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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

立ち上がり動作


今日は、以前にも書きましたが、立ち上がり動作の事について。

先日、1回/月でご利用の方にアプローチをしていまして。立ち上がりから歩行が結構良い感じになったので動画を撮りました。最初を撮っとけばビフォー・アフターで変化が捉えやすかったのかも知れないですが・・・


立ち上がりから、麻痺側支持で非麻痺側の一歩目のステップが結構スムーズにつながってきました。

これって結構難しいのです。

左足〜麻痺側の支持の感覚が生じていることや、右足〜非麻痺側を降り出す際に、きちんと麻痺側の足部、足関節がスピードを調整出来る下腿三頭筋の働く感覚が無意識下で処理されていないと、怖いんですよね。

で、端座位では大腿四頭筋と下腿三頭筋あたりを刺激しながらつま先立ちの様な動きの感覚、立位ではボバーステーブル(昇降式)で不安定性に対応しながら、非麻痺側下肢を台に乗せて階段を上る時みたいな姿勢で、麻痺側下肢の股関節伸展、膝伸展、足部はいくつの組み合わせで動きを入れたり。

この方は、歩行時膝のロックを起こしやすく、そのことを気にされたりしていましたが、きちんと股関節伸展を作れる〜骨盤の前傾を抑えると、膝伸展時にロックに入りにくいので、むしろその姿勢できっちり長い足を感じていただける様に確り伸びるよう操作をさせていただきました。٩( ᐛ )و


で、立ち上がり。

動画にもある様に、普段はいったん非麻痺側に重心を持って行って立ち上がるんですね。右手をついたりなんかして。

そしたら、立位になった後改めて麻痺側に体重を乗せて動かなくてはならなくなるのです。

立ち上がりも、麻痺側は上部体幹が後方に残ってしまい安い感じだったのです。


ですので、立ち上がると言うより、お尻から荷重が抜けたら骨盤帯と肩甲帯を平行にした状態のまま、立ち上がることを意識してしまうより、前に出ようとしていただくように操作を繰り返しました。

で、上手くいってから、「ね、上に行こうとせずに、前に出ようとしたらちゃんと麻痺してる方の足も確り働いてくれるみたいですね!」

などと感覚ー運動学習を言語で強化してみようとしてみたりしながら。(^_^;)


結構良い感じです。お家での練習方法もお伝えしました。

ただ、まだ日常の中にその動作パターンを組み込めるまでのアイディアを出せなかったのでそういった動きを生活の中に組み込むことがひとつの課題ではありそうに思います。


さて、考えると、感覚ー運動学習というのは実際にその動作をしないと学習が出来ないわけです。

立ち上がるときの意識に上ることの無い足底の感覚情報の移動。それに伴う足関節の位置の変化の感覚。下腿三頭筋などの足関節底屈筋などからの求心性情報。四頭筋やハムストリングスなどの求心情報。股関節の空間的な移動と足部の情報の統合。

これらはほんの一部で、本当は書き切れないほどの感覚情報や運動情報を脳がまとめ上げているはずなんですよね。

下肢装具は、関節を固定する,或いは過度に安定させるので、固定した,或いは安定させた関節はそこの情報自体の入力が起きにくくなるわけです。

下肢装具の即時効果はとっても高いと思うのですよ。

だけど、同時に、自然に立つと言った時に起きる身体の感覚情報を阻害しているのは間違いありません。

そういった意味では、感覚ー運動学習の経験を出来なくしていることも間違いないと言って良いのだと思うのです。


経験しなければ学習は出来ないのは言うまでも無く正しいことだと思います。

しかも、脳に損傷があれば、損傷が無いより学習しにくい状態ですから、地道に繰り返し経験をしていただける様にしなければいけないですよね。


装具を否定するのではありませんよ。即時効果はあるわけです。

ただ、早期から装具に頼りすぎるのは、ちょっと「どうかな?」と思ったりはするわけです。



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