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立ち上がる寸前の麻痺側下肢の動き

この動画の方、長い経過をお持ちの方です。

左片麻痺で、以前は装具を外すと立つだけで汗を出しながら怖がっておられたかた。

装具を使用すれば立てると云うことと、装具が無くても立てると云うことはかなり違いがあります。

また、装具を外しても歩くことが出来るようになられたときは、家で夜中に起きてトイレに行くときにいちいち装具を装着しなくても行けるようになったことや、装具をつけて廊下を歩くとカツンカツンと音がするのが、装具を外すことが出来てから音がしなくなって、家族に迷惑をかけずに済んだことを喜んでおられました。

また、温泉施設に行った際に装具なしで歩けたのもだいぶん嬉しかった様子でした。


そうだろうなぁと思います。


このアプローチの前までは、仰臥位から起き上がり、端座位になって立ち上がるといった一連の動作の際に、麻痺側(左)下肢を、ものすごく自然に非麻痺側下肢(右)で引っかけて後ろに引いておられました。

もう一連の行動プログラムに強固に学習されたものを感じるぐらい自然に。

(^_^;)


左下肢の伸展は起こせるのですが、屈曲が難しい感じの方で、歩行中は膝の過伸展を伴いやすいです。

全体的にではありますが、身体図式、特に麻痺側下肢のあたりの身体図式は弱い感じです。

で、足部、特に踵周囲にかなり念入りに感覚を入力しました。


その後、ブリッジをしてもらうと、まだ左の骨盤が落ちやすくて。

で、ちょっと踏ん張る感じを増やしてみてもらうと、左足が滑って、ポーンと伸びちゃうのです。

で、プラットホームの橋までずれていただきまして・・・




こんな感じで、踵の感覚だけで脳に制御させるようにすると、ずれて足が外れたときの感覚が強く入るみたいで、どんどんハムストリングスの姿勢筋緊張が膝の制御に関わるようになってきて足がずれにくくなってきます。

この方の脳のポテンシャルは、私が思ったより、そして、ご本人が意識しているよりまだ高いところにありそうです。


繰り返していると、左のハムストリングスが攣る感じがすると言われるので、休憩を挟みながらそれでもしっつこく。

ハムストリングスは、短縮して、高緊張に見えるのですが、実際は日常的な場面で有効に使われていなかったのでしょうね。ちょっと緊張に変化が起きると痛みが出てしまうのでしょう。


それでも左足をずらさずにブリッジが出来るようになられたので、起き上がっていただいたらその流れで立とうとされて、ふと左足を引っ込められたのです。姿勢セットですね。


それ見て私が驚いて、動きを止めてもらって動画を撮らせていただいた次第です。

ホントは止めずに一連の動作を成立させるようにハンドリングした方が良かったような気もしますが・・・


左足を自分で引っ込めてますねと云うと、本人も何だか特異そうな雰囲気で何度かされてました。

動画をよく見ていただくと、足を引っ込める際に、足関節の背屈筋が働いているのが少しわかると思います。


良い感じです。

(*^_^*)





蛇足ですが、こういった動きなどは、やはり、FIMやBIの点数には反映されないですよね。

FIMやBIは科学的な分析のために使用されるのではありますが、オッカムの剃刀で切り取ってしまった情報が多いのだろうと思うのです。その切り取られた情報が本当に必要ないかどうかは、充分な議論が必用なのだろうと思ったりします。



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