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新しい急性期リハビリテーションの指針

執筆者の写真: Nagashima KazuhiroNagashima Kazuhiro

ネットでこういった記事を見ました。画像にその記事のリンクをつけてあります。

きな臭い匂いがするような気がするのです。

多分、将来的に「マルメ」と言われる手法で、リハビリテーションに関わる医療費支出を抑えやすくする形にしたいのだろうと私は推測しています。現状、リハビリテーションで個別に実施した時間による点数を算定しているのを定額制にしたいのだろうなと云うことです。


脳損傷における超早期リハビリテーションの効果については、不十分ながら研究されています。その結果は必ずしもよいものだけではないのですけれど。

例えば、聖マリアンナ医科大学の先生が過去にこういったスライドを公開されておられるようです。



また、ラットの研究では、早期の運動介入で脳梗塞層が拡大するといったものもあったりします。これも以下の画像にリンクを張っておきます。




私の急性期時代の経験でも、早期に始めればよくなると言った短絡的な考え方は危険で、それぞれの病型や重症度を考慮することが必用だと考えていました。私たちが介入した時の反応〜反応性が低下したり意識の状況が悪くなったりすることも多く、急性期からの介入の為かどうかは当時不明でしたが、損傷範囲が広がるなどのことは結構日常茶飯事でした。


なぜ、これだけ危険性を持っていることが研究で報告されたりしているのにもかかわらず政府は急性期リハビリテーションの流れをこういった方向性に持って行こうとしているのかという疑問と、最初に紹介した記事では、日本理学療法士協会の会長も「入院から2週間は簡単なものでも構わないので、早い段階からリハビリを実施すれば、早期退院につながる。急性期病床でも多くの病院が積極的に取り組むことが重要だ」とコメントを出されておられるようですけれど、この理由もよくわかりません。

まぁ、マスコミですから、適当なインタビューにこう答えてしまっただけかも知れませんけれど。


あ、急性期からリハビリテーションの介入をした方が良いという患者さんがおられるのは否定していません。

誰でも彼でも早くリハビリテーションをすりゃ良いってもんでも無いだろうと云うことです。

本来は、病型や血管損傷範囲、重症度、合併症、年齢や性別その他の様々な要素を勘案して、それぞれに適切なリハビリテーションの介入時期、手法、量などを検討し、処方するのが医療のあるべき姿だと思っていたのですが、私の勘違いだったのかも知れません。

あ、すみません。少し嫌みな表現でしたね。(^_^;)


まぁ、こういった政府の方針というのは様々な要因が関連して決定されるものなのです。必ずしも、患者さんの回復を後押しするものだけではないと考えていた方がよい側面もある様に思っておいた方が良いと感じています。


こういった決定がどの様な思惑で行われてしまうのかと云ったことを少し考えてみましょう。


医療費というのは、ある程度決められている予算をどの様に配分するかという課題をいつも抱えています。

医療には様々な業種があり、それぞれの思惑があります。例えば、医師と云ってもひとくくりにはなっておらず、整形外科、神経内科、脳外科、形成外科などなど沢山の診療科が存在していて、それぞれに様々な要求を持っているはずです

しかし、予算は決まっているとすれば、どこかの業種が多くお金を得ることに成功すると、他の業種はそのあおりで得ることの出来る金額が減少することになります。

これをゼロサムゲームと呼んだりするようです。ゼロサムゲームというのは、総和が同じになるので、勝者がでれば敗者が存在するゲームです。

例えば、PT協会としては、職域を拡大し、協会員の職場をつくったり、協会員の給与を出来るだけ高くしたいと考えている訳です。その為に、職域や点数の配分をあげて欲しいというような要求は出すでしょうね。すると、どこかの職域が点数を削られることになります。

他の職域の団体も同じ事を考えているはずですから、なかなか難しいですよね。

通常この様な状態ではもめます。

幸い、医療業界ではこういった内輪もめは存在していないような気がします。

だいたい相手のことを批判して自分を優位にするような働きかけをしている団体はないのでは無いかと。とすると、こういったゼロサムゲームは存在しているのではありますが、対戦相手はここにはいないと云うことになりますね。


