2002年に発行された「考える細胞」という本です。
櫻井先生は、この本でセルアセンブリを紹介されておられました。私がはじめてセルアセンブリという考え方に触れた本です。
セルアセンブリについては、当時は余り一般的では無かったように記憶していますが、現在は様々な神経学の本に載っています。カンデルにも乗っていますし、もう仮説としては知れ渡ってきているものと思います。
その本の中の一説です。
当時から、身体状況についても、基礎研究にしても、一つ一つの評価をかき集めても、その人を表現するには不十分だ考えていました。脳神経生理学を研究されておられる研究者がこういったことを書かれているのを見て、ずいぶん嬉しかったのです。
単純化は単純化にしか過ぎない。
そのような実験に基づく誤った定説。
医学的リハビリテーションの世界でも数多く見られるような気がします。
私のブログをずっと読んでおられる物好きな人がおられましたら、気付かれていると思いますが、私の考え方の根底にずっと流れている信念のようなものが、ここに在ります。
人を数値化してもその数値をどのように解釈して組み合わせても人そのものになることは無いのだと思うのです。
リハビリテーションに関わる私たちは、そういった答えのない世界に住む住人であるという事をきちんと理解した上で、様々な研究や臨床場面のなかで正解に近づこうとするような挑戦的な思考が必用なのだろうと思います。
解ったような気にならないこと。
常に理解しようとすること。
私たちはそういった姿勢が必用とされている職域に生息しているのだと、そう考えています。
繰り返しになりますが、それぞれの要素は、要素にしか過ぎません。
それをかき集めてみても、人を表したことにはならないのだと。
そう思っています。
「考える細胞」
櫻井先生の本ですが、現在は中古で手に入れるしか在りません。
「脳の情報表現をみる」という本は、いまでも出版されているようです。
リハビリテーションに関わるスタッフはちょっと読んでみても面白いかも!!
セルアセンブリの考え方に触れることはもちろんですが、研究者の思考を少し垣間見ることが出来ます。それはきっと役に立つはずだと思うのです。
٩( ᐛ )و
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