コアスタビリティの簡便な検査方法に、キブラーテストというのがあります。
キブラーテストというのは、
1)立位で開始。
2)片脚立位になる。曲げるほうは、大腿が垂直のまま、膝を屈曲させる。
3)立脚している下肢と反対側の手で、立脚した下肢の足趾に触れる。
4)片脚立位に戻る。
5)立位で終了。
という動作を見て、動揺であるとか、代償であるとかを観察するテストです。
検査中の動きの観察のポイントとして思いつくものをざっと書いていきます。
1)動作が完遂できるか否か?
2)足部の支持面が移動するかどうか?足部の形態が変化しないかどうか?
3)膝〜体幹の動揺性
4)下肢の代償~股関節の外転、伸展、膝の伸展などで、バランスを維持していないか?
5)下ろしている側と反対側の上肢が、屈曲していたり、バランスを取るために伸展や外転したりしないか?
6)屈んだ状態から身体を起こす際に、頭部が伸展して代償的な脊柱伸展となってしまわないか?
7)屈んだ状態から身体を起こす際に、肩関節〜上肢の過伸展を出して、広背筋などのパワーを利用してしまったりしていないか?
8)全体の動作の流れは緩やかでなめらかであったか?
などなどでしょうか。
まだあるかもしれないけど、パッと思いつくのはこれくらいかなぁ・・・
コアスタビリティというのは、運動に先立って姿勢を制御したり、外乱があっても小さな外乱であればそれを収束させるために働いたりしますので、コアスタビリティの機能が高まってくると、この検査で起きる動揺や代償が減少するようになってくるのです。
まぁ、こういった体幹の屈曲と回旋が伴う動作で、日常的な動作にどのように影響しているのかも、ざっとですが考えてみます。
歩行中に落ちているものを拾うとき/洗濯槽から洗った洗濯物を出すとき/洗濯物を干すとき/玄関で靴を履くとき/靴下を立ったまま履いたり脱いだりするとき/立ったままズボンやパンツをはくとき/玄関で靴を履くとき/立った状態で靴紐などを結んだりするとき/ホテルの朝食バイキングなどで食べ物を取ったりするとき~などなど。
コアスタビリティは、動作をスムーズに安全にするために機能するので、すべての動作に関わってくるのではありますが、キブラーテストに似たような動作を上げてみるとこんな感じでしょうか?
片麻痺の方で、この検査ができる人はごくまれです。
どちらかというと、非脳損傷の方のコアスタビリティの状態を確認する検査とか、何かしらの身体の動きなどの研修会などで、変化を確認するために用いたりする検査というイメージが強いですね。
実施する際の注意点として、転倒のリスクがある人はもちろん、腰痛・頸部痛などがある人などは検査中に痛みが増強する可能性があります。この記事を読んだからと言ってお一人で確認しようとしないでくださいね!
先日、身体正中軸とコアスタビリティのことを少し書いたのです。
で、テニスボールの自主トレとともに、身体正中軸の調整も自主トレに組み込むべく、ご利用者さんにお伝えするため、一緒に身体を動かしているのですね。
何度も何度も。
それがどうやら自分の軸を強化する自分の自主練習になっていたようで、最近身体の安定感が増してきているように感じたのです。
で、自身でキブラーテストをしてみました。
(*´▽`*)
まぁ、まだ膝に動揺があったり、わずかに上肢や頚部の代償が出ていたりはしますが、結構良い感じ!
なかなか、片麻痺のご利用者さんや、そのほかの整形系のご利用者さんで、人の身体のこととか、コアスタビリティ、脊椎の分節的な活動とか感じたり考えたことが無い人たち~そちらの方が普通なのではありますけれど~そういった人たちに身体正中軸を作るための動きを覚えていただくのはなかなか難しく、まだ繰り返し指導をしている最中ではありますが、自主練習としてできるようになったら、またこちらでリハビリできることが広がってくるはずなので、それを期待してアプローチの途中や最後に必ず指導する時間を入れているところなのです。
そうそう、ご自身でやってみられるとき、堅い床面で裸足、堅い床面で靴下、柔らかな床面(プラットホーム上)などの、様々な場面でして見ると、足部とか接触面の感覚の重要性を身をもって感じることができて面白いと思います。 バランスが悪い人とかは、膝立ちでやってみるのもありかもしれません。
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