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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

いんすぴゼミ前期最終回

いんすぴゼミ「脳にはバグがひそんでいる編」が月曜日に終わりました。

面白かったです。

結局、脳というのは進化の過程で古い構造に新しい構造を増築るすように発達して来たのです。系統発達でもよく言われていますよね。

情報処理として、基盤となってくるのは古い脳の情報処理のようなのですね。高草木先生も、「高次脳機能も情動や本能なども古い脳の活動が基盤」と言っておられました。


そのため、古くて現代にはそぐわない情報処理方法などがバグとして存在しているというわけです。

最もバグとしてわかりやすいのは認知バイアスと言われる情報処理の特徴で、これもやはり古い脳の情報処理を基盤に置いているために起こることなのだそうです。

この本では、その情報処理がなぜそういう傾向があるのかといったことを、さまざまな実験や神経学的解釈などから説明を試みられています。

それはわかりやすいのですが、本を読んで理解した気になっている私の脳も当然バグを抱えていますので、きちんと著者が言いたかったことが私の脳に伝わったかどうかを考えると心もとない気もします。

ただ、それが人ですので、脳の情報処理にはバグがあるという前提で興味があるところはより深く考えていくことが必要なのでしょうね。


教育や文化、そしてリハビリテーション医学においてもそれを発展させていくためには、バグを含むけれど直感的で素早い認識能力を持っていて素早い決断が可能な自動システムと、情報を丹念に時間をかけて分析して結論を導き出す熟慮システムの二つをちゃんと運用するように、一人一人が行動を起こしていくことが必要なのだろうと思ったりしました。


「脳にはバグがひそんでいる」は持ち歩いていたので、本がちょっとくたびれてます。

(^^;


ところで、今毛内拡先生の新しい本、「面白くて眠れなくなる脳科学」を読んでいます。

脳のことを考えると少し難しそうで手がつけにくいとか感じる方がおられたら、この本はいいかも知れないです。

脳の研究方法の進化などもわかりやすく書いてありますし、文章自体が毛内先生の語り口調と同じように優しく表現されていて、楽しめますよ。

後半はちらっとしか見ていないですが、お得意のグリア細胞の話に結構ページを使われています。先日ラットの研究でグリア細胞に働きかけて認知症の改善につながる可能性があるといった発表のプレスリリースを見たのですが、その話もちょっと載っていました。



上の写真は、「面白くて眠れなくなる脳科学」からです。頭のいい人というのは神経回路の密度が低くてシンプルなんですね。面白そうですよね。後半も読んでいこっと。


ところで、いんすぴゼミ後期は10月ぐらいから始まるようです。

「あなたがあなたであることの科学」という本です。これも楽しみです!



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