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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

筋への機械的な刺激

更新日:2023年7月29日

以前、理学療法の分野でマッサージはエビデンス(科学的根拠)が無いと言われていた時期があったように思います。

えっ?今もかな?知らないけれど。


ちょっと前に、リハビリテーションに関わるエビデンスのZoom研修会に参加したのです。

色々なきっかけで、ちょっとお邪魔させていただいた感じですね。

まぁ、色々お話をされておられましたが、講師の理学療法士の方が、

「私はマッサージなどしません。科学的根拠が無いですから。もちろん、患者さんが望めばやる場合もあるかも知れませんが、基本的にはしません。」

と胸と声を張っておっしゃってました。


科学的根拠とはなんだろうと思いながら聞いていたのではあります。


最近、面白い報告を見ました。



どうやら、損傷した筋肉に対する機械的な刺激、多分マッサージなどを含むと思うのですが、その刺激が筋の回復を促すという研究結果と、そのメカニズムについて解説を試みておられるようです。


これが科学的根拠として成立しているとするとですね。

研修会の講師が科学的根拠が無いとしていたことと矛盾するのですね。


この矛盾はどこかに原因があるはずなのです。しかも真逆のことに見えるので、どちらかが科学的根拠にかけていたということになりますでしょうか。


多分ですね。

リハビリテーションの世界で研究が行われている物を見ると、大元の科学的な根拠は不明であるにもかかわらず、一定の母集団に同じ事をしてみて統計的にどうだこうだといった数字をもてあそぶ様な研究が多いような気がするのです。

あ、私の見る範囲では、と言う事であって、そうでは無いかも知れないですけれど。


ただ、私の見る限りそういった研究が多いような気がするのです。


今、マッサージのお話ですので、マッサージでお話を進めますね。

マッサージと行っても、どの様な症状に対して行うのかとか、どの場所に行うのかとか、どの様に行うのかとか、どのくらいまで行うのか、そういった事はひとりひとりのセラピストの独自のノウハウがあると思うのです。

ちょっと歯にものが挟まった様な言い方をしましたが、率直に言って、技術は人それぞれで、上手い人と下手な人はいるだろうという事です。

ま、例えばですけれど、下手な人が大多数の母集団で研究をすれば、科学的に効果が無いと証明することは可能なんですね。統計も科学ですから。


すみません。誰かを傷つけたいと思っているわけではありません。

ただ、統計で処理するのであれば、結果などどの様にでも出せるのです。例えば牛乳を飲むと癌になるとか、背が伸びるとか。自由自在に結果を出すことができます。


今は、あのZoomでエビデンスの研修会をされていた講師の先生も、マッサージを有用として考えて一生懸命されておられるのかも知れません。


EBMは大切なのかも知れません。

だけど、ちょっとだけ振り返ってみて、「科学とは何か?」といったことに思いをはせることも大切なんだと思うのですよ。







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