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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

左片麻痺の手の動き


2021年の9月から、だいたい1回/週のペースでご利用中の左片麻痺の方がおられます。

2021年の春頃に発症されておられ、回復期リハビリテーションでは川平法を受けておられました。


来られた時は、非麻痺側優位の起居動作、歩行で、歩行は装具を使用されておられたと記憶しています。

足部の感覚は鈍麻していて、何処に重心があるとか、重心が移動したとか云った感覚は無いようで、足を棒のようにして振り回しながら歩いておられました。腰背部の代償や、非麻痺側体幹はかなり強く緊張して右肩はいつもすくめておられるような感じで、右上肢全体は同時収縮じみた固定性がありました。

そういった事から、連合反応も強く出ておられて、麻痺側上肢はウエルニッケマン肢位で、手指は伸ばせば僅かな屈伸が現れていたのですが、肩や肘の動きは、身体を動かそうとする際に起きる肩甲帯のリトラクション、肘の屈曲などの身の状態でした。


連合反応を減少させるためには、起居動作、立位、歩行場面で以下に麻痺側の連合反応を減らすのかといった課題があるだろうと思ったのですが、その為には下肢〜体幹の感覚ー運動経験と学習が必用だと考えて、色々アプローチをしていたのです。

装具を外し歩行が可能となり、立位では麻痺側下肢二加重して感覚に応答するような姿勢反応も見られるようになってきていました。

去年はキィボバースセンターで紀伊先生にアプローチをしていただいてお話を伺ったりして。

やっと今年、私のアプローチでも歩行中の上肢の連合反応が結構減少するようになってきたので、手指もなんとか開いてきました。

そこで、様々な姿勢でのバランス応答を経験していただきつつ上肢の状態を見ると、やっと肩や肘の動きが出現しはじめました。


本人も、肘が動く感覚がわかるのは発症後初めてだと云ったようなことをおっしゃっておられました。

やった〜。

上肢に関わる運動学習のきっかけがやっとつかめつつある感じです。

(もっとも、キィボバースセンターでは一度手指と前腕の回外といった課題を棒を使ったタスクで成功させておられましたけれど・・・、まぁ、私にもちょっと出来るようになってきたと云うことで(^^;)

袖に手を通すとか、服のチャックをあげると云った課題もいずれ視野に入ってくることが出来そうな気がします。




動画では、自分で出力を起こしていると云うことを印象付けるためにハンズオフに入ったところです。

このあと、左手を机の上に上げることが出来るようになっていました。

左上肢の身体図式がなにかしら学習したように考えられると思うのです。

(๑>◡<๑)


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