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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

脳科学への招待

PT/OT/STにとって脳損傷のリハビリテーションにおいて、脳科学をある程度理解しておくというのは大切なのだろうと思うのです。

近年、脳の可塑性という言葉は既に一般的に用いられる言葉になっていますよね。


私が学生時代(1990年代)に学んだ時は、脳のことについてテキストベースの知識しかなく、可塑性がどの様なものか理解しにくいものでした。当時の理解は、脳というのは色々領域があって、それぞれに働きが異なっていると云った、わりと固定的なイメージで、可塑性という柔らかで柔軟に変化する脳と言ったイメージは私にとってつくりにくいものでした。

こんな感じですね。


現在は、様々な動画が出ていて、可塑性というのがどの様なものかを視覚的に理解しやすくなっているように思います。


以下に紹介するシナプスの動画は、以前yotuubeで見つけてダウンロードしたものですが、最近はyoutube上で見つからなくなってます。

ですので、もしかしたら、なにか著作権上の問題が生じるかも知れません。もし問題が生じたら速攻で削除します。

ただ、脳が固定的なものでは無く、ダイナミックに変化するものであるという事が解りやすいと思いますし、最初に書いたようにPT/OT/STにとって、脳には可塑性があるのだと言うことを知っておくことは脳卒中患者さんのアプローチを考える上で重要だと思うのです。

そして、この動画は、シナプスでの可塑性があると言うことが視覚的に理解しやすい動画だと思うのですね。(*^_^*)



ね。

常に接続先を探すようにうねうねと動き、接続を強化したり必要ない接続は失われていったり。

脳の中はかなりダイナミックに動いていることが解りますよね。

(*^_^*)


たとえば、ラットに一定の音源を聞かせ、その際に餌を与えるというオペラント条件付けによる学習を行うと、聴覚野の音を受容する領域が学習初期では大きくなり、学習後期では小さくなると云った変化が起こるとされています。

こう言った学習には、ヘブ則による学習と、塚田の時空間学習則による学習があると言われていますが、この例では、ヘブ則によるものでしょう。


こう言った領域の変化は、恐らく動画で見られたようなシナプスの可塑性によって生じているものと考えて良いと思うのですね。


私は人の脳も、例えばピアニストの手の領域と普通に生活している人の手の領域では、おそらくピアニストの手の領域の方が広く整理されたものでは無いかと推測しています。

多分間違ってないとは思うのですけれど。(^_^;)


もし「そうであれば」ではありますが、それもこう言ったシナプス可塑性が関与しているだろうと云うことになります。


さて、PT/OT/ STのお仕事で、脳損傷のリハビリテーションで上手っくいったり上手くいかなかったりと云う事は皆さん経験があるかと思います。


そうすると、なぜ脳には可塑性があるにもかかわらず、上手く学習していただけない事が有るのだろうという疑問が出てくるかと思います。

すると、脳について、さらにくわしく学んでいく必要性を感じることが在るのでは無いでしょうか?


そういった際に、既存の教科書で部位の働きを確認していくことから始める方が多いと思います。そうすると、それぞれの部位の接続〜回路が気になってきたりもするでしょう。

そうしていくうちに、回路を支えている神経細胞外成分などにも関心が湧くかも知れないですよね。

まぁ、順番はどうでも良いのですけれど。

要は関心を持って、さらにその関心が広がると言うことが大切だと思うのです。


そしてもうひとつ大切な事は、脳科学にしろ、リハビリテーションに関わる科学にしろ、科学全般に言えることですが、科学の示すものは常に暫定的なものであるという認識と、科学によって、何かが無いという事を示すことと言うのは非常に難しいという事実を知っておくことです。

現在の脳損傷リハビリテーションのEBMに関わる様々な御意見などの中には、こう言った基本的な認識や事実をご存じないかたもおられるようで、誤った用い方をされておらたり、誤った認識を持っておられるかたもおられるように思います。


そういった意見に惑わされることが無いように注意しながら、脳の可塑性は存在していると言うことはほぼ間違いが無いと考えられますが、脳科学の指し示すものを知り、それが大事な情報なのではあると同時に、それらも暫定的な情報であると云う事を理解しつつ、目の前の患者さんの状態を脳科学的に把握しようとし、その人にとってどの様なアプローチが脳の可塑性を良い方向に持っていくことが出来るのかを考える事が出来るように情報を集めていくと、きっと今よりもっと脳の科学についての理解が深まっていくのでは無いかと思うのです。










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