先日ラジオを聞いていました。
共進化というお話が出ていまして、共進化の説明に兎とキツネの話が出ていたのです。
キツネは兎を捕食しやすいように足が速くなるよう進化した。同時に兎は身を守るために耳が長くなるよう進化したといった説明があったように記憶しています。
これは、そういう説明だとすれば違うんですね。
現象として共進化といった状態はあるかも知れないですが、進化に目的など在りません。
キツネのなかでも速く走れる骨格や筋などをもつ個体が兎を捕食しやすかったので、結果的に生き残って子孫をつくる。その子孫は親のキツネの遺伝的特徴を持つため、結果的に足が速い個体が多くなっていったわけです。
兎は兎で、周辺環境の情報を多くとれる個体の方が生き残りやすかったと推測出来ます。少しでも早く、遠くのキツネの存在に気が付いた方が逃げ切れる可能性が高くて、そういった個体はきっと耳が長かったのでしょう。耳が長い個体が生き残り、その遺伝情報を子孫に残すので、結果的に耳の長い兎が多くなった。
つまり、進化とは生き残ったものの結果であって目的ではないのです。
さて、近年、再生医療が現実におこなわれるようになってきています。
様々な疾患に悩む人達にとって大きな福音ですね。
WHOでは老化もひとつの治療可能な疾病として捉えてきているようです。
現代の再生医療では老化でさえ治療が可能である状況となってきているのですね。
素晴らしいです。
ただですね。
地球という限られた空間環境のなかで人の占める割合はある程度限界があると思うんです。
その中で高齢者が元気になっていくと、地球上の高齢者率が高くなることが予測されますよね。
子供が少なくなるわけです。
まぁ、元気な人間が多いわけで、子供が少なくても問題が無いじゃ無いかと見ることもできますが・・・
先にキツネと兎のお話に書いたように、種というのは生存しやすい遺伝情報が環境に適応した結果残っていくわけです。そうしてみると、種としての環境適応能力というのは同じ種のなかでも多様性のある遺伝情報から、より生存しやすいものが残り続けるという個性の変化〜トランジスタシスが重要そうですよね。
一個の生命体としてみるとホメオスタシスが大切なんですけれどね。
長期的な環境適応能力(進化)は、種のなかで一定の遺伝情報が、その時代の環境に選択されることで起こる個性の変化の過程に存在していると考える事が出来ます。それは、遺伝情報を伝達する時の不安定性による個体の特長の多様性と、その中で生存しやすい持つ個体の遺伝傾向が増えることを可能にする「死と誕生」のサイクルが存在しているから、こういった変化の過程が起きるわけです。
少子高齢化はこのサイクルが上手く機能しなくなる可能性があるのだと思いませんか?
とすると、再生医療の発達の果てに何が起きるかと想像してみると・・・
人間という種の衰退もしくは滅亡も長い将来には起こりえるような気がするのです。
かつての恐竜のように。
それって、正しいことなのだろうかとふと思ったりしたのです。
再生医療は確かに困っている多くの人達の福音となるでしょう。
だけど、その使い方はもっともっと考えて行く必要がありそうな気がしませんか?
まぁ、若い人達が元気いっぱいでいることの出来る状況は望ましいので、再生医療自体はもっともっと発展して手軽にもちいることが出来るようになって欲しいのですけれどねっ!
٩( ᐛ )و
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