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私の中のボバースコンセプト

更新日:2023年7月11日

いつもお断りしているのではありますが、私はボバースコンセプトのインストラクターでもないですし、科学者でもないので、これから書くことは個人的な意見です。


と、前置きをしておいて。(^^;


今日、某有名企業さんのインタビューを受けたのです。その際に、ボバースコンセプトとは何かというご質問を受けました。PNFやその他の考え方とどこか違うのかを知りたいと言うことでした。その際にぱっと私の頭に浮かんだのは姿勢と運動の関わりで、運動制御だけにフォーカスを当てた物ではないということ、姿勢と運動は同一の物で、どちらがかけても人(動物)の動きを表すことにはならないといったことをお話ししていたのですけれど。

よくよく考えてみると、まだ特徴的なところはあるように思います。


一つは、特徴的なのは人のあらゆる情報の一つ一つを分けて考えない、といったイメージも持っています。FIMとか、各種認知機能、心理機能とか、失行と言われるものであるとか、関節可動域とか筋力とか・・・書くといろいろありますが、そういった物に分類して検査しても、個性という物にはたどり着けないのだということ。人を人としてみることの大切さみたいな物を学んだと思っています。

これが以前書いたブログの、「全体は部分の和よりも大きい」といった記事に現れているわけです。


もう一つは、常に神経生理学的な根拠を考えるという点にあります。当たり前のようではあるのですが、ボバースコンセプトで特徴的だと思っているのは、常に臨床的な視点から神経生理学を適応させるというプロセスにあると感じています。神経生理学でわかったことなどを反映させるのは当然なのでしょうけれど、臨床的に見えたり感じたり考えたりすることから、神経生理を考えていくことも大切にしているように感じています。それは、「over the text」という言葉で教えられたように記憶しています。

この部分に関しては、私のブログの記事を読まれると、現存する神経生理学に私の経験から考えられることが常にバイアスとして入っているので、研究者から見ると眉をひそめたくなるような表現も多いと自覚しています。ただ、科学的な物の見方としてはそれは一つの正しいあり方だと思っているので、考えるままに書いていたりするのです。

「科学とは疑うこと。」という台詞は誰しもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。この台詞はノーベル賞を受賞された物理学者、リチャード・ファインマンが述べられたことだそうです。


そんなことを考えていて、ふと紀伊先生がフェイスブックで紹介されていたニュースを思い出しました。

紹介されていたニュースはこちら。



改めて、URLを翻訳にぶち込んでみました。

(英語はトッテモ弱いのです。(^^;)

以下、Googleによる翻訳です。

あ、不随意なと訳されているところは、文章の流れから、非随意的なとか、自動的なといった方が理解しやすいのかもしれません。


ーーーーーここから

心身のつながりは脳に組み込まれている

特徴神経科学心理学 ·2023 年 4 月 19 日

概要:動きを制御する脳領域は、思考と計画を調整し、不随意の身体機能を制御するネットワークに接続されています。この調査結果は、脳の構造における体と「心」の間のリンクを提供します。

出典: WUSTL

落ち着いた体、落ち着いた心、とマインドフルネスの実践者は言います。セントルイスのワシントン大学医学部の研究者による新しい研究は、体と心が密接に絡み合っているという考えが単なる抽象化以上のものであることを示しています.

この研究は、動きを制御する脳領域の一部が、思考と計画、および血圧や心拍などの不随意の身体機能の制御に関与するネットワークに接続されていることを示しています。調査結果は、まさに脳の構造における体と心の文字通りのつながりを表しています。

4 月 19 日にNature誌に掲載されたこの研究は 、一部の人々が不安を感じて前後に歩きたくなる理由など、いくつかの不可解な現象を説明するのに役立つ可能性があります。消化や心拍数などの内臓機能を調節する迷走神経を刺激すると、うつ病が緩和される理由。また、定期的に運動する人は、なぜ人生に対してより前向きな見方をしていると報告しているのか。

「瞑想をする人は、呼吸法などで体を落ち着かせると、心も落ち着くと言います」と、筆頭著者で医学部マリンクロット放射線研究所の放射線科助教授である Evan M. Gordon 博士は述べています。

