昨夜、以前研修会で共に学んだOTの先生から連絡をいただきました。
とある動画を見つけて、見てみたらモヤモヤしたとのこと。
○○法の動画、youtubeで確認したら昨年にアップされた動画です。まぁ、あからさまにその動画を出すとトラブルの元になりそうな気がするので、ここでは紹介しません。
何だか、モヤモヤする。
率直なご意見ですね。(^_^;)
で、見てみてどう感じるのか教えて欲しいと云った内容でした。
見てみると、ボバースコンセプトを批判しているのですね。しかも1940年代の。
で、色々見ていたのです。
詳細は省きますが、この動画で話をしておられる先生、科学的リテラシーは低い方だと思います。脳科学的な知識もそこまでお持ちのようでは無いと判断しました。
あ、私、○○法を批判しているのではありませんよ。
この動画をアップした人が科学的リテラシーが低いと云っているだけなのです。
最初ブログの記事にする気は無かったのですが、途中、2009年脳卒中ガイドラインを用いてボバースの批判をされておられるのですが、それはちょっとどうかなと思いまして。
脳卒中ガイドラインって、2009年が最新版なのでしょうか?
2023年にこの資料を使って動画を撮られているのでそういうことなのかな?
興味が無いので知らないのですけれど。
その後、2011年の「Lancet のガイドライン2011」では「ボバース法は推奨しない」という報告があったことを話されておられました。
此も読んでいないので、ちょっとコメントは出来ません。
ただですね。
以前から書いていますが、科学というのは、特定の事象に対する仮説を証明するために特定の環境(条件)を整えて、一定の実験を行い、その結果を特定の検査手段を用いて計測し、検証していくような学問なのです。
現在の科学で用いられている計測手段、スケールの用い方などには限界があります。特にヒトと云うものの研究に対して、既存の要素還元主義による手法で研究することの限界は、既に様々なところで疑問視されているところでもあると認識しています。
さらに、現在の要素還元主義的な研究手法においては、なにかしらのものが「無い」と証明するのは非常に困難なのです。
「科学的根拠は無い」のでは無く、正解は「現代の科学においては効果が証明できない」と云うことにしか過ぎません。
この動画で表現されようとされているような「効果が無い」とするのは科学的に誤りなのです。
もちろん、このガイドラインにある様な表現も、詳細に云えば誤りであると云うことが出来そうな気もします。
「科学」は全ての事象に等しく根拠を与えるものではありません。
現在読んでいる『天才科学者はこう考える――読むだけで頭がよくなる151の視点』と云う本に、こういう風に書いてあります。
「重要なのは、モデルを真実と混同しないことだ。モデルは、どんなことがあっても、揺るぎのない絶対的真実に変わったりはしない。」
要素還元主義の手法による科学的実験というのは、要はモデルをつくって検証しているのであって、それは絶対的真実などではないのです。
それを絶対的な真実として取り扱うのであれば、それは宗教に近いですよね。
「科学」はいかなる場合もなにかを正しいとしてそれ以上考えないという思考停止を許さない学問だと思うのですよ。
さて、この動画を紹介したOTの人が、腹を立てた理由。
たぶんですね。
この動画の中で何を話しているとかそういうことではないのです。
なにかを批判することで自らの正当性を主張するその手法が気に入らなかったのだと思うのです。
此、言葉で書くと優しいですね。
ですので、少し想像してみてください。
職場で同じ事をされたら皆さんどうでしょう?
同僚が、あなたの悪口を言いふらして、自分の立場を上げて役職に就こうとするような場面。
出世レースではよく見かけることですよね。
私も巻き込まれた経験があります。
此は腹が立ちますよね。
建設的では無いうえに、なんの役にも立たない。
悪口を言う方も、なんの成長も無く自分の立場だけを相対的にあげようとしているわけです。
此は本当に向かっ腹が立ちます。
この動画を紹介したOTの先生。
この動画のそういった手法が気に入らなかったのだと思うのですね。
私も同様に少しだけ腹を立てています。
この人の非常に下品な行為に対してです。
私はこう思っています。
「科学」を、そんなことのために使うな!!
ボバースコンセプト批判なんかせずに、「私はボバースコンセプトを学んで実践したが、結局複雑で解らなかったし、私がボバースコンセプトを実践しても効果が限定的だった。それに比べて、○○法は理解しやすく、技術も解りやすい。私が用いる場合においてはこちらの方が効果があるように思う」と云われていれば、それで済む話なんです。
科学的で建設的な批判は楽しませていただきますが、己の利得のための一方的な批判は・・・
拒絶させていただきます。
<m(__)m>
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