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脳の可塑性と記憶容量

後期のいんすぴゼミが始まっていたのですが、大阪や隠岐への出張が有、また仕事も10月からこのところ、何だか久しぶりに忙しかったこともあって・・・といってもそこまでではないのですが、なんだかタイミングが合わず出席していなかったのです。

久しぶりに参加させていただきました。

面白かったのです。

本は良いですね。

現在は、デイヴィッド・J・リンデンという神経学者の書かれた「あなたがあなたであることの科学」という本を読んでいます。

なぜ個性が生まれるのかと行った事を、脳科学から考えて行こうという本です。

11月21日は途中から参加させていただいたのですが、要約もあるので自然に本の内容に入っていくことが出来ます。

さて可塑性については、 二つの方法が考えられます。経験により 生じる電気的活動パターンによってシナプスでの化学物質の伝達強度を変化させその変化が持続する方法です。シナプスを強化したり、あるいは新しいシナプスを増やしたり、弱めたりすることになります。これらの変化をまとめて「シナプス可塑性」と呼びます。 もう一つはニューロンの発火のしやすさや発火の時間的パターンを変える「内因性可塑性」です。

さて、この可塑性を用いて学習が起きるわけですが、果たして脳の記憶の容量は無限にあるのでしょうか?

この本にある実験のことが書いてあります。

ロンドンのタクシー運転手になるには特別な免許が必要でとんでもない量の勉強しなければならないそうです。試験に通るためには2万5000本ある市内の通りのほかホテル、レストラン、ランドマーク、それらの間の最短ルートを全て記憶しなければならないとのことです。 このタクシー運転手たちを対象にとある研究が行われました。免許を持つロンドンのタクシー運転手の脳画像と年齢や学歴が同程度の対象群の人々の脳画像を慎重に比較し、タクシー運転手の方が海馬後部の体積が大きいことを明らかにしたのです。この研究結果から試験に通るために集中的なトレーニングを行ったことによって市内の詳細な地図が頭の中に入るように海馬後部が拡大したと言うふうに理解することができます。 このことは、成人が集中的なトレーニングを行った場合に脳内の陣取り合戦が一般原理として生じることを示唆しています。 そして海馬後部が拡大すると隣接する海馬前部が犠牲になるそうです。海馬前の縮小で日空間的な視覚的記憶の形成能力が犠牲になっているようです。 つまり記憶容量には一定の限界があってそのキャパシティーの中を必要に応じて配分していると言えるのかもしれませんね。

面白いですよね。

おそらくですけれど、基底核による学習も同様ではないかと私は思います。基底核が学習している運動のパターンと言うのは非常に

多彩だと思うのですが、それでも無限に学習できるわけではないのだろうと言うふうに思います。


脳梗塞や脳出血などの脳損傷のリハビリテーションで、代償的な動作を主軸とした運動学習を促すことが、麻痺による動きにくさの改善を目標においた場合、正しいのかどうかと言う点については近い将来研究が行われるのではないかとおもいます。

行われるといいなぁ。(^^;


いずれにしても、現在の脳科学と人の行為や運動を結びつける研究は近年始まったばかりと言えるのではないかと思います。

ですので まだわからないことも多く信頼に足る科学的な根拠と言うのは現状では非常に少ないのではないかと思うのです。


PTやOTは自らが研究者の様に、様々な知識や技術を取り入れつつ臨床場面で臨床推論を立て、検証していくと言ったことをおこない続けることが最も大切なことなのでは無いかと考えています。



(赤い部分が海馬です。)


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