「この種の慣行は、例えば、不安を抱えている人にとっては非常に役立ちますが、これまでのところ、それがどのように機能するかについての科学的証拠はあまりありません. しかし今、私たちはつながりを見つけました。私たちは、非常に活発で目標志向の「行く、行く、行く」という心の部分が、呼吸と心拍数を制御する脳の部分につながる場所を発見しました。どちらかを落ち着かせれば、絶対にもう一方にフィー ドバック効果があるはずです。」

ゴードンと神経学の准教授である主任著者のニコ・ドーセンバッハ医学博士は、体と心の関係についての古くからの哲学的疑問に答えようとはしませんでした. 彼らは、最新の脳画像技術を使用して、運動を制御する脳の領域の長年の確立されたマップを検証することに着手しました。

1930 年代、神経外科医のワイルダー ペンフィールド医学博士は、脳手術を受けている人々の露出した脳に小さな電気ショックを与え、その反応に注目することで、脳の運動野をマッピングしました。彼は、脳の各半分にある細い帯状の組織を刺激すると、特定の体の部分がけいれんすることを発見しました。

さらに、脳内の制御領域は、各ストリップの一方の端につま先があり、もう一方の端に顔があるように、それらが指示する身体部分と同じ順序で配置されています。ホムンクルス、または「小さな男」として描かれたペンフィールドの脳の運動領域の地図は、神経科学の教科書の定番となっています。

Gordon、Dosenbach、および同僚は、機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) を使用して Penfield の研究を複製することに着手しました。彼らは、7人の健康な成人を募集して、休息中または作業中に何時間ものfMRI脳スキャンを受けさせました. この高密度のデータセットから、参加者ごとに個別の脳マップを作成しました。


次に、公開されている 3 つの大規模な fMRI データセット (Human Connectome Project、Adolescent Brain Cognitive Development Study、UK Biobank) を使用して結果を検証しました。これらのデータセットには、約 50,000 人の脳スキャンが含まれています。

驚いたことに、彼らはペンフィールドの地図が正しくないことに気付きました。足の制御は、ペンフィールドが特定した場所にありました。手も顔も同じ。しかし、これらの 3 つの重要な領域に散在していた別の 3 つの領域は、脳の運動領域にあるにもかかわらず、運動に直接関与していないように見えました。

さらに、非運動領域は運動領域とは異なって見えました。それらはより薄く見え、相互に、そして思考、計画、精神的覚醒、痛み、血圧や心拍数などの内臓や機能の制御に関与する脳の他の部分と強く結びついていました.

さらに画像実験を行ったところ、動いている間は動かない領域が活発にならず、動くことを考えたときに活発になることがわかりました。

「脳が実際に何のためにあるのかを考えれば、これらのつながりはすべて理にかなっています」と Dosenbach 氏は述べています。


セントルイスのワシントン大学医学部の研究者による新しい研究は、身体と心の間のつながりが脳の構造に組み込まれていることを明らかにしています. この研究は、運動を制御する脳領域の一部が、思考と計画、および血圧や心拍数などの不随意の身体機能の制御に関与するネットワークに接続されていることを示しています。クレジット: Sara Moser/ワシントン大学


「脳は、自分を傷つけたり殺したりせずに目標を達成できるように、環境の中でうまく行動するためのものです。体を動かすのには理由があります。もちろん、運動野は、血圧や痛みなどの基本的な身体プロセスの実行機能と制御に関連している必要があります. 痛みは最も強力なフィードバックですよね?あなたは何かをして、それが痛くて、『もうそんなことはしない』と思うのです。」

Dosenbach と Gordon は、新しく特定されたネットワークを Somato (body)-Cognitive (mind) Action Network、または SCAN と名付けました。ネットワークがどのように発達し進化したかを理解するために、彼らは新生児、1 歳、9 歳の脳をスキャンしました。彼らはまた、9匹のサルで以前に収集されたデータを分析しました。

