第二回目の南草津リハビリテーション研修会は、段上靖治先生から「姿勢筋緊張」というテーマで講義と臨床場面の提示をみせてていただきました。
姿勢制御と言うだけでは、臨床的な観察が不明確になってしまう恐れがあって、きちんと姿勢が織りなす筋緊張ー姿勢筋緊張を見ながらリハビリテーションにおける治療を進めるべきだととても熱く語っておられました。
その通りだと思います。パターンといわれる動きなかでは見失ってしまい安いものをきちんと抑えておくべきだと再認識させていただきました。
後半のディスカッションのなかで、皮質橋路の話題が出ていました。皮質橋網様体脊髄路で皮質との連絡の話題だったと思うのです。聞き違いで無ければ最近は皮質と橋は直接の接続を持っていないとの論文が最近出てきているようです。解剖学的にどうなっているのでしょうね?
図は図説中枢神経系第2版(p237)からです。
図の中の2が運動前皮質、この図で数字は打っていないですが橋から延髄あたりでモヤモヤと横線が入っているのが網様体、橋部分が橋網様体です。
で、16が網様体脊髄路。
接続はありそうに表現してありますけれど。
あ、隣のページ(p236)の図が解りやすいかも。
図中14が橋網様体ですから、皮質から橋網様体ー網様体脊髄路の経路がつながっていますね。
まぁ、解剖なども日進月歩の部分はありますからね。
だけど、段上先生がおっしゃっていたように全く接続がないと言うことは無いはずです。それが直接では無くても皮質と橋がつながっていなければ橋の機能が皮質の働きを反映できないですから、どのような形であってもつながっているのは間違いないです。
さて、南草津リハビリテーション研修会。スタッフからお声をかけていただいて次回は私がお話をさせていただくことになりました。
姿勢制御というと皮質橋網様体脊髄路(p-APAs)や延髄網様体脊髄路(a-APAs)がよく話題に出てきますが、それを制御している基底核に話を延ばしていく予定です。
「基底核による姿勢制御(選択)と運動制御(選択)」というテーマで基底核が姿勢制御(選択)にどのように関わっているのか、そして運動制御(選択)はどうかと言った事をお話しさせていただいて、臨床的にどのようにその知識をもちいて分析やアプローチに展開していくのかといったことを症例も通しつつお話しし、臨床上で上手くいったところはさらにどのように捉えて展開すべきかとか、上手くいかなかったところはどのようにアプローチを修正していくべきかと言った事をディスカッションできればと思っています。
南草津病院のリハビリテーション研修会スタッフの皆様。お世話になります。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。
<m(__)m>
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