top of page

握力とフレイル

更新日:2023年2月6日

フレイルとは 医学用語である「frailty(フレイルティー)」の日本語訳で、病気ではないけれど、年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態のことです。

日本版のフレイルの基準は以下の通り。


体重減少、歩行速度、身体活動については、そうかなという印象ですね。

体重減少は栄養状態を示す可能性が高いですし、2週間も続く疲労感と言うのはそもそも尋常ではありません。2週間にわたってヘトヘトな状態…ちょっと私には想像がつきませんけれど。

歩行速度は全身の姿勢制御とバランス反応、場合によってはマルチタスクの可否を示す可能性があります。身体活動性は、活動をしようという活発な脳の情報処理を示すのでしょう。

わからないのが、筋力低下。いや、全身の筋力低下であればなんとなくわかるのですが、握力…。

握力が全身の筋力の指針であると言うことなんでしょうね。

なんでそう言う判断になったのでしょうね?

握力と他の筋力の違いはなんなんでしょう?

ふと思いつくのは、最も随意的な力が計測できると言うことでしょうか。ご存知のことと思いますが、手は最も外側皮質脊髄路の支配が強いところではあります。他のパーツは前庭系などの支配も大きいので、姿勢によって出力が変化しますから。

後は…

検者によっての数値のばらつきが少ないとか。

そう言うことなのかなぁと思ったり。

あ、もうひとつ思いつきました。

下肢や体幹筋力は、大雑把に歩行能力で示すことが可能かもしれませんので、残る上肢を握力で測ろうということなのかもしれないですね。


だけど、なんだか握力の低下をフレイルの目安とするのは、なんとなく「風が吹けば桶屋が儲かる」的な、少し遠い因果関係にあるような気がしてしまうのです。(^^;

まぁ、データなどに裏付けられた研究から導き出された結果なのでしょうから、因果関係ははっきりあるとされているのでしょうね。


個人的には、ちょっと引っかかるんです。

私が個人的にフレイルという言葉で感じるのは、脳幹の機能が低下している、特に促通系網様体脊髄路の機能低下が起こると、身体機能的にはフレイルと言われる状況になりやすいのではないかと思ったりします。セロトニン(5-HT)の出力低下ですね。意欲と言われるものに対しても、セロトニンが減少すると、慢性的な疲労や意欲の低下と呼ばれる脳の情報処理能力の低下を呈するわけですから、この辺りが鍵になりそうな気がします。

それにですね。脳幹網様体でセロトニンの減少があるとすれば、共収縮が乏しくなるわけです。延髄網様体脊髄路の機能低下で手関節の不安定性とか動揺性が出現すれば当然、出力である握力も低下します。

あ、そうそう。延髄網様体脊髄路を抑制性の制御をしているという風に言われておられる先生もおられたりします。

私は、橋網様体脊髄路も、延髄網様体脊髄路も、ネットワークの中で5-HT系とAch系を調整することによって、環境に応じた姿勢筋緊張を作るシステムの一部として働いているという理解をしていますので、延髄網様体脊髄路が抑制性の制御をしているという理解はしていないのです。ですので、延髄網様体脊髄路の機能低下で安定性が乏しくなるという表現も私の中では整合性を持っています。


ということで、少しネットを検索してみることに。

「加齢とセロトニン」というキーワードで検索をすると、1980年、日本老年医学会のワークショップでの論文「脳と老化」が引っかかりました。

これによると、老化によって、Ach,Dop ,5-HT,GABAなどが低下するそうです。そのメカニズムまではわかりませんけれど。

一応、セロトニンも低下するようですね。Achも低下するようですから、そこから想像できる身体像としては、緊張は低いものの、固定的で動きが硬いと言った感じですね。臨床的にも正しそうな感じです。


もし、セロトニンがフレイルの重要な要素の一つであるのであれば、という仮定に基づくお話になってくるのではありますけれど。

セロトニンの低下でフレイルが起きてくるのであればですね。セロトニン細胞(縫線核群)の活動性を高めることがとっても大事ということになってきます。

脳卒中を診ておられるセラピストなら、私が何を言わんとしているのか、もうお気づきでしょう。(๑>◡<๑)


そうです。

コアスタビリティ。抗重力伸展活動です。

脊柱の抗重力伸展活動。分節性を持った、支持基底面に近いところから一つづつの脊椎が徐々に抗重力的な位置へ変化しつつ、重心を高くしていくような活動性は、橋網様体が促通方向に活性化して、セロトニンなどによって共収縮と言われるガンマ系の出力が環境に対して適切に高まった状態は、セロトニンの分泌が必須です。また、結果的にそういった抗重力伸展活動を起こすことができるということは、脳幹において、Achよりセロトニンが優位であるということもできるでしょう。


というわけで、フレイルにも、脊柱の活動性を感じるとか、活動性を出力できるといった構造的環境は必須なのではないかと考えるに至った次第です。


このブログの記事を読まれた、物好きな皆さま。

如何でしょうか?

٩( ᐛ )و



閲覧数:17回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page