このネットワークは新生児では検出できませんでしたが、1 歳では明らかに明らかであり、9 歳ではほとんど成人に似ていました。サルは、人間に見られる広範な接続のない、より小さく、より初歩的なシステムを持っていました。


「これは、たとえば立ち上がったときに気絶しないように、運動と生理学を統合するためのより単純なシステムとして始まった可能性があります」とゴードンは言いました。「しかし、私たちがより複雑な思考と計画を行う生物に進化するにつれて、システムは非常に複雑な認知要素を組み込むようにアップグレードされました。」

心身ネットワークの存在の手がかりは、孤立した論文や不可解な観察に散らばっており、長い間存在していました。

「ペンフィールドは優秀で、彼のアイデアは 90 年間支配的であり、この分野に死角を生み出しました」と、生物医学工学、小児科、作業療法、放射線学、および心理学と脳科学の。

「調査を開始すると、彼の考えとまったく一致しない多くの公開データや、無視されていた別の解釈が見つかりました。自分たちの観察に加えて、さまざまなデータを集めてズームアウトして合成し、体と心がどのように結びついているかについての新しい考え方を思いつきました。」

この神経科学研究ニュースについて

著者: Judy Martin Finch 出典: WUSTL 連絡先: Judy Martin Finch – WUSTL 画像: The image is credit to Sara Moser/Washington University


独自の研究:オープン アクセス。エヴァン M. ゴードンらによる 体性認知行動ネットワークは運動皮質のエフェクター領域と交互になる 自然


概要

体性認知行動ネットワークは、運動皮質のエフェクター領域と交互になります

運動皮質 (M1) は、同心円状の機能ゾーンと複雑なアクションのマップの証拠にもかかわらず、足から顔の表現まで中心前回を下って伸びる連続的な体性ホムンクルスを形成すると考えられてきました。

ここでは、精密機能的磁気共鳴画像法(fMRI)法を使用して、古典的なホムンクルスが、エフェクター固有の(足、手、口)領域と交互になる、明確な接続性、構造、機能を持つ領域によって中断されていることを発見しました。

これらのエフェクター間領域は、皮質の厚さが減少し、相互に強力な機能的結合性を示します。また、行動と生理学的制御、覚醒、エラー、および痛みに重要な帯状ー弁蓋ネットワーク (CON) との強力な機能的結合も示します。

アクション制御にリンクされた運動エフェクター領域のこの相互嵌合は、3 つの最大の fMRI データセットで検証されました。マカクおよび小児(新生児、乳児および子供)の精密fMRIは、種間同族体およびエフェクター間システムの発生前駆体を示唆した。


一連のモーターおよびアクション fMRI タスクは、CON にリンクされたエフェクター間領域によって区切られた、同心円状のエフェクター ソマトピーを記録しました。インターエフェクターは動きの特異性を欠いており、行動計画中 (手と足の調整) および軸方向の体の動き (腹部や眉毛など) 中に共活性化されました。

これらの結果は、刺激によって誘発される複雑な行動と副腎髄質などの内臓への接続性を示す以前の研究とともに、M1 が全身行動計画のシステムである体性認知行動ネットワーク (SCAN) によって中断されていることを示唆しています。

M1 では、2 つの並列システムが絡み合い、統合分離パターンを形成します。細かい運動制御を分離するためのエフェクター固有の領域 (足、手、口) と、目標、生理学、および体の動きを統合するための SCAN です。


ーーーーーここまで


いかがでしょうか。

人の心とか動きとか、そういったことに対する今までの「科学的見方」の基本となっていた、ペンフィールド医学博士の脳地図。この業績の素晴らしさを評価しながらも、90年間にわたって脳科学を支配していたこのアイディアは、人の様々な要素を一つにまとめ上げて人として存在させるための脳の働きや回路などの研究において死角を作ってしまったといったことも書いてあるように思います。

様々な事柄を結びつけるシステムとして、体性認知行動ネットワーク(SCAN)というシステムが考えられ始めている様子です。

個人的には、ボバースコンセプトの思想に科学が追いついてきたなぁという印象を持っています。


私の個人的な印象です。

そこは間違えないでくださいね!


(^_^)v

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