脳室周囲白質軟化症

更新日:10月5日

脳室周囲白質軟化症(PVL)は画像所見においては脳室が拡大しているような状態になっています。この画像所見は脳室周囲の白質(神経線維)が何らかの要因で減少したために起きているものです。


https://www.researchgate.net/figure/Periventricular-leukomalacia-PVL-grades-determined-on-the-basis-of-magnetic-resonance_fig1_282048222  より転載させていただきました。


PVLでは両下肢麻痺が起きやすいとされています。これはなぜでしょうか?


この図の左が通常の皮質脊髄路です。

真ん中のペンフィールドのホムンクルスの絵を見ていただくと青と赤の皮質脊髄路はおおよそ運動野では股関節から体幹あたりになるかと思います。感覚野では膝から上腕〜前腕ぐらいかと思います。

そして、右の写真を見ていただいて、白い丸が脳室が拡大している部分とします。すると、その影響は青と赤の繊維が損傷していることを示すことになります。残された繊維は外側方向に向けて引き延ばされていることも予想されます。

当然中心溝から内側の領域はもっと影響を受けています。膝から下、足部にかけてですね。

逆に脳の横にある部位手とか顔とかは影響が少ないと推測されます。

回路的に考えれば両下肢麻痺と体幹機能障害が起こることになります。

これは運動野/感覚野の位置での話で、脳室の拡大は前後にも伸びていることを考えるとどうなるでしょう?

よく見に行くサイトから図を引用させていただきます。



真ん中やや上方にある黒くて細いところが脳室です。ここが広がると赤い繊維、つまり前頭橋路が影響を受ける場合も推測できます。

前頭橋路と言えばpAPA'sに関わる経路です。

そのことを踏まえると、四肢の動きに対して体幹の安定性を保障する予測的で専攻する姿勢筋緊張が起こしにくくなることが予想できます。この回路は早さが必要とされている回路なので、慎重などで神経伝達が遅くなったとしても影響は大きいことでしょう。


だけど、回路として繋がっていればそれは学習によってある程度安定性を予測的に作ることは出来そうではあります。


ここで問題になってくるのは経験です。

赤ちゃんは仰向けや横向けなどの様々な姿勢で手足をバタバタさせることで皮質橋路の働きが安定性に繋がることを経験し、皮質橋路と皮質脊髄路の出力タイミングを学習していきます。

しかし、最初に書いたように皮質脊髄路は体幹から下肢にかけて損傷や、残された繊維も影響を受けていますので、臥位で手足をバタバタさせる経験自体が少なくなると思われます。

したがって、皮質脊髄路による足の運動だけでは無く、皮質橋路の活動性も不活性である可能性があるのです。

臨床的にはpAPA's/aAPA'sはとても影響を受けている子供さんが多いのでおそらくこういった推論はある程度正しいと考えています。


そして体幹の不安定さから、座位は足を広げた座り方を避け、鳶座りで構造的に安定させてしまうことを選びがちで、股関節は外旋の頻度が多く、また安定性を作ろうと出力を増した結果と思われる股関節の可動制限が起きたり、それらも含め他の多くの要因から足部は尖足医を取りやすくなり足底からの感覚刺激を経験しにくくなることから立位などもより不安定なものになりやすくなります。


では、どのようにアプローチを考えて行けば良いのでしょうか?

お子さんの状況によりますが、決して外してはならないのが体幹です。体幹の不安定性はさらに四肢の動きを制限する要因になりますので、どういった遊びをするにしても様々な姿勢の中で体幹が適切に働くと動きやすいのだという経験を学習していってもらうことはとても重要です。

pAPA'sとかaAPA'sなどの姿勢制御についてもっと知りたいと思われる方がおられましたら、解説したページのリンクを張っておきます。


姿勢制御と運動制御の資料

また、リハビリのスタッフが脳の構造や脳生理をどのように考えているのかをお知りになりたい医療従事者の方がおられましたら、以下のリンクに今まで書いた資料が閲覧できますので、どうぞ。


資料集です。

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