リハビリテーション施設の選び方

更新日:8月24日




今まで30年以上病院でリハビリテーションに携わってきて、勤めている病院のみでは無く色々な病院も研修などで見てきました。その経験を元にどんなリハビリテーションの施設がPT/PT/STサービスの質が良いのかと言うことを書いていきます。

もちろん、リハビリテーションを紹介されるに至るまでには医師や看護師などの色々な要因がありますので、ここではPT/OT/STのお話です。

利用する側から選ぶのは難しいとは思いますけれど参考になれば。

文章が長いとかわかりにくいとか感じられたら、赤いところだけ読んでいただくと簡潔でわかりやすいかもしれません。


まず、365日のリハビリサービスは質とは関係ありません。365日リハサービスをするというのは頻度/量の問題です。私の調べる限り現在の科学では、リハビリテーションの適正な頻度/量を判断する為の根拠はありません。また、報告を見ても365日サービスで改善しているとする報告もありますが、むしろ様々な課題の中で365日サービスを提供しても大きく変わらないという論文を多く見かけます。さらに近年では休息に関わる研究も多くなってきており毎日続けることが良いと言い切れない風潮が現れつつある様に思います。

それでも365日サービスを様々な病院で取り入れられているのは、厚労省の保険点数による誘導が主な要因だと考えています。ですので、365日サービスはよりよいリハビリテーションサービスの判断基準とはならないと考えて下さい。


では、リハビリ室に目を向けてみましょう。

リハビリの質を定義するのは難しい問題です。そう言うと、FIM/BI利得などの検査を持ち出して日常生活動作能力の改善度合いが在ると言われる人がおられるかもしれないですね。残念ですが、日常生活動作能力というのは様々な要因で改善します。手足が動かなくても頑張ればなんとか出来る事って有りますよね。得てしてそういった物は長続きしない動作であったりします。ですからそれらは単純にリハビリテーションの質を表す事は出来ません。

細かいことは省きますが、筋力評価、関節可動域評価等他の検査項目も同様なことが言えます。

さらに在宅復帰率もPT/OT/STの質を表現できる物ではありません。在宅復帰に関わる大きな要因は家族的な環境因子とその調整能力として力を発揮するMSWの能力です。

ですので、様々な検査項目を挙げ、このくらい改善させていますとか、在宅復帰率がこのぐらいありますと言ったようなことを言われたとしてもそれは、PT/ OT/ STの質を表す直接の要因ではないので、スルーしていただいて良いです。

考えてみると難しそうでしょ?PT/OT/STの質を評価するのって。

ですから、単純な構図を考えてみます。

リハビリテーション室を見学してみてください。

PT/OT/STがどれだけ目の前の患者に集中しているか?

これも、医師がいない状況で、さらに家族の見学なども無い状態で見た方が良いです。見る方法は、可能であるならばアポイントを取らずに見学をするのです。アポイントを取ると構えられることが多いのでは無いかと思います。普段からリハビリテーション室にいる全員のスタッフがキチンと患者さんに集中できているかどうかを観察してください。これは医師がいる場面や家族がいる場面では一生懸命になれるけど、普段はそうでも無い人もいる為です。ただ、患者さんに対する質問はちょっと控えめにした方が良いかもしれません。PT/OT/STから説明がある際は良いのですが、質問で患者さんとPT/OT/STの集中が途切れる場合もあります。

もしご家族のリハビリを見学に行かれるのであれば、ご家族の担当PT/OT/STがキチンと集中しているのは当たり前ですが、周りをそっと見てみてください。患者さんをほったらかしてスタッフ同士で話しているとか、患者さんの訓練をしながら他のスタッフと談笑しているとかがあり、それが注意されず放置されているようであればそこは少し質が低いのかもしれません。

これなら”質”と言われる物を判断できそうですよね。

あ、一見患者さんと遊んでいるように見える場面もあるかもしれませんが、PT/OT/STがずっと患者さんの姿勢や動きを観察しているのであればそれはセラピーとしてきちんとしている可能性が高いです。まぁ、逆に患者さんの身体に触れて操作していても上の空であればセラピーとして成立していないと言うこともあります。

大切なのは、リハビリテーション室にいるすべてのPT/OT/STが目の前の患者さんの姿勢や動き、関節や筋肉などのことを知ろうとしている様子がわかり、なんとか患者さんによりよい変化を出そうとする姿勢が見えればだいたい大丈夫な感じです。簡単に言えば一生懸命やっているかどうかですね。

で、次に。

リハビリテーション課内のPT/OT/ST間の指導について聞いてみてください。きちんとリハビリテーションの臨床経験を積み、勉強してきたベテランがおられて、中堅以下のPT/OT/STが実際に患者さんを見ている場面に直接指導に入れる体制(システム)が日々とれているかどうか?

これは大事です。やはり臨床場面できちんと患者さんの状態を考え(臨床推論)、姿勢-運動-行為などを分析して適切なアプローチを行うためには患者さんを見ているその場面で指導を受ける方が観察力とともに技術的にも知識的にも伸びやすいですから。そういった指導環境が整っているのであればその施設の多くのPT/OT/STはある一定のレベルに保たれていると考えていいでしょう。

逆に中堅以下が放置されているのであれば、その施設のPT/OT/STのレベルや考え方はバラバラだと思ってください。そういった施設では運次第でいいPT/OT/STにあたるかどうかが予後に影響するのかもしれませんね。

PT/OT/STの学習経験を尋ねることも大切です。どのような研修に行ったことがあるPT/OT/STがどのくらいいるのか?どのくらいの頻度で研修に参加しているのか?

学会発表などは研究活動で技術的な指針にはならないことも多いので、そんな情報を聞いてもリハビリを受ける側としてはスルーしていただいて結構です。学会でどの程度発表をしているのかと言ったことより、むしろその施設のシステムやスタッフが知識や技術の習得に高い情熱を持っていることが質を高めるためには重要なのです。

それらのPT/OT/STを取り巻く施設内環境、PT/OT/STが集中して患者さんに対応できる環境である事、そして技術や知識を高めようとする方向性を持っていること、それをキチンとスタッフ全体で共有できるシステムがどの程度整備されているのかはとりあえず確認しておいた方が良いです。

それらのバックボーンが無くて、毎日リハビリしていますとか言う施設はとりあえずちょっと注意が必要だと思います。

私なら、選択できる状態であればそこは選択から外します。

まぁ急性期病院では、多くの人は発症して救急車で搬送されることになるので、選択出来ないことが多いとは思います。また、急性期医療~医師の力量は最初にとても大切になりますし。あらかじめ、情報を収集しておいて、家族でこうなったらあの病院に搬送してもらおうとか話し合っておくと良いのかもしれないですね。

その後の回復期リハビリは選択できますので、見に行かれるといいです。


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