岡田斗司夫さんが、中学校で行った講演の動画をYouTubeで見つけてみていたのですね。
これが実に興味深いのです。
「最悪の平和」〜年間2万人の自殺者が出るような社会だけど、戦争を起こさずに過ごすことが出来る平和
「まだマシな戦争」〜開始時には1万人程度の死者が予測されるが、その後は年間1000人程度の自殺者ですみ、その後、国が豊かになる可能性が在る戦争
と云う定義ですね。
ひとつの思考実験なのです。
思考実験ですので、正解というものは在りません。そして、導き出した答えより、なぜその答えにたどり着いたかという思路が重要だというお話しの講演なのですね。
これだけでも興味深い。(*^_^*)
この、「最悪の平和」と「まだマシな戦争」を選択するための情報として、3つのお話しをされておられます。
ウォルト・ディズニー、スタジオジブリから「風立ちぬ」、「もののけ姫」の3つのお話しです。
「ウォルト・ディズニー」は、愛国心にあふれる人だったようですね。第一次世界大戦の時に戦争に行きたくてしょうがなかったそうです。ところが、戦争に出ることが出来るのは18歳から。14歳の彼は行くことが出来ませんでした。そして、第2次世界大戦の時、40を超えていた彼は、米国のため、米国から見れば悪である日本やドイツとの戦いのため、アニメを製作したそうです。誰しも愛国心は在り、自国を攻め込んでくる相手は悪であるという単純化した認識の元、悪を叩き潰すために戦争に加担するという事は在るのですね。しかし、戦争というのはたぶんそんなに単純なものではないのです。
「風立ちぬ」の主人公、堀越二郎は飛行機が好きでしたが、視力が悪くてパイロットになることが出来ませんでした。それでも飛行機に関わりたくて、美しい飛行機を作る事を決意し、設計の道に進むのですね。飛行機が彼の夢だったのでしょう。そんな中、第二次世界大戦前に、飢えに苦しむ子供を見、それを助けることも出来ず、最愛の妻の死に目に立ち会うこともせず、そういった様々な経過の中で思い悩みながら、当時としては非常に高性能な零戦を作り上げることになります。この零戦の性能の高さから、日本は戦争に勝てる可能性を見いだして真珠湾攻撃、宣戦布告と云った道を進むことになります。堀越二郎は、どうすべきだったのだろうという問いかけでこのお話は終わります。
「もののけ姫」では、人がまだ、山や山にすむイノシシ、犬のもののけ達を神としていた時代のお話しで、当時10人子供を産んでも2人ぐらいしか大人にならなかったと云った背景の中、稲作が導入され、製鉄が始まり、子供の生存率が上がってきたことから、稲作や製鉄のために山を切り開く必用が出てきた時代。エボシは子供や女性、傷ついた人々の生命を守り、生きるために山を切り開く決意をし行動を起こす。主人公のサンはそういった人々に「山をされ」と云い、戦いが始まるわけです。どちらにも正義が在り、双方ともに相手を見れば悪に見える状況ですね。この物語も説明の後に、サンはどうすべきであったのかという問いかけがあります。
この3つのお話を聞いた後に、中学生達は「最悪の平和」か、「まだマシな戦争」をどの様に捉えて、どういう結論にたどり着くのかという講演というわけですね。
この講演を中学生の時に聞いていたら、きっとそのことを忘れることはないでしょうね。
同時に、報道を鵜呑みにするのは楽かも知れませんが、情報を知れば知るほど善悪の判断は難しくなると云う事実を若い頃から考えることが出来たかも知れません。
興味深いでしょ。
(*^_^*)
YouTubeのリンクは下の画像に貼っておきますね。是非御覧になってみてください。
ところで私の答えですが・・・
倫理的な観点から考えると答えを出すことが出来ませんでした。
そこで、日本人という民族の種を保存させるという観点から考えてみると、「マシな戦争」を選びます。そして、将来残った日本人に、その判断の是非を委ねます。日本人という種も、経過する時間と自然の中で、将来果たすことになる役割があるかも知れないと思いますので、種を残すための最良の一手を打つべきだと。(*^_^*)
あ、「最悪の平和」と「まだマシな戦争」のどちらかを選ぶという思考実験ですから、私が全ての戦争を肯定しているのだと思わないでくださいね。
戦争は外交の失敗であるという定義は知っております。
(^_^;)
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