脳卒中後の脳の可塑性とミトコンドリア
- Nagashima Kazuhiro
- 5月30日
- 読了時間: 2分
脳卒中後の脳の可塑性の重要な土台のひとつはミトコンドリアによるエネルギー産生であると言えます。
2025年の総説でも、ミトコンドリアはエネルギー産生・神経保護・運動回復に重要であり、脳ー筋関連を含めたリハビリの標的として扱われています。※1
そして、有酸素運動は脳由来神経栄養因子(BDNF)を介して脳卒中後の神経可塑性を促進し得るという考え方も以前から示されています。※2
BDNFはミトコンドリアと密接に連携しており、BDNFは神経の成長や記憶に関わるだけでなく、細胞内のミトコンドリアの機能を活性化し、エネルギー産生や代謝を制御する重要な役割を担っています。
すると脳の可塑性をより良く発揮するためには運動習慣が重要な条件のひとつであるという事になりますね。
さらに、運動習慣は、再発のリスクを低減するものでもあります。
現在の回復期リハビリテーションでは、リハビリテーションの成果をFIM利得で評価する場面が少なくありません。
ところが、FIMは、大雑把にいえば「できる」「おこなうのに介助が必要」「できない」などの指標で行為を点数化しているので、それが持続可能か否かという視点には欠けているように見えますね。
運動習慣というのは、快適に運動や行為を継続しうる身体性が必要なのです。
すると、運動や行為を継続しうる身体性とは何かという問いが出てきます。
私がここでいう身体性とは、筋力や関節の問題だけではなく、脳と身体が情報をやり取りしながら姿勢を保ち、動きを選び、行為を継続していくための脳と身体の状態を意味しています。
私は、この運動習慣が継続できる身体性に「姿勢制御」が重要な意味を持つことになるだろうと考えています。
姿勢制御の改善が、動き続けられる身体をつくり、運動習慣を定着させ、脳の可塑性を支える代謝環境をつくることに繋がると考えるのは論理的に自然だと思います。
今後の脳卒中リハビリテーションにおいては、出来るか出来ないかといった評価軸にだけで作られるのではなく、運動習慣を持つことが出来るという目標において、姿勢制御の適応を含めた諸動作の獲得が重要になってくるはずだと考えています。




コメント