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ボトックス痙縮治療のフォロー


数年前からボトックスによる痙縮の治療が保険で認められて色々な医療機関で脳卒中や脳性小児麻痺などのヒトに使用されています。

松江赤十字病院でも行われていました。

そこで行われていたボトックス注射の流れは2系統ありました。

1つは対象となるヒトが医師に手が硬くてなんとかもう少し柔らかくしたいとかなんとか相談して、医師が診察室で痙縮を起こしている筋に対して針筋電図などを用い、最も効果が出ると判断したところに注射します。その後、対象となるヒトはボトックスを打ったとセラピストに伝えリハビリを続けるようなやり方。

もう一つは、リハビリのスタッフ(このときは私しかそういった事に関わっているリハビリのスタッフはいなかったので私ですけど。)とリハ医(神経内科医)と対象者の身体の状態やどのような動きによって不都合な筋出力(例えば内反尖足とか)が出てしまうのかを検討してどこの筋を緩めたら最も効率よく不都合な筋出力を抑えることが出来るのかと言うことと、ボトックス後、どのようにリハビリを進めていきたいのかを検討してどの筋にどの部分に何単位を打つのかといった打ち合わせの後、セラピストは注射に立ち会って注射を打つポイントを徒手的に特定していきながら進め、その後リハビリを行っていくと言うやり方。


臨床的な感覚ですが最初に紹介したやり方ではやはり効果が出にくく持続しにくいです。なぜかというと、例えば肘がまがって硬くなっているのは肘の屈筋に痙縮が出ているからでは無くて、肘の屈筋に痙縮が出る原因が他の姿勢/運動にあるからです。

ボトックスと言っても打てば治るという物ではありません。その後のリハビリはとっても重要なのです。


最近、ボトックスを売りにしている広告も見かけますが、キチンと出来ているところは多くは無いだろうと思っています。セラピストの分析が必要ですので、熟練したセラピストが医師と協力体制をとれる環境が必要ですから。


さて、急にボトックスの話を出したのには理由があります。

病院に勤めていたときに関わっていた子供さん、ボトックスを打つことになったそうです。ご両親から連絡がありました。

で、終わったら松江日赤のリハとうちの事業所もしばらく通いたいとのことでした。まぁ、お忙しそうですのでそんなに頻繁にと言うわけにはならないとは思っていますけれど。


ただ、今回のボトックス治療は私が日赤にいた頃の医師と、私が指導していたOTが関わっています。テーマは下肢の尖足の調整で歩容を替えていきたい、つまり足のボディスキーマの変更がリハビリの課題となるわけです。

その際にどこにどの程度打たれるかは、おそらくOTと相談の上でされる物と思います。


うちに来られれば、担当者と情報交換をしながらリハビリのお手伝いが出来るので、なんとか持続する効果を提供できれると思っています。環境は整っているのですから。


もし、ボトックス治療の後のフォローをこの事業所でしてみたいと考えられている人がおられましたら、通っている医療機関で事情を話してこの事業所と情報交換をしながら出来るように依頼をしてみてください。ただ打つだけより違った効果が期待できるはずです。

まぁ、松江赤十字病院のリハビリテーション科の神経内科医で有れば流れをご存じですし、私と一緒に仕事をしていたOTで私の指導が指導していたOTが関わってくれるのであれば医師と私の連携も見学してもらっていますので、やりやすいですけど。

PTやリハビリテーション科に在籍している整形外科医は興味を示さなかったのでそういった経験がありません。松江赤十字病院は急性期の病院ですので依頼が通るかどうかは解りませんが、リハビリテーション科に在籍されている神経内科医とOTに依頼するのが最も効率がいい物と思います。



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