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車の操作、踏み間違い事故に思う



東池袋自動車暴走死傷事故は記憶に残っておられるかたも多いのでは無いかと思います。

踏み間違い事故に対して、面白い記事を見つけました。

右に振り返った際の右位足の位置の変化についてです。

画像にあるように高齢者ほど、右に向いた際の右足の位置が右にずれやすいようです。

身体的な問題としては頸部の回旋可動性の低下、体軸内回旋の不足やバランスの問題から右方向を見ようとした際に骨盤まで右に回旋をして右下肢の位置がずれてしまうのかもしれません。

問題は身体の硬さと言うことになるのでしょうか。


池袋自動車暴走死傷事故については何が起こったのかはよく知りませんが、ご遺族のブログから加害者のかたが裁判にて話されたことがまとめてありました。

そこからすこし引用させていただきます。


  • 2019年4月時点では、杖を使えば歩けた。立ち上がった時と歩く時にふらつくことがあった。運転は正常に出来た。電車やバスを使うのは、乗り換えに時間がかかる。タクシーは使い勝手が悪い。だから使わなかった。過去車の修理を5回しているのは、出かける機会が増えたから。

  • いつも出かける前に、ブレーキペダルが正常に効くかのチェックをしてから出かけていた。

  • 事故時、縁石にぶつかった後パニックになった。

  • 視線を足元に移し、アクセルペダルが床に張り付いているのを目視した。約20メートルの距離を、仮に80キロだと仮定すると、1秒も時間がないが、見ることは可能だ。

  • 自身の記憶とドラレコの映像には、4箇所の食い違いがある。

  • これだけ物証が出た中で、踏み間違いをしていないと今でも思うか。→思う。

  • 警察の取り調べで「踏み間違えをしなかったとは言えない」と述べている。もう一度聞く。踏み間違えではないのか。→警察では何度もそう聞かれたからそう表現した。

  • 身体の記憶より、目で見た記憶のほうが正確だ。


引用はここまでです。


さて、粗大な運動機能としては杖を使用して歩けると言うことです。ニュースで見た記憶ではたしか、二本のT字杖をついておられました。姿勢は円背で頸部は亀の首様。体軸内回旋が少ないことが特徴的で、ややワイドベース。歩幅は小さめで、歩行時に頭頸部はやや下方に向いているのが特徴的であったと記憶しています。体幹のバランス制御は悪そうでした。車が無ければ公共の移動手段は難しそうではあるのかもしれません。タクシーなどもおそらくお金を払って車の外に出るなどの諸動作に時間がかかるため迷惑がられたかりされた経験がおありなのか、迷惑をかけまいという気持ちが働いて使わなかったのかもしれないですね。

事故時、自動車は、どうやらスピードを上げて何台かの車などを追い越し、そのままカーブを曲がりきれず縁石に乗り上げて、パニック状態になったと言うことらしいです。

縁石に乗り上げた経験がおありの方があれば、その衝撃は結構激しいことをご存じだと思います。(私は四駆でダートを走ったりした経験があるので、スピードがある状態でギャップに乗り上げたときの車体の衝撃を始めて感じたときは結構怖かったです。)

その際にシートからお尻はずれるでしょうから、いつもの足の位置にペダルがあるかどうかはパニック時には判断が付かないはずですし、ああの身体の硬い印象のかたであれば足がずれてしまっていたと考えるのが自然かもしれないですね。


ウィキペディアによると、検察側は「加害者は2008年(平成20年)に事故車両を新車購入したが、事故直前(2019年3月)の点検でもアクセルなどに異常は確認されておらず、事故当日の記録にも異常が起きた記録・ブレーキペダルを踏み込んだ記録はない」と述べているそうです。

アクセルペダルが床に張り付いたそうですが、その事実はないと判断されているのだと思います。で、ブレーキを踏まれた形跡もないということになると加害者の右足は一体どこにあったのでしょう?フロアにあったと考えるのが一般的だと言うことになりますか。80Kmのスピードでアクセルもブレーキも踏んでないと仮定してもオートマ車でDレンジで運転していたとするとエンジンブレーキはさほどかかってこないのでさほどスピードは落ちずに交差点に新修されたことになります。

