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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

脳の可塑性はなぜ在るのか

更新日:2023年12月12日



脳のメカニズ ムについては, 1940年 代には 理解 のおもな手がか りとして脊髄反射 と条件反射 しか なか ったとされていました。1950年 代 シナ プスの生理学が登場 して、 1970年 代 に な って 可塑性 シ ナプスが確認されます。1980年 代 には知覚 ・ 認知,運 動制御の二面か ら脳機構の理解 が進 んで、.記 憶 ・学習,情 動 につ いて もかな りの知見の進歩 しました。そ して, 1990年 代にはいよいよ意識の問題が大 き く登場 して きた.脳 の生理学 も認知神経科学の新 し い旗 のもとに,こ れ まで聖域で あった心の問題 にしだ いに深く入りこみつつあります。


可塑性というのは、1970年代、わずか50年前に確認されたことなのですね。

それまでは、脳には可塑性など無いと理解されていたわけです。

可塑性自体は人の認識にかかわらずずっとあったのですけれどね。(^_^;)


脳という情報処理システムになぜ可塑性が存在しているのかということをふと考えてみると、おそらく、進化の過程で変化する環境に適応するためには、情報処理自体も柔軟に変化する様なシステムを持った物が、結局生き延びたのでは無いかと思うのです。

進化の過程で、もしかすると可塑性を持たず環境情報に対する反応は素速いけれど、環境事態が変化して入力情報が変わると情報処理のできない生物も存在していたかも知れません。

そうした生き物は、結局環境が変われば死滅するわけです。

簡単に言えば、脳の接続を柔軟に変化させる事のできるメカニズムを持った生物が変化する環境に対して柔軟に適応して生き延びることができたという事ですね。

ですから、結局現存する生物の中枢神経系はなにかしらの可塑性を持っているのだろうと思うのです。


人類は、変化する環境の中で、呼吸機能に有利で移動距離を長く維持しやすい二足直立を得て、それに付随して大きな脳に発達させてくることが可能になったのだと思います。

現在、再び、抗重力性が弱くなっているのではないかと指摘されています。

発展する文明が車や情報処理機器を発明し、抗重力性はさほど重要では無くなりつつ在るのかも知れません。

しかしですね。定説というのは無いと思うのですが、なぜ脳が大きく発達できたのかという事に関して、二足直立になったことで、頭部(脳)が重くなっても支える必要性が低くなったことや、支えるために筋肉で頭蓋骨が大きくなるのを阻害していたことなども指摘されています。ということは、抗重力性を手放すという事は構造的に脳が小さくなっていくのかも知れません。まぁ、それも進化という事になりますけれど。

さらに現在の脳科学で時折指摘されていることだと思うのですが、抗重力性を維持している歩行が脳の情報処理を賦活するひとつの大きな要素になっていると言われています。

人類は、その歩行を手放すと、脳の情報処理は再び機能を落としてくるのかも知れませんね。もしくは新しく適応のための情報処理システムを構築してくるのかも知れません。


人類というのは進化の過程にあるのだと思います。


逆に、カブトガニの様に数億年にわたって変化しない生物は、進化の完成形と云っても良いのかも知れませんね。(^_^;)


少なくとも、現代に生きている人達に言えることは、まだ、歩行は脳の情報処理のために重要な働きを持っているので、楽に長い距離を移動できる機能としての歩行を獲得し、維持することは大切だと思っています。



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