
半側空間無視はかなり日常生活という適応行動を制限してしまうことが知られています。
その発生機序やアプローチのあり方についてまとめました。
そもそも、脳生理学はおそらく「科学」の分野の一つです。
科学というのは、数論でいう「定理」とは異なっていて、定理にあるような絶対的な論理的証明を持つものではないです。
ほら、ピタゴラスの定理はひっくり返らないでしょ?
だけど、科学の分野は日進月歩。進歩しているのだけど、進歩ということは変化していることになります。
昨日正しいと思ったことが今日は違うことがあり得るのが「科学」と呼ばれるものの実態です。
脳のことも19世紀には骨相学という学問が科学であり、信じられていました。20世紀に入ると大脳生理学の発展により否定されてしまいます。現在でも新しい事実は色々出現しているのです。
何を書いているかというといいわけですけれど。
まぁ、「科学」というものに絶対的な正しさはないということは本来は周知されるべきだと思うのですけどね。科学の証明は必ず条件がつきますから。(こういった場合には証明されるとかなんとかです)
私の作った資料も様々な文献を元にまとめては見たのですが、必ずしも正しいとは限りません。
ただ、現在私が知っていることで整合性を保ちつつ私なりに論理的に組み上げればこんな資料になるぐらいのものではあります。
それでも、資料の後半に出てきますが姿勢身体図式は環境との接点になります。自分の脳が外の環境を知る際には自分が環境の中でどうなっているのかということを知る必要があります。そのことは間違いがないと思います。
環境を知るには環境の中で自分がどうなっているのか?なんだか鶏と卵みたいですね。
姿勢身体図式は環境の中で変化しますからね。
脳損傷において姿勢身体図式を脳の中で知覚していくのは非常に困難になることは異論は出ないでしょう。
そうである以上、視覚を含めた認知や行動へのアプローチには、姿勢と運動をいかに知覚しているのかという視点は絶対に必要です。
そんなことを盛り込んでみました。
こういったことを考えているといつもふと思うのは、脳にとって手や足、体幹もきっと外的な環境なのではないかと・・・
近いか遠いか、ダイレクトな「感覚」と呼ばれるものが存在しているか否かの違いぐらいで。
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