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足根管

執筆者の写真: Nagashima KazuhiroNagashima Kazuhiro

更新日:2024年7月20日

先日、いきいきクリニックで透析中の方を診させていただいたのです。

足底の痺れに悩まされておられて、私は、その痺れの原因を突き止め切れていなかったのですが、整形外科で足根管症候群だと言われたと。

あ、チネルサインみてなかった…(^_^;)


と云うわけで、足部の状態を確認しながら屈筋支帯を緩めるようにしていったのですが、多少痺れが良くなる様子でした。


と云うわけでちょっと考えたのです。

脳卒中でも、足底の感覚をきちんと中枢神経系に届けるためには、ここの状態ってどうなんだろうって。

脳卒中で中枢性の感覚障害をお持ちの方などでは解りにくいですが、中枢神経系の感覚を育てるためにも、感覚自体は良質なものを中枢神経系に送る必要はあるのは云うまでも無いと思います。


というわけで、ちょっと解剖を思い出してみます。

足根管というのは、距骨、踵骨と屈筋支帯に囲まれた部分ですね。

この図では、屈筋支帯は半透明にして中に通っている組織が解りやすくしてあります。


このトンネル状の部分に、足底に向かう動静脈と、脛骨神経があります。筋肉としては、長拇趾屈筋、長趾屈筋後脛骨筋などが通るわけです。


なにかしらの理由で、この部分が圧迫されると云うことになると、動静脈の血液の流れが阻害されますし、脛骨神経も圧迫されて情報伝達が上手くいかなくなる可能性が出てくるわけです。

足底の循環が悪くなれば足底にある感覚受容器の働きも正常な状態を維持できないと云うことになりますし、神経が圧迫されれば痛みも出てくるかも知れませんね。


屈筋支帯の粘弾性、通っている筋〜腱の滑りや弾性、距骨や踵骨、腓骨の動きが大切だと云うことになってきますね。


片麻痺の方の足部をみると、内反尖足で長期的に踵骨と脛骨の距離が短くなっていたり、腓骨も動きを失っていて、踵骨の回外の動きを制限して結果的に屈筋支帯の動きが乏しくなっている事は予測できます。

その上、長期的に浮腫があったりすると、軟部組織の変性が起きやすい状態だったりするわけです。


ここのアプローチも、足底の感覚入力のためには大切そうですよね。


「そんなこともうとっくに知ってた」という声も聞こえてきそうな気もしますけれど。

(^_^;)


先日改めて気が付いたので、どなたかの参考になればと思って。

(^^)/


2024/07/20

お越しになられた片麻痺の方の足を写真に撮らせていただきました。

やはり軟部組織の状態がかなり悪くなっているみたいですね。

踵骨が内側に引かれて皮膚が折りたたまれるようになってます。皮膚は見た目に硬くなっているようですし、関節の動きも、靱帯も硬い感じなのが見て取れますね。



アプローチ後です。

ちょっと皮膚が見えやすくなってます。踵骨の位置もやや改善しているようですよね。

この状態がとれる方が、足底の循環が改善し易いでしょうし、感覚も入りやすくなるはずだとおもうのです。

家で、確り皮膚色が黒い部分を洗ってもらうようにお話ししてみました。



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