
(図 毛内研究室HPより)
神経回路網を支えるのは、神経細胞周囲の組織による脳内環境です。
脳というのは、安定した臓器のイメージがありますが、かなり可塑性を持つ動的な臓器だと考えています。
以下の動画は、科学映像館 MEDICALというサイトのものです。
シナプスの結合がダイナミックに変化しているのがよくわかる動画です。
シナプスがひっついたり離れたり。接続部も太くなったり細くなったり。
シナプスが持つダイナミックな変化があるから、変化する環境に対して適切な学習が可能になっているのだと考えられます。
この神経細胞の動きは当然エネルギーを消費しますし、神経伝達物質の産生、放出、回収などもエネルギーが必要です。神経伝達物質の運搬には間質液の存在も重要だと思います。
神経回路網の神経伝達、軸索の移動や接続によるシナプスの形成。シナプス接続の強化や必要の無い接続を弱化させていくことなどによって学習が起きているのだと思うのですが、それらを支えているのが非シナプス的相互作用と言えるのでしょう。
この非シナプス的相互作用といわれるもの、生理学的変化でリハビリと直接関係なさそうに見えるかもしれません。
しかし、アストロサイトはノルアドレナリンの影響で働きを変化させることがわかっていますし、そういった意味では自律神経系の影響下にある可能性が有ります。
また、脳幹の伝達物質の投射の影響は存在しているのではないかと考えても良いのでは無いかと推測します。
仮説に仮説を組み合わせるようで信憑性に欠けて聞こえるかもしれませんが、それらがすこしでも関与していると言うことであれば姿勢と運動もこの非シナプス的相互作用に影響を与え、非シナプス的相互作用も姿勢と運動に影響していると考えても良いのかもしれません。
多分、まったく無関係というものでは無いと思います。
これらへどのように配慮していくべきかは、これから研究が進んでいくのかもしれません。
現状では、推論をたてアプローチによる変化を確認していくしか仕方が無いですが、リハビリにおいても無視してはいけない部分では無いかと思います。
毛内研究室、興味深いので時折見に行かせていただいています。
「脳の神経回路網以外の要素」という記事と併せて読んでいただくと分かりやすいかもしれません。
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