判断は裁判でなされることですが、これらの情報を見る限りは状況的には車に異常はなさそうな気がします。

問題は加害者側が

「(加害者が)アクセルペダルを踏み続けたことはなく、車の制御システムに何らかの突発的な異常が生じた可能性がある」

と主張されていることです。

オートマはアクセルペダルを踏み続けなくても20メートルぐらいであればそこまでエンジンブレーキがかからないので、ブレーキペダルを踏まない限りほぼ減速せずに20メートルぐらい走行するのでしょうが、これが踏み間違いをしていないと言うことになると右足はブレーキペダルに乗っていたけれど、アクセルペダルが床に張り付いており減速できずにスピードが乗ったまま交差点に進入してしまったと言うことになります。こうなってくると車の制御システムに異常が生じたということになります。電子制御システムと言うよりアクセルペダルの物理的な問題なのかもしれないですね。しかも事故後はそれが改善したと言うことになります。運転開始前にブレーキペダルの確認はされておられる様子ですので業務上過失致死とかの罪には問われないことになるのでしょうか。

もしそうなら恐ろし車ですね。プリウスって。間違いなく走る凶器であり、さらに車自体に凶器である事を隠蔽するかのような機能が付いていることになるのかもしれません。だとすれば無差別殺人のために製作された車と評価されても仕方が無いことになります。

そんなことになったらプリウスはほぼ全台リコール対象もしくは回収になるのでしょうか。大丈夫でしょうかトヨタ。


さて、話を車や身体の運動的な側面から疾患の側面で捉えてみるとまた少し違った事が見えるのかもしれません。

加害者はパーキンソン症候群の疑いが指摘されているようです。診断されているわけではないですけれど、医師からは運転は許可できないと伝えられていたようです。

パーキンソン症候群がもし基底核関連領域の何らかの障害で起きていたと仮定するのであれば、基底核と高次運動野のループは情報処理がすこし時間がかかっていたのかもしれないですね。

頭頂連合野で処理された視覚刺激は、前頭連合野に送られて運動決定を行いますが、これは無意識下の情報処理です。

「危ないからブレーキを踏もう」と意識してブレーキを踏む命令を右下肢に送り、それから下肢が反応するようでは危険回避できないことが多くなります。

通常、ブレーキを踏むと同時に「危ない」と意識する感じか、ブレーキを踏みながら「危ない」と意識していることに気付くことが多いのでは無いかと思います。

つまり視覚情報が危険である情報を前頭連合野に送れば無意識下でブレーキを踏むシステムが基底核ループの中で成立していると考えられるので、このループの遅延が想定されると自動車の運転はかなり危険な状態であると考えて良いのでは無いかと思ったりします。

どの程度の症状かわかりませんが、四肢の筋活動に強剛と言われる症状があった場合危険性はさらに増します。素早くブレーキとアクセルを踏み換えるなどの動作に困難さが出てくる可能性があるのです。

ただ、どの程度の症状がその時点であったのかは私にはわかりませんので、症状があったと仮定するとこんなことが起きるという推測のお話ではありますけれど。


もう一つ。パーキンソン症候群に関わる話です。

被害者のかたは、裁判中加害者が反省しているようには見えなかったと話をされていたように記憶しています。

だけど、パーキンソン症候群の程度によっては、表情が乏しくなり反省をされていたとしてもそれが他の人たちに伝わりにくい可能性があります。

身体状況から深々と頭を下げると言うことも出来なかった可能性も否定できません。

本当に反省していない可能性もありますが、その可能性と同じぐらい反省していてもそれを上手く伝えることが出来ない可能性もあります。


あとは、事故前に抗パーキンソン薬などを服用していなかったことを祈るばかりです。

診断はされていないので治療薬も出ていなかったとは思うのですけれど、服薬していたとなるとかなり危険であった可能性が出てきますので。


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