つい最近参加させていただいた勉強会で、姿勢制御(コアスタビリティ)と排泄の制御について話題になりました。コアのローカルシステムに関わる筋で骨盤底筋群の働きやローカルシステム、グローバルシステムによる腹圧の制御は排泄のコントロールに重要です。
ただ、神経回路網もその関連性を持っているという話を数年前に高草木先生にお聞きしたことを思い出しました。
この動画は、自律神経系の出力と皮質の働きの関連を示したものです。高草木先生の資料を思いだしながら、多分おおむねコピーできていると思います。(高草木先生ごめんなさい。そして、こんな発想をするに至る知識を教えていただきありがとうございます。)
自律神経系の基盤は、視床下部から脊髄への投射と弧束核からの循環器系への投射です。
それを修飾しているのは、前頭連合野や扁桃体からの視床下部への投射。
逆に、循環器系の状態は弧束核を介して結合腕傍核や脳幹、視床下部、視床へ投射しています。内臓の働きは結合腕傍核、脳幹、視床下部、視床に投射されます。
循環や内臓の状態は視床に集約され、視床から島皮質に投射されています。
島皮質は、感覚運動野や頭頂側頭連合野など、皮質広範からの投射を受けています。
前頭連合野や辺縁系は島皮質を介して皮質全体の情報を視床下部に送って自律神経系を調整します。
前回のテンセグリティの記事では、身体構造とコアスタビリティのシステムの関連性を神経回路網の話とともに書かせていただいています。
また、基底核の資料を見ていただければ姿勢制御と運動出力の関連で基底核が重要な働きを持つと言うことを示させていただきました。
今回の記事と併せて考えると、身体構造/姿勢制御の為の回路と運動、そして姿勢制御や運動と自律神経系の関連が皮質〜基底核〜視床〜脳幹などの回路網によって説明できると思います。
そして、これらの回路網が働くためには神経細胞外環境の恒常性が必要ですので、グリンファティックシステム(仮説)の関与が重要となると思います。
また、脳幹のモノアミン系伝達物質であるセロトニンは身体の基本的な筋緊張を維持するために働きますが、同時にノルアドレナリンの調整をすることで自律神経系にも関与しているようです。
どのような制御になるのかはまだ調べていませんが、大雑把にとらえるのであればセロトニンが優位なときは活動性が高まっているときですし、アセチルコリンが優位なときは活動性が低いときである事を考えるとそれに応じた自律神経系の調整となっていると考えて良いのではないかと推測してはいます。
これら身体構造と脳の回路網による姿勢制御/運動制御/自律神経系調整、そして細胞外成分調整などのシステムが日常生活動作や生活関連動作、趣味活動やQOLを支えている脳と身体の構造的な基盤と言って良いのではないかと思っています。
ちなみにこの一枚のスライドをつくるのに半日かかりました。高草木先生の真似っこなのに・・・
(^_^;)
Comments