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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

2022いんすぴゼミ7回目

更新日:3月1日

なんだかちょっとだけ忙しくなって、いんすぴゼミの感想が毎回書けなくなってきています。一時のことなのでしょうけれど・・・

いや、一時ではない方が良いのですけれど。(^_^;)

取りあえず、題名の所は通し番号でいくことにします。


2022/06/13のいんすぴゼミでは、時間の調整という話題が出ていました。これがとっても興味深い。

オーケストラの演奏会で、奏者がシンバルを打ち鳴らすのを見たとき、私たちはシンバルが打ち合わされたのと同時に音が聞こえます。

が、実際は100メートル離れた席だと、シンバルが打ち合わさった光刺激による視覚情報に空気振動の音情報が300ミリ秒(0.3秒)遅れてくるそうです。

実際に手を打ち鳴らして、それを300ミリ秒音をずらした動画をつくってみました。


これが普通に撮った動画です。違和感はないですね。


で、こちらが300mm/sec(0.3秒)音をずらした物です。

動画では、視覚情報として距離の感じが同一なので違和感を強く感じますね。


そうすると、オーケストラの演奏を見ているときには、視覚情報から距離などの情報とシンバルを打ち合わせる視覚情報が、音が届いたときに知覚できるように時間を調整しているものと思います。

いったいどこがこの入力を調整しているのでしょうね?

小脳かとも思いましたが、小脳は誤差に反応して調整を加えるのでこういったことには不向きなような気がします。

視覚情報としての距離と音の感じというのは後学的な要素になってくるのでは無いかと思うので、そうであれば基底核ループかもしれないですね。

視覚的な距離の情報によって、あらかじめ音の遅れを予測して視覚情報の処理を遅らせておくようなシステムがあるかも知れません。

運動連合野ループで運動出現の前に姿勢制御(APAs)を行うような調整を基底核がしていると言うことを思えば、結構似たような処理ですので出来そうな気がします。違うかもしれないけれど。


こういったメカニズムが壊れると、どうなるのかを考えてみたのです。

おそらく、上記にかいた調整が出来なくなると言うだけでは無くて、視覚刺激と聴覚刺激の調整が必要ない場合でも、不必要に調整されることもあるかと思うのですね。それは、動きで言えば痙性とか連合反応と言われる不必要に強い姿勢筋緊張や不必要に多くの筋動員のように。

口を見て音を判断する制御:マガーク効果というのががあるのは以前書いたと思います。

口の動きによって、聞こえている音は調整を受けるのですね。

では、口の動きと音のタイミングがずれているとしたらどうなるでしょう?聞き取りにくい音声が出てくるのはなんとなく推測できます。

とすると、言葉の聞き取り能力はかなり落ちるのでは無いかと思うのです。

こういったことが言葉の持つニュアンスとかを混乱させてコミュニケーションを困難にすると言った事は起こりえるような気がします。失語であるとかだけでは無くて、アスペルガー症候群などのコミュニケーション障害などもこういったことが関係しているのかも知れませんね。


ループの調整・・・タイミングなどはどのように起きているんでしょうね。単純に回路的なものだけでは説明できないような気がしますが、近年では細胞外成分による情報伝達や伝達効率への関与が言われているようですから、もっと多くの情報が必要ですね。

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