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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

基底核ループと姿勢制御

更新日:2022年4月14日


基底核ループは、基底核に投射した部位に情報を送り返しているだけではなくて、異なる領域にも情報を返しています。

高次運動野から基底核に投射された情報は運動野に投射されて運動出力のトリガーとなっている事は高草木先生がよく話をされている部分です。


頭頂連合野とのループは、おそらくBody Schemaの生成に対して、必要な固有感覚/前庭感覚/視覚/聴覚/嗅覚などの情報を必要に応じて取捨選択するように関わっているのではないかと推測しています。


頭頂連合野で生成された身体図式の情報などは一部は頭頂間溝野から直接運動野に投射していますが、多くは上縦束を介して前頭葉に送られています。ここで、Body Schemaと外的環境情報からどのような運動出力が適正なのかという選択が高次運動野ループでおこなわれていると考えるのが脳の構造的には自然だと思います。


ですので、運動選択にはBody Schemaがとても重要であるという事は推測できるのではないでしょうか?


網様体のセロトニン細胞を多く含む縫線核には、前頭葉を中心とした皮質や、辺縁系に属する皮質下領域から多くの入力が有ります。

セロトニンは基本的に共収縮を起こすシステムを持ちます。皮質橋路(高次運動野から橋核に降りる経路)が働くことで橋網様体脊髄路が働いて体幹の伸筋である多裂筋と体幹前面にある腹横筋や内腹斜筋の共収縮がおこり腹腔内の圧を制御して抗重力伸展活動をコントロールするコアスタビリティなどはこのセロトニンのシステムに依存しているといっても良いのかもしれません。

ただ、共収縮だけだと抗重力性が他の部分に成立しないので、前庭脊髄路などが伸筋側のトーンを優位にしているのだと解釈をしています。


基底核は脚橋被蓋核(PPN)に投射しています。Ach系ですね。Achは抑制性に出力調整をするシステムです。運動開始などに伴って姿勢変化を起こす際にこの投射が必要となってくるのかもしれません。


こういったことを考えると、基底核が姿勢制御に対して働きかけるメカニズムが結構大事な様な気がします。そしてそれを支えているのは高次運動野ループ、そしてそこと情報をやり取りしている頭頂連合野ループと言えるのでは無いのかと思います。


ですので、感覚の入力とそれによるBody Schemaの生成はとっても重要だと思うのです。

ただ、高次運動野の情報は上縦束を介して頭頂連合野とやり取りをしていて、運動出力にたいしてBody Schemaを変化させていくことになりますので、活動も大事なのですけれど。




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