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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

皮膚感覚



PTやOTの皆さんは、手や足の位置や動きを感じるためにはどのような感覚が必用かご存じだと思います。

筋肉や腱組織にある感覚受容器、筋紡錘やGTO。

いや、それはとっても大切だと思うんです。

だから筋肉の位置をある程度正しいと思う位置に修正しようとしたり、筋の粘弾性を回復させて感覚入力が適正に起きるように配慮したりするんです。


だけど、それだけでしょうか?


私の個人的な体験です。

右母指、MP関節の内側側副靱帯断裂で、手術をしたんです。



手術室で麻酔をかけて。局所麻酔をかけても、手の感覚は残っています。

そこで、MPの皮膚を切開し始めると異様な感覚に襲われました。自分の親指がふわふわと手から離れていくような感覚。



面白いですよね。感覚的に掌と親指はちょっとつながっているんです。だけどどんどん掌から離れていく。親指の先の方の感覚は残存していて、親指自体の位置覚は残っているんでしょうね。それが混乱してきたのです。

母指の基節骨にドリルで穴を開けて、アンカーを入れて切れた靱帯を結びつけて。

で、皮膚を縫合していく。

その縫合していく過程で徐々に掌から離れていた親指が元の位置に徐々に戻ってくるのです。

そんなような感覚経験をさせていただきました。


その経験が面白かったので色々考えてみたのですが、筋紡錘やGTOの感覚だけでは無くて皮膚の感覚も位置覚とか運動覚に強く関わっているような気がするのです。それは、諸核とか言われる要素的な感覚様式では無くて、多分皮膚が連続性を保っているという表在感覚のつながりといった感覚なのでは無いかなぁ等と思っていたりします。引っ張られたら周辺も引っ張られる感覚があったり、たるんだらたるんだ感覚が局所的な連続性を持っていたり。


紀伊先生の研修会でも足部を弾力包帯で巻いて感覚の変化を経験したのですが、感覚がやはり解りやすくなるんですね。

結果的にバランスが良くなったりして。


結構、今、利用者さんの膝とか肘とかの中間関節も弾力包帯を巻きながら色々アプローチをしています。

感覚的には良さそうな感じがします。

膝の制御が上手になったりして。


人って面白いですね。


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