系統発生から考える

移動に関わる中枢は、

魚類などでは脳幹と脊髄

爬虫類などでは基底核−脳幹−脊髄

四足動物では辺縁系−基底核−脳幹−脊髄

霊長類では皮質−辺縁系−基底核−脊髄

全てに共通するのは脳幹と脊髄です。

で、重心が高くなるに従って、基底核−辺縁系−皮質と関わる中枢神経系が多くなってくるようです。

ということは、移動に必要な最も基本的な構造は脳幹と脊髄に在ると考えても良さそうです。

それを修飾するのが、基底核−辺縁系−皮質ということでしょうか。

基底核は強い抑制作用があり、ドーパミンで投射先の出力を調整する役割があるので、重心が高くなることで移動が破綻(転倒など)しないように姿勢制御の出力を調整している働きもありそうです。

辺縁系は、情動に関わる移動様式のパターンやリズム変化を、脳幹あるいは基底核などを介してコントロールしているのだと思います。

皮質はさらに、視覚−体性感覚−前庭感覚に基づいて、跨ぐとかのぼるとかの障害物に対応した歩行パターンやタイミングの変化を四肢に直接あるいは基底核、脳幹を介して伝達して移動をさせます。

ですから、皮質があるということはより障害物などの回避を伴う適応性の高い移動能力が在るということになります。損傷が起これば適応性のある移動が困難になるということになり、知覚ができる環境は制限をされることになります。

そういったことも、いわゆる高次脳機能障害と言われる認知や行為の障害を再学習しにくくしている要素の一つなのだと考えられるのです。

運動と認知はべつなものとして論議されることが多いのですが、メビウスの輪のようなものだと思っています。表とか裏とか別のものではなくて、どちらも脳の中で紡がれる情報。その現れ方の違いを名前を変えて呼んでいるだけなのではないでしょうか。

だから、リハビリにおいてはそれぞれの領域がどのように結びついて、どのような知覚や認知−運動の輪を織りなしているのかを考えながら行っていく必要はあると思います。

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