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進化と脳の情報処理



今、いんすぴゼミで「情動と理性のディープヒストリー」という本を読んでいるのです。

最近は月曜日が少し忙しいので、youtubeにアップされているものを視聴していくような形なのではあります。

まぁ、マニアックな本なのです。

独りで読んでいたら心が折れていることでしょう。

(^_^;)


単細胞生物から多細胞生物になった際、身体の形態〜ボディプランには非対称・放射対象・両側性に分類されるようです。



ヒトは両側性ですね。

それぞれの生物がそれぞれの環境で生き延びて現在に至っているのは、それぞれの環境に適応しやすいという、なにかしらの要因があったものと思われます。


あ、そうそう。話が少し変わりますが・・・

以前も書いたのですが、進化に目的はないのです。

生物のなにかしらの変化が環境の中で有利に働いた場合、環境の中で、そういった変化を持つ個体の遺伝子が残りやすくなっているだけなのです。


キリンは、高いところの葉っぱを食べるために首を伸ばしたと考えがちなのかも知れませんが、それは違うのです。

人の脳は、なにかしらの意図や目的を感じてしまうように情報処理をしますので、ついついそう考えたくなるのかも知れませんね。

キリンは、たまたま首の長い個体が生まれた際に、他の動物が食べることが出来ない様な高い位置の葉を沢山食べることが出来たから生き残り、そのDNAを今に至るまで残すことが出来たのです。


つまり、進化とは目的が有るのでは無く、個体に生物としてなにかしらの変化が起きて、その変化の結果、環境に適応しやすくなり、個体が存続してきた結果が「進化」と呼ばれているのだろうと言う事です。

ということは、現在も人間を含む様々な動物は進化の過程の中にいるのです。


話を戻しますね。

初めのボディプランのところで記載したように、ヒトという生物は両側性の特徴を持っています。その結果現在の適応の形になっているのです。


多細胞生物の初期、神経系については、当然ですが、最初は神経系を持たない生物だったそうです。

そりゃそうですよね。

単細胞生物、ゾウリムシの様な生物は環境のなかで、Ph濃度や光など,色々な環境刺激に対して生存しやすく捕食しやすい場所に移動する様なシステムを取っていたのですが、多細胞生物になり、それぞれの細胞に役割分担が生じる様になってきます。

その中で、環境情報を捉えるものを現在は感覚受容器と呼んだりするのですね。

光を感じる細胞や、重力を関知する細胞。それらがその仕事だけ行う様になって、より精密な情報を得る様になったのが神経細胞の始まり。それらは、最もそれらの情報が得やすい場所に集まっている個体が生存競争に残っていくことになり、一定の働きを持った細胞は局所的に集まってくる様な形になってきます。

まだ軸索などは無く、隣り合う細胞同士で情報をやり取りして、環境刺激を運動に変換させて生存しやすい行動を取っていくことになります。例えば、光が多いところには植物が繁殖しやすいので、植物を食べる動物は光のある方向に移動する様に光を感じる細胞が興奮するとその方向に移動する様な運動出力をする個体が生存してくると言う事になるのです。



そのうち、そういった細胞の突起が長い(樹状突起)という特徴を持った細胞も出てきます。

すると、環境の刺激を受けた細胞がより遠くの細胞に情報を送ることが出来る様になります。神経細胞ですね。

すると、入力された環境刺激情報をより遠くの効果器に伝達することができるので、生物は大きくなることができます。大きい生物は、より遠くに移動し、より多くのものを食べる機会を得ることができますので、当然そういった個体も増えてきます。

そうすると、だんだん神経系も進化していくわけです。




進化の中で複雑になってきてはいますが、その基本的な方向性というのは,様々な環境に適応し、生存の可能性を高めるための構造という事ができるのでは無いかと思うのですね。

脳のことは、以前より様々な事がわかってきています。

昔は、脳は血液を冷却するための器官であると考えられていました。

それが今では、脳が働くことによって様々な運動野行動が出現したり、意識、意図と言われる概念が生成されたりします。

脳が左右に分かれていて、それぞれに特徴的な役割があること。

脳の表層(新皮質)の奥底には、基底核というところがあって、それが表層の皮質と連絡を取り、その情報を下降して視床を介して皮質に返したり、皮質の情報を脳幹というところに送っていること。

後ろには小脳があって、それが運動や知覚、認知と言われる物の制御に、情報の出力とその結果の誤差情報を介して関わっているという事。

脳幹には網様体というところが在り、そこは覚醒に関わっているという事。

皮質から網様体に降りてきた運動情報は、網様体のセロトニンやアセチルコリンなどの化学物質で運動出力を強く効果器に伝えたり、効果器に伝えなかったりすること。

神経細胞だけでは無くて、グリア細胞が情報伝達に役立っていること。

グリア細胞の一部が脳の神経細胞を取り巻く環境を適正に調整しているであろうこと。

ホントに色々なことがわかってきているのです。

それらは、そういった構造や繋がりがそうあることが生存のために最も有利だったから、そういった構造を持つ物として今もその遺伝情報が生き延びているのです。


しかし、まだわからないことも多いのではあります。


私は、それでも、推論を組み立てる必要がある時。

ふと、進化のことを考えてみると良いかと思ったりするのです。

脳の構造や局在と言われる物も、結局、最も環境に適した情報処理をするために.たまたまであったとしても、そういった変化(進化)してきた物だろうと思います。

ですから、脳が環境を知覚し、どの様な運動出力を送れば環境に最も適応して生存を助けるのか。その為に効率が良い情報処理とはどういったことなのか。

それは、脳の部位とその繋がりそのものに、きっと意味があるのだろうと考えるのです。

また、それらの部位や繋がりが絶えず変化していることも、生物としての変化(進化)を起こす条件であったであろうこと。


そしてそれらは、ヒトが両側性というボディプランの中で変化(進化)してきた結果、そういった神経系の構造や繋がりが意味を持っているのだろうという事も大事だと思うんですよね。ですから、生存を助けるために効率が良い情報処理の仕方を想定しておいた方が、間違いが少ないのだと思うのです。


情報処理と中枢神経系の構造のことを考えてみると、たとえば、中心溝の前は一次運動野、後ろは一次感覚野ですよね。中心溝の深い位置では、運動野の細胞と感覚野の細胞が隣り合っているわけです。そういった部位では、運動に関わる細胞とも感覚に関わる細胞ともつかぬ領域もあるかも知れません。一つ一つの細胞を見れば異なる特徴を持つ働きがあったとしても、隣り合っていれば互いに情報交換は行っているだろうと思うのが自然でしょう。その他の領域でも、おそらく明確な線引きができ無いところは結構あるかも知れません。

情報の選択に関わっている基底核は最も優先すべき情報とそうで無い情報をいろんな領域と連絡することで、仕分けています。仕分けた結果はその情報が必要な領域に返していると考えるのが自然でしょう。その情報を必要とする領域は、情報元だけとは限らないでしょう。


運動機能に関して考えてみます。

例えば、プレーシングなどはどの様なメカニズムで起きているのかはわかっていません。

しかし、関節が動いた時に、筋肉がその関節に自動的にアジャストしてくれていないと、次の運動がすぐ起こせないですし、なにかにぶつかったりした際に関節や筋などの軟部組織を損傷してしまう可能性も在ります。生存には不適切な状況になるわけですよね。だとすれば、神経系も多くの関連領域がそういった反応を支えているはずなのです。網様体脊髄路によるγ系の調整や、固有受容感覚からのフィードフォワードもあるでしょう。脊髄のレベル、脳幹のレベル、基底核、皮質などなど様々な領域がそれぞれの働きを補完する様にプレーシングといった現象を支えているのだろうと思っています。それが最も生存に有利だろうという理由からです。

また、姿勢セットといわれるもの、動きに先立つ構えの様な、通常ほぼ完全に非意識の動き。これは学習された結果であろうと思うのですが、様々な動作を行いやすくするために必用な動きです。椅子から立ち上がる際に少しだけ膝を曲げて足を引くとか、手を挙げる時は末梢である指が先行して動き始めるとか。色々ですね。

昔はそんなことを言われてもいなかったわけですが、ボバース夫妻が用いだした用語です。

現在は、先行随伴性姿勢制御機構〜APAとしてその一部はわかってきているわけです。網様体脊髄路を中心とした働きですよね。だけどきっとそれだけでは不十分なのだと思います。

おそらく、基底核による運動の順番や強さの制御を受けているのでは無いかと思っています。他にも構造的な連続性も関わっているのだろうと思うのですが、その構造内部にある感覚受容器からのフィードバックもおそらく関連していることでしょう。


たとえ話ではありますが、こんな感じに捉えているのです。


進化の過程で、起こしてきた変化というのは身体構造と神経系の構造の変化の中で、それぞれ環境に適応しやすい最適な物が残されてきているのだろうと思うのです。

おそらく、そこは間違いが無いのでは無いかと思います。

ですので、どういった情報処理が行われていれば環境に適応しやすいのか?また、脳損傷によって何処が効率が悪くなっていると推測できるのか。

そういった事を考える事ができるのでは無いかと思うのです。



だから対称性の身体構造も大事だし、そこからの情報処理のあり方を捉えていくことも大事なんだろうなと思ったりするんですね。

だって、対称性の構造を持つ生物として神経系も発達してきたので、当たり前と言えば当たり前ですよね。

あ、対称性と行っても、空間的・時間的対称性です。瞬間瞬間で見れば、歩行でさえ非対称なわけですが、時間的な経過を見れば対称的な動きとなっていますよね。

(^^)


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