ちょっと頭を休めたい時に、ふと手に取ってみた本です。
左被殻出血による右片麻痺・失語などの症状でリハビリテーションを受けられた出口治明さんの書かれた本。
30年以上医療保険内でのリハビリテーションに関わってきて、さらに保険外でもリハビリに関わっている者としては色々考えさせられることもありました。
結局、リハビリに関わるトレードオフが課題になってくるのですね。
特に医療保険下においては、保険で認められる期間の中で、何を得て何を失うのか。そういったことはなんだかありそうです。
急性期から回復期にかけて脳の神経細胞はさまざまな可塑性を見せる時期であるのは間違い無いでしょう。その時期に、何を得て何を失うのかという選択は迫られるのだろうなと思ったりします。
ただ、現状の医療制度ではその選択をADLの獲得という選択肢に強いバイアスをかけているのは間違いない様な気がします。
それが正しいとか誤っているとかいう話ではなくて、本当は患者さんや家族の希望として選択していただくのがいいのだろうなぁと改めて感じます。
脳卒中経験者の率直な意見を伺うことは私たちにとってとても勉強になります。
同時に、脳卒中になられたご本人や脳卒中の方を支えておられるご家族に、余裕があればぜひ読んでみてほしいと感じる一冊でした。

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