ゼロサムゲームという表現をしたので、ちょっと、このゲーム板を広げてみます。厚生労働省に参加してもらいましょう。


医療団体に、やっと対戦相手が出来ましたね。

各団体は様々な要望を出しているのですが、それらをとりまとめて医療保険点数として配分量を決定しているのが、たぶん、この厚生労働省だと思うのですね。

結果的には予算は変わりませんので、ゼロサムゲームと云ったゲームの性質はそのまま残っています。

ただ、交渉を行うことが出来る構図にはなっているので、PT協会としては、様々なルートを用いて、こういった職域はどうだろうとか、点数配分をこうしてもらえないだろうかと云ったような交渉を行っているものと思います。

厚生労働省の、このゲームの勝利条件は、決められた予算内にすべて納めること、或いは医療費そのものを抑制することだろうと思われます。

そんな中で、医療に関わる様々な分野が、それぞれに要望を言っていては、厚生労働省の勝ちは揺るがないでしょうね。

部分的に勝ったように見えても、トータルで云えば予算内、もしくは医療費抑制が起きて厚労省の勝ち。

おそらく、今回の急性期リハビリテーションに関わる方向性は、このレベルのゲームで生じているものだと思うのですね。医療費抑が厚生労働省の勝利条件だと考えられますし、記事の中にも医療費抑制というキーワードが出ていますからね。日本理学療法士協会のコメントも、政治的な取引(駆け引き)の中で生じたもので在る可能性があると思います。


それにしても、このゲームに勝つために医療側がバラバラで要求を伝えていても勝てそうにないですよね。何だか、医療側にまとめ役が必用な気がします。

まぁ、それは難しそうですので、ゲームに勝つためにどの様にすればいいのかという事を、この枠で考えるのは止めて、新しくゲーム板を広げてみましょう。(^^)/


財務省に参加していただくようなゲームを考えてみます。

最近、よく叩かれていますね。財務省。

まぁ、何が事実か解らないので、中立の立場で。

このゲームであれば、ちょっと勝ち目が見えてきそうな気がします。

厚生労働省と医療が手を組んで、要望を財務省に伝えるような構造のゲームですね。

くわしくないので、間違ったことを書くかも知れませんけれど。

財務省の機能を考えると、たとえば、在日外国人の学校の支援や、総理が約束したウクライナ支援、日本に来て日本の皆保険制度に加入した方のやや不当に見える治療費などなど、様々な財源を確保して分配する必要があるのだとおもいます。財源の根っこは日本国民から徴収した税金だと思うのですけれど。その分配ですね。

医療に関わる団体と厚生労働省がタッグを組んで財務省に、もうちょっとお金を回してと云った構図であれば、何だかさっきより勝ち目がありそうな気がしてきます。

ただ、このゲームもやはりゼロサムゲームです。

そうである以上、財務省もなかなかお金を出してくれそうにない気がします。

不況だ不況だと叫んでいますし、円安で大変だ大変だと言われているので、簡単にはお金を出さないでしょう。仮に出しても、他が割を食うことになります。あれ?ウクライナ支援とか、もうちょっと安くしてこっち回してくんないかなぁ。なんて希望が持てるかも知れませんけれど。

まぁ、難しいでしょうね。


そしたら、もうひとつゲーム板を広げてみます。




日本国民、政治家にこのゲームに参加してもらうことが出来れば、なんだか良さそうな気がしますね。

もうちょっと適正な配分をしてもらって、その中で医療もさらに成長していけるような気がしてきます。適正な医療というものの形をすべての人達が共有し、税金を払っている人達に適正な医療を供給していくことが出来れば。国民も安心ですよね。

これなら、ノンゼロサムゲームです。

負ける人がいなくなるゲームですね。


こういった中であれば、もっと科学的な知見を考慮し、検証しつつ取り入れて、きちんとした政策として医療を捉えることができますし、医療も無理が起きないと思うのです。

ただ、その為には、様々な情報を国民ひとりひとりが受け取り、それぞれの人達に考えてもらう必用が出てきます。そして、それらを政治家に伝えていく。


時間がかかりそうですよね。

だけど、やった方が良いのだろうなと思うのですよ。


さて、PTやOTの皆様。

こういったゲームからさっさと手を引く方法がひとつあります。


保険外(自費)リハビリ。

如何でしょうか?

( ̄ー ̄)ニヤリッ






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