小趾外転筋
- Nagashima Kazuhiro
- 2021年12月3日
- 読了時間: 3分
この方、脳梗塞の右片麻痺で病院に勤めているときからお付き合いのある方です。
急性期の病院でしたので、発症から見させていただいたあとに回復期の病院に入院しておられたのですが、回復期を退院された後にまた私に見て欲しいと希望があって、外来で見させていただいてました。
その後、私が起業するときに私の事業所を利用するようになられた方です。
右麻痺であったのですが、学童期に頭部を打った経験がありその時から軽度の左下肢麻痺を呈しておられたそうです。
右の麻痺は大分改善していたのですが、朝歩き始めに左のお尻の力が抜ける感じがして歩いていると良くなると。
左の内転筋は幼少期からの独特の歩容で短縮されておられました。左足趾の動きはほとんど見たことがなくて、動かし方も解らないとのこと。足関節の底背屈も意図的に使用とすると同動かして良いか解らない感じです。ただ、バランスの反応として少し底背屈などが起きているので、感覚的には軽度から中等度の鈍麻。脊髄れべるとか脳幹のレベルでは感覚情報処理をされているような感じを受けました。
で、感覚が入りやすいように仕込んでいって見ます。
まず腰背部、胸腰筋膜の動きを引き出し、右背部から交差して左内転筋群に接続する軟部組織と左背部から左内転筋群に接続する軟部組織を緩めるようにしていきました。
その上で左内転筋群の粘弾性を回復させるように表層から軟部組織の動きをゆっくり引き出していきます。充分柔らかくなったら内旋した下腿を修正するように膝窩筋の粘弾性をつくっていきます。
足部はアライメントを修正しながら底屈で足趾の動きを促通。とくに4-5足趾間の軟部組織に動きを入れつつ小趾外転筋を外方に持って行きながら筋を引っ張ると小指が外転するところまで徒手的に刺激を入れて行きました。
その後側臥位で下肢を害転移にプレーシング〜ホールディングへ。
そしたら中臀筋の出力と共に小趾の外転が起きるようになりました。
初めてのことだったようで、本人はそれが動いていることに気付いておられません。で、慌てて動画を撮ってみせてみたのです。
見たあとにさらに繰り返していると小趾の外転する感覚が少し解ってきたと言われたので、立位での左足部の感覚を入れつつ、とくに小趾を広げた状態で足部の外側に荷重を加えることで足部と腓骨外果の軟部組織の圧迫や腓骨自体が足部に押し上げられる感覚を入れて行くようにして前庭系の出力を上げるように操作を加えたらかなり片脚立位が長くとれるようになりました。

ずいぶん喜ばれてました。
たぶん、朝起きたときに小趾を外転させるような感覚を何度か繰り返すことが出来れば、何時もよりしっかりとした感じで左下肢に荷重が出来るのでは無いかと思います。
次回また様子をお聞きすることにします。
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