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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

学習とシナプス

神経細胞のことをニューロン、神経細胞の樹状突起から次の神経細胞につながる部分のことをシナプスといいます。


シナプスがなぜ離れているのか考えたことがおありの人は多いのでは無いかと思います。

確実に情報を伝達するのであれば、くっついていた方が良いですよね。電子機器のように。

何でわざわざ情報伝達が不安定になるような構造をしているのかなぁ?



朝起きたとき、ふと思ったのです。

この不安定さが学習に必要なのでは無いかって。


1949年にドナルド・ヘッブという学者が神経回路網を調べていて、ニューロン間の結合の強さはニューロンの入力側の細胞とと出力側の細胞が共にアクティブな場合に強化されるということを発見しました。(ヘッブの法則)

これは、脳の可塑性と言われる物であって、長期記憶に関係があると考えられています。

学習はある一定の事柄がシナプスの伝達効率を変化させて、伝達効率を良くすることでなにかしらの入力情報に対して一定の出力情報が起きやすくする様な神経系の働きによって支えられているのだと思います。

これは、シナプス前部の神経伝達物質の出やすさや量、シナプス後部の神経伝達物質受容体の数などと共に、シナプスとシナプス間の距離(シナプス間隙)の変化など、構造的な変化が必要です。

学習を強化する為にはシナプスが近づいて、不要となった情報処理に対してはシナプスが離れていくことで、必要な学習を残していくようなメカニズムを作る為にシナプスは離れている状態で情報伝達をしてるのでは無いかと、ふと思ったのです。


私の考えはとりあえずいったん置いておきます。

普通、脳というと写真や図で見ると何だかあまり動きの無い臓器のイメージが強いかもしれません。

だけど、脳はダイナミックに変化する臓器である事が今は知られています。


たぶん、この構造的変化を支えている要素に、グリア細胞/細胞外電場/細胞外液のイオン環境などがあるのだと思います。

学習のメカニズムと学習を支える神経細胞外環境。この両方をリハビリテーションでは考えて行く必要があるのでしょうね。






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