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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

適応歩行能力


歩行は環境に適応する為に必要な能力です。つまり、生きることを支える重要な機能の一つだと言えます。


多くの人は歩いている人の心持ちが何となく解るのでは無いでしょうか?


例えば仕事で急いでいるときの歩行は、まっすぐ行き先を見て、しっかり背が伸びていてちょっと大股だったりして。カバンを持ちながら、時折腕時計を見たり。声をかけにくい雰囲気を醸し出していて。

楽しい気持ちの人はちょっと上の方を見ながら、にこやかな表情でちょっとキョロキョロしたり。歩行スピードはちょっと上がったり下がったり。ちょっと何かあったらスキップでもしそうな感じ。知り合いだったら、「なにか良いことあったの?」と声をかけたくなるぐらいの感じ。

悲しいときの人は、ちょっと下の方を向いて、背中も曲がって。ゆっくりとした歩行で。とぼとぼと。手はだらんと下ろしながら。手のスイングも小さくて。そこだけ重力が強くなっているのでは無いかという感じで近寄りがたい雰囲気。


そう言った歩行の様子は自分の状態を表現することで、周りの人に声をかけないで欲しいとか、急いでいますとか、いろいろなことを伝えて社会の中で過ごしやすくしているのでは無いでしょうか?

社会の中で、自己表現として歩行が社会適応のために役立っているのだろうと思います。


歩行が出来る出来ないと言うことだけでは無くて、歩行の持つ意味はもっともっと沢山ありそうですよね。


Adaptive Gait-適応歩行能力。面白い言葉ですよね。

場合によっては、患者さんも諦めているかも。病院で医師にもう回復はしないと説明されたり、ここまで来たらもう外来でリハビリは必要ないと言われたり。「まぁ歩けたから良いか」とかね・・・。

医療的リハビリテーションの評価項目には自分を表現する歩行能力といった項目は無いですし。

そんなところを見つけて改善を目指すお手伝いをするのが自費リハビリなのかも。


このAdaptive Gaitという言葉をつくられたのは、誠愛リハビリテーション病院の林克樹先生です。

コロナ禍に入る前までは、一年に一度ぐらいお会いして一緒にお酒を飲みながらお話しをさせて頂く機会があったのですが、ここ数年お会い出来ていません。(^^;

今は年賀状だけのお付き合いです。

お元気かなぁ・・・

またいつかお会いして話をお聞きしたいと思っているのです。

(^^)



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