最近、新しいご利用者さんが来られました。
まだお若い方です。
冬、雪が積もったときにスタックした車を助けるために後ろから押していたら、その車がバックしてきて転んで手を引かれたとのこと。右母指中手骨の骨幹部骨折と、広範な皮膚損傷。
痛そうなエピソードです。(^_^;)
それでも、雪と柔らかなスタッドレスタイヤに挟まれたのでもっと酷い状態に至らず済んだと言えるのかも知れませんね。
骨折に対してはピンニング,皮膚損傷に対しては植皮で治療が行われていました。ピンニングのピンは、骨折が癒合したときに抜かれたようです。
リハビリテーションも上手く進めておられたようで、関節の可動域制限も無く使える手になっておられました。
ただ、以前から、マンシェットを巻いて血圧を測ると手が痛くなるとか、手を下ろしていると痛くなるとか、痺れてくるとか。そういった痺れとか痛みに悩まされておられたようです。病院の外来リハビリテーションも、可動域制限がない事から終了と言うことに成、仕事にも復帰していたけれど、やはり痺れや痛みがあってどうしようかと考えておられたそうです。
植皮部分は尺側にもう一カ所あります。
あ、そうそう。この方、なぜウチに来られたのかというと、病院でのリハビリテーションは知り合いのOTが担当されておられて、外来終了時に相談したら、私のことを紹介していただけたようなのですが、その他に・・・。以前勤めていた病院リハビリテーション科の受付におられたかたが親御さんで、さらに、お兄さんが近隣病院の理学療法士をされておられたそうなのですが、皆さんが、私のことを憶えていたり知っていたりされたようで、口々に「永島がいる。」と言っていただけたようなのです。何だか少し嬉しいですね。(*^_^*)
さて、この手。マンシェットを巻いたり手を下垂したりしたときに痺れや痛みがあると言うことは、循環に関連した痛みが最も可能性が高いと言うことになりますね。
他に、右手でアルコール消毒のポンプを押さえたら、MP関節の所あたりが痛いとか。
しかも、普段はそれほどでは無さそうなのです。
手の皮膚の下(〜まぁ、手に限りませんけれど)には血管や神経が分布している訳なのですね。
植皮部分に触れてみると、結構硬くて、動きが無い感じ。滑ったり伸びたり縮んだりしにくい感じです。
術創部の移植した皮膚を縫ったところは、まぁ仕方が無いのですが、触ってみると硬くて皮膚の下に軟部組織でつくられた細いたこ糸のような感じなのです。
これでは、例えば、マンシェットで上腕を圧迫して静脈が流れを悪くしているところに、どうみゃっけつが入ると液体成分が増えることになるかと思うのですが、それに対して柔軟に皮膚がふくらんでての中の内圧を弱めるようなことが出来ませんし、手の中から圧がかかった際に間質液が移動して対応しようとしても、塗ったところの紐状に感じられる組織は、ダムのように液の流れを阻害するでしょう。
そしたら、神経や循環が圧迫されて痛みや痺れにつながっている可能性が高そうですよね。
いや、同意を求めても仕方が無いですね。(^_^;)
その可能性が高いと私は考えたのです。
そうすると、皮膚の柔軟性をつくる必要がありますので、皮下組織にある原繊維や浅筋膜をリリースするように滑りをつくって原繊維の滑らかな動きを作っていきます。
そして手背部から見ると中手骨を挟んで前方に配置されている手掌腱膜の状態を確認すると、やっぱりすこし硬くなっておられるようでした。
手掌腱膜は、そこの膜組織を中心に軟部組織を分けている、隔膜と考える事が出来ます。ここの動きも柔軟で無いと手掌腱膜から手背の皮膚組織までの間の軟部組織の圧が上がった際に,その圧を逃がすことが難しくなることが推測出来るので、動きを確り出しておく必要がありそうだと判断して、ここの膜組織に対してもリリースをしていくように膜と原繊維の動きを拡大するようにしていきます。
で、マンシェットのように手で上腕を包んで圧迫してみると、痛みは出ますが、痛みが出るまでの時間が長くなっていたり、痛みが軽くなったりするようでした。
すると、臨床的に推測したことは、前部は正しくは無いけれど正解に近いところにあるものと思ってアプローチをしております。
経過は良いようで、昨日は、消毒液のポンプを押してみてもらうと痛みが出なかったようでとても嬉しそうな顔をしておられました。
喜んでいただけると、私も嬉しいのです。
(๑>◡<๑)
手だけでは無く、色々左の肩とか腰とか両膝とか足関節とか、色々痛みや可動制限がありそうな方です。ちょっと緊張しやすくて、交感神経系優位になりそうな方ではありますが、出来るだけ緊張をとりつつ、循環が改善してリラックスした時間が増えるようにアプローチをしたいと思ってます。
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