^;)
作品の中で、エントリープラグは、別名「魂の器」、プラグ内のインテリアを「魂の座」と言ってます。庵野監督にとっては、辺縁系と基底核ループが人としての魂と関わる座だと考えておられるのかもしれないですね。
だとしたら、人と動物、何が違うのかという話も出てきそうではありますけれど。
まぁ、私自身は、人もほかの動物もあまり差は無いと思っていますので・・・
何で、こんなことを考えたのかというと、いんすぴゼミなのです。
(*´▽`*)
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