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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

脳の可塑性とリハビリテーションの不思議な事実

更新日:2023年9月3日

脳の可塑性というのは、ずいぶん前から研究が進んでいます。

現在の脳科学では、「脳に可塑性がある」という事が定説となっている様に思うのです。


シナプスの接続は常にダイナミックに伝達効率を変化させているだけでは無く、構造的にも、常に新しい接続を探して樹状突起の形態を伸ばす様に変化させたり、使わなくなった接続部位から撤退する様に樹状突起を短くしていくなどの物理的な構造変化を起こすことも知られているわけです。

(その背景には脳の神経細胞外成分が大きく関わっているといった研究が現在活発に行われているようです)


脳の可塑性はある。

これを真実とすると、脳卒中のリハビリテーションでは別の不思議な事実が浮かび上がってくる様に思います。

脳卒中は一旦症状が完成されると、基本的に非進行性の病気です。

その際に、様々な身体機能に問題があったとしても、脳には可塑性があって、改善していくはずなんですね。


ところがですね。

改善していく人もいれば、改善せず、むしろ悪くなっていく方もおられるわけです。

むしろ、後者の方が一般的と言っても良いのかも知れません。

地域差があるかも知れませんけれど。


不思議ですよね。

私の印象が正しければ、「脳には可塑性があるにもかかわらず、脳損傷後の経過の中で症状が悪化していく人達が一定数おられる。」という不思議な事実が浮かび上がってくるのです。

まぁ、脳の可塑性というのは良い方向でも悪い方向でも起こるので、当たり前と言えば当たり前なのではありますけれど。

脳自体では環境に適応したかどうかが重要で、動作や行為のパターンが良いか悪いかなどは解らないわけですから。


「セラピースペースながしま」をご利用される人達も、病院を退院してから手が硬くなったとか、歩きにくくなったとか、そんな理由でご利用になる場合も少なくありません、というか新規ご利用の方はそういったケースだけです。

その後動きやすくなっていく場合も多いですが、上手く良くならずにご利用を止められる方もおられたりします。これは私の力量不足によるものだと認識していますけれど。


様々な要因はあるかとは思います。


その様々な要因の中に、保険医療の中で求められる急性期、回復期、慢性期におけるリハビリテーションの流れ自体に問題がある可能性も含まれているとは思うのです。


まず、疑問を持つことが大切だと思うのです。

国の医療政策を担う人達、或いは、リハビリテーション医療を現場で推し進めるリーダーの人達はこういった事実に疑問をお持ちなのでしょうか?

そんな風に言っちゃいけませんね。(^_^;)


疑問をお持ちだとは思います。

<m(__)m>


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