
パーキンソン病で、歩行の第一歩目が出にくいという「すくみ足」。
その症状の一つの要因と考えられるのが、Reflex reversalと言われる反射のメカニズムの異常です。
Reflex reversalというのは、足底への感覚刺激が、荷重時では同時収縮を強めて立脚相の下肢を安定させる方向の反射活動になるのですが、遊脚相の足底非荷重時の感覚刺激では、反対に足を持ち上げる側の反射となるメカニズムのことです。
立脚期においては、足底の感覚刺激は安定性に寄与しなければならないのですが、遊脚期では、足底に刺激が入る〜足の裏が何かに当たったら素早く足を持ち上げる反応がありますよね。この反射機構は同じ回路を用いているのですが、荷重時と非荷重時では反対の反射活動になると云う訳です。
ふと、「セラピースペースながしま」のご高齢のご利用者さんにアプローチをさせていただいている時に、思い出したのです。
あ、この方は、パーキンソン病ではないです。
で、メカニズムを思い出して見ると、別にパーキンソン病ではなくても基底核の脚橋被蓋核への抑制出力が増加しっぱなしになってしまうと云う条件と、脳からの出力が低下し、抗重力性が弱くなるという条件がそろえば、脳損傷患者さんでも健常人と言われる人であっても、このReflex reversalのメカニズムがうまく機能しなくなって足が持ち上げづらい(躓きやすい)とか、足が重たい感覚が生じてしまうのではないかと推測するに至ったのです。
ほら、私たちでも、何かミスをして謝りに行かなければならない様な時って、足が重たいですよね。そういう時って、報酬予測が立ちにくいですから、ドーパミンの放出量は減少していると思うのです。
(^^;
それはさておき、片麻痺の足部知覚過敏〜足底刺激で内反底屈が出現してしまう反応などの要因の一つとして考えても良さそうな気がします。
だとすれば、これらの症例に対しても足底への感覚刺激に対する運動出力の調整といった姿勢運動学習が必要であろうと云うことになります。
どう思われます?
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