すごく懐かしい方からご連絡を頂きました。
私が松江日赤で25年前に担当させていただいていた時の脳梗塞の患者さん。
外来でも見させていただいていたのですが、外来を終了する際に「永島先生が独立されるなら、いきますので教えて下さい。」と仰っておられました。
発症から25年。長い経過をお持ちです。
あれから、仕事も退職され、介護保険課でのリハビリや、ボトックスを受けてみたりされておられたとのこと。
コロナ禍に入り、自宅で過ごす時間が多くなって、奥さんから動きにくそうであることを指摘されたご様子でした。
「25年もたったら、この(麻痺した手)が使える様にならないって解りました。」
胸まで曲がってしまっている麻痺した手を見ることも無く、小さな声で話されておられました。
「ただ、曲がったままになると見た目が悪いし、服が着られなくなるのが怖いです。」
ふ〜ん。
使えないのかぁ・・・。
そっかぁ・・・。
こんな感じの姿勢です。この人形では左手の指が伸びてますけど、ホントは結構曲がってました。重心を高くするのが怖いのか、円背になってきておられました。
取りあえず、どのぐらいまで伸びるのかと座ったままで悪戦苦闘してみます。
90度屈曲位ぐらいまでですねぇ・・・。なんとか、胸の下ぐらいまで。
指は中指が強く首相に押し付けられていて、MPとPIPが強く屈曲してDIPが過伸展してボタンホール変形の様になってます。
ふむぅ・・・。
近年、プラットホームがあるとリハビリの効率が悪いといった理由だったと思うのですが、医療保険下のリハビリテーション施設ではプラットホームをなくそうという流れがあって、どこもかしこもプラットホームを取り払っておられたように思います。だけど、私のところは保険外。ちゃんとプラットホームを置いているので、仰臥位へ。
(*^_^*)
仰臥位は、リラックスしやすいですし、立位や座位では胸椎の伸展がどうしても出せない人も、自重で胸椎の過剰な前弯を緩めることができます。
そういった姿勢で肩甲帯から胸部の筋に動きを入れて行きます。
少し胸郭の粘弾性が出てくると、大胸筋や小胸筋のあたりから引っ張りつけられていた上腕二頭筋の長さが少し出せる様に。
さらに、胸郭の伸展や、脊柱の伸展活動を促す為に、背臥位で手をプラットホームについて、足を曲げてもらってブリッジ。手で床を押さえる様にすると、麻痺手も少し伸展活動が高まります。
うん。
肘と指が伸びてきたので、麻痺側を上にした側臥位へ。
上になった麻痺側上肢を下に置いて手で身体を支えていただきます。
わずかに前後にうごかしつつ、手で押し返してもらう様に。
随意的に三頭筋の活動が出ている様子。
手で押してみて下さいというと、
「この手を使うんですか?」
そうです。
使えるとこは使って下さい。
そこから、床に麻痺手を置きつつ起き上がりへ。
あんまり手が曲がらずに座位になることができます。
できるじゃないですかぁ・・・。
まぁ、その後は、座位や立位での場面に変わっていくのですが長々と書いてもしょうがないので省略します。
取りあえず、座位で自分で肘を伸ばす練習をして、自主練習としてつなげれる様にお話ししました。
結局立位で自分で麻痺した手を伸ばすことができて、なんとか本日の目標は到達。100分程度。
久しぶりにこんなアプローチを受けられてご本人は既にかなり眠たい様な表情になってます。
本日はここまで。
たった状態で自分で手を伸ばして、まだ屈曲は残りますが、骨盤のところに手が届いています。
こんな感じ。
歩行も少し変わりましたが、本当は、歩行がもっと変わらないと手が十分伸びない様な気がします。
また、ご利用があれば、チャレンジしていきたいと思ってます。
25年経過の脳梗塞。
まだまだ色々ありましたが、脳のポテンシャルはまだ残されている印象でした。
またのご利用をお待ちしてますね❗
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