top of page

月の輪神事

毎年、8月14〜17日に行われる神事です。

月の輪祭りとも呼ばれています。

夜祭りです。


「まつり」とはなにか?


古来より人と神様、さらには自然の精霊の関係性が強く意識されており、神意・お告げのことを「まち」と呼んだそうです。

そして、「まち」を伝える人のことを、「御言持(みこともち)」と言い、その言葉を伝えることを「まつる」と言ってたのです。

「まつる」ことで大地の恵みを頂き、一年の繁栄をもたらすことを「政(まつりごと)」、そしてまた、その報告を神様に行うことを「祭(まつり)」と言います。


古来より、政(まつりごと)と「祭り」は繋がりがあったんですね。


月の輪神事の歴史は古く、1300年前に遡ります。島根県のホームページを見ると、以下の記載があります。

「天武3年(674年)7月13日に、語臣猪麻呂(かたりのおみいまろ)の娘が、中海にのぞむ毘売崎の浜辺で遊んでいるとき、一匹の大きなワニに食い殺されました。娘のいたましい死を悲しんだ猪麻呂は、娘の遺骸を毘売塚山に葬り、敵討ちを誓って海岸で神々に祈りました。すると無数のワニにかこまれた大ワニがあらわれ、猪麻呂は手にした鉾(ほこ)で大ワニを刺し殺しました。そして腹をさいてみたところ、かみ切られた娘の足が出てきたといいます。

里人は娘の霊を慰めるため、ワニを殺した月の輪(鉾型の武器)をつくり、毎年8月14日から4日間、昼夜を問わず踊り続けたといわれます。この故事による風習が月の輪神事と称され、今日まで継承されています。

元禄12年(1699)ごろから乗相院(じょうそういん)別当が大念仏と称して大々的に神事を興行し、華麗な行列がくり出されるようになりました。この行列にそえる御神体が月の輪の型をした灯籠となりました。」


ここでのワニとは、サメのことですね。


1300年の歴史の中で、病気や飢饉などで祭りの存続が困難になったこともあったのかも知れません。現在のコロナ禍での出来事の様に。


本来「祭り」は、一年の繁栄を願い、もたらし、神に報告する政ですので、困難であるからと言って、安易に止めることのできるものでも無かったのでしょうね。


2020年1月15日に最初の感染者が確認された後, 5月12日までに, 46都道府県において合計15,854人まで感染が広がり、日本全国に様々な及ぼしました。


月の輪神事、月の輪祭りも例外ではありませんでした。

山車は出ていたようですが、祭りとして、人が出てくることも無かったです。

夜店も、一店だけ月の輪に夜店が無いのは寂しいだろうと、だされておられましたが、賑わいなど皆無でした。


月の輪祭りで出てくる出しのかけ声は、「えんやえんや、でこでっとうや」です。

言い伝えによれば、ワニを捕らえるために「みんな、みんな、出てきて手伝えや」という言葉が変化したものとされています。

誰も人が出てこない月の輪神事を、天におられる語臣猪麻呂の娘、その親である語臣猪麻呂はどの様な気持ちで御覧になっておられたことでしょう。


2023年。コロナ禍に入り4年が経過しました。その間、月の輪祭りもちゃんと行われていなかったことになります。


安来市としては、読むことのできない新型コロナの影響や、安来市自体の少子化、新しい施設の支払い、継続していないお祭りの予算削減なども有ったのでは無いかと思います。

大変ですよね。いったん止めてしまったことを再度行おうとすることは、様々な困難があることと思います。

そんな中、クラウドファンディングという手段でお金を集め、花火をしようとするところまでこぎ着けられたわけです。素晴らしいですね。

花火は中止にはなりましたが、その努力は大変なものであったと思います。


だけど、「政」は、「祭り」。人を集め、神様に報告する場でもあるのです。

どうぞ、また、あの祭りを再開して欲しいと思っています。

きっと大変でしょうけれど。


2023年は、安来市主催では無く、明治町というひとつの町内が、交通規制の下準備や人が集まるための企画を色々考えて実行されるようです。

是非、2024年には、もっと規模の大きなもの。安来市が「政(まつりごと)」として「祭り」を積極的に企画して欲しいと思っています。


がんばれ!明治町❗

がんばれ!安来市❗


昔の動画と写真をいくつか載せておきます。


こんなに沢山の人が、「政(まつりごと)」に参加し、「祭り」を楽しんでいました。


今は少なくなっているかも知れませんが、だけど、今を生きている子供達に。心から楽しんでもらって、そして、将来大人になって、安来市の文化をなにかしらの形で後世に伝えていって欲しいと思います。

そして、未来の子供達が、楽しい時間を過ごし、安来の文化を知るきっかけになりますように。

子供達は、私たちの未来なのですから。


今年、2023年は、規模が小さいですが明治町が頑張るみたいです。

来年は、きっともっと大きなお祭りに戻っているのでは無いかと思います。

皆さん。


是非、お祭りを見に来て下さい。


「えんやえんや!でこでっとうや!」(๑>◡<๑)



これがワニを殺した武器の形。ワニ(サメ)を下につるしたら、月の輪のように見えた訳なのだろうと思うのです。


朝の町並み。

夜祭りですから、朝から日中に欠けては、お店がこの様な感じになってます。



そして、夜。




















来年こそは、月の輪祭りが確り行われますように・・・!







閲覧数:28回0件のコメント

最新記事

すべて表示

社日桜

bottom of page