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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

脳機能のテンセグリティ構造

本来テンセグリティという言葉は張力統合を表す造語で、物理的な事柄です。

ここでは、脳の機能と呼ばれるものを考えたとき、こういった構造的、或いは視覚的な理解の仕方ってわかりやすいのでは無いかなと思いまして。


この模型はテンセグリティで安定しています。ゴムの張力ですね。

で、感覚機能とか身体機能とか、様々な機能を木の棒で表現しています。

本来こういった機能は、もっと柔らかで可塑性のあるもののはずなのですが、取りあえずです。この木の棒は様々なものを表していると思ってください。例えば「「抗重力機能」とか「筋力」と書いても良いですし、「消化機能」とか、「嚥下機能」を書き入れても良いのです。


見て直感的にわかると思いますが、張力で釣り合っていますので、何処が損傷を受けてもすべてが影響を受けることになります。これでは、それぞれが独立した別々の機能であるとは言えないですよね。

図では身体機能の所に損傷があったとしていますが、そこからも感覚機能のつながりや精神機能のつながり、認知機能などすべての棒へのつながりがありますよね。

生存するために様々な機能が必要ですが、それらを統合しているのが脳の働きなのです。


PT/OT/STといった職域からは直接脳の中や身体構造に手出しをすることは出来ません。最も多く用いるのは触れるという身体機能への働きかけです。

ここから様々な機能へと働きかけることが出来るはずです。すべては張力で統合されているような関係性にあるはずなので。


こういった考えに至ったのは、ボバースコンセプトで学んできたことや、それを裏付けるように神経生理学的な事を学び続けた結果です。

違う道筋でこういった結論にたどり着いておられる人もおられるかも知れませんし、まったく違う結論を考えておられる人もおられるのかも知れません。


簡単ですが、私がこういった結論を導き出した神経路のお話を少しだけ。

自律神経系と脳幹は密接に結びついています。それは視床を介して島皮質と情報をやり取りしているのです。島皮質は身体情報の統合の座である頭頂側頭皮質や、感覚野や運動野などの皮質と結びついています。


これは以前高次運動野についてまとめようと、脳の接続を様々な本から引き出して図示してみたものです。


ほぼすべてがつながっていることが解ります。

脳はこういった神経接続だけでは無く、広範囲投射系という情報伝達の手段も有、また、最近ではグリアや神経細胞外成分の神経伝達に対する働きのことも研究が進んでいるようです。

きっともっとありますが、様々に分類されている機能は、すべて有機的に繋がっていると言うことは間違いないのだと思